マイクロソフトは、スタンドアロンVRヘッドセット「Meta Quest」シリーズ向けに「Word」「Excel」「PowerPoint」をリリースしました。PCがなくてもヘッドセット単体、あるいはマウス、キーボードをBluetoothで接続してファイルの作成・閲覧・編集・共有といった作業が可能になります。

VR空間にPCとシームレスな作業環境を実現

アプリをインストールして、初回の起動時はMicrosoftアカウントでログインが必要。ログインするとブラウザベースの「Microsoft 365」と同様のホーム画面がVR空間に表示され、テンプレートを選んでファイルを作成したり、OneDriveに保存されたファイルを選んで開くことができます。OneDriveを経由すれば、PCで作業中のファイルをMeta Questで引き継いだり、逆方向の引継ぎもできるなど、PCとシームレスな連携が可能。

表示や入力の動作は、Microsoft 365をブラウザで利用するのと同様、軽快でストレスを感じません。マウス操作はコントローラーやジェスチャー操作、文字入力はバーチャルキーボードを使えますが、マウスとキーボードを接続して使うのが現実的なのではないでしょうか。

デフォルトでは、離れた位置に湾曲した大画面を表示します。近距離のフラットな画面表示に切り替えることも可能。ウィンドウは頭の回転や傾きに加えて、上下左右前後の動きに対応する6DoF(Degree of Freedom、自由度)表示なので、フラットな画面表示では画面をつかんで上下左右前後に移動したり、顔を近づけることでより近くに見るという、現実世界と同様の挙動がVR空間上で再現されます。

3アプリで3画面の作業環境にも対応

ウィンドウのタイトルバーをつかむと3画面分の左右にウィンドウ表示領域が現れ、左右にドラッグして配置することができます。

Word、Excel、PowerPointの3アプリを3画面で同時に表示して、3画面の作業環境として使うことも可能。1画面はブラウザを配置することもできるので、ウェブサイトや検索で調べ物をしながら資料を作成したり、Gmailでメールをチェックしながら文書を作成するなど、PCと同様の作業環境として利用できます。

パススルー対応ヘッドセットとHHKB Studioの組み合わせが最強

Meta Quest 3、Meta Quest Proといった、現実世界のパススルー表示に対応するヘッドセットなら、日常空間で目の前にディスプレイが浮かぶ“空間ディスプレイ”の作業環境が実現します。

PFUの高性能コンパクトキーボード「Happy Hacking Keyboard」(以下HHKB)から登場した新モデルで、ポインティングスティックとマウスボタン、ジェスチャーパッドを搭載する「HHKB Studio」なら、キーボードのホームポジションに手を置いたままあらゆる作業ができて便利。ポインティングスティックによるマウス操作、ジェスチャー操作によるカーソル移動やスクロール、ウィンドウ切り替えができ、HHKB Studio 1台で入力が完結します。

以前、VR空間にPCの画面をミラーリングできるMeta Quest用アプリ「Remote Display」を使ったPC作業環境を記事で紹介しました。

Word/Excel/PowerPointアプリならPCさえ不要なので、ヘッドセットとHHKB Studioだけで好きな場所に行って作業が可能になります。バルコニーで外の景色を見ながら作業したり、集中したいときは没入感のあるVR空間に切り替えたりと、自由な環境で作業したい人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 PCがなくても使える「Meta Quest」版の「Word」「Excel」「PowerPoint」がリリース パススルー対応ヘッドセットなら空間ディスプレイで最大3画面の作業環境が実現