<ツルハシ1本>と<折れない心>で敵を討つ “絶対に死なない”伝説の老兵の痛快すぎる壮絶バトル! “世界一幸せな国”フィンランドが贈る『SISU/シス 不死身の男』が10月27日(金)より公開となります。

タイトルのSISU(シス)とはフィンランドの言葉で正確には翻訳不能。すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神を意味します。そのSISUを武器に、伝説の兵士“アタタミ”がナチス戦車隊をたったひとりで血祭りにあげてゆく痛快バイオレンスアクションは故国フィンランドで5ヶ月連続トップ10入りという特大ヒットをたたき出し、2022年、シッチェス・カタロニア国際映画祭 ファンタスティック・コペティション部門で最優秀作品賞など4部門を受賞、批評サイト「ロッテントマト」では98%の高評価を獲得しています。

本作の主人公“アアタミ”を演じたヨルマ・トンミラにお話を伺いました!

――本作とても楽しく拝見させていただきました!監督が「アタタミ役はヨルマさんにしか出来ない」とおっしゃっていますが、まず企画や役柄についてどの様な印象を受けましたか?

アクションシーンがとても激しかったので、引き受けるとしたらかなり体を張ることになるなと思いました。これが自分に出来るのかなということが心配になることもありましたが、監督からも大丈夫ですと説得されて挑むこととなりました。

――アタタミというキャラクターに最初に感じた印象と、それが変化していくことはありましたか?

あまり変わりませんでした。私は子供の頃から、退役軍人の人たちを間近で見ることがあったので、彼らがどういう振る舞いをしているのか、どういう雰囲気を持っているのか、明確なイメージを持っていました。完全なリアリティを追求しているわけではなく、誇張もありますけれどアタタミという人物のイメージをつかむことは、そういった経験に基づいています。

――本当にハードなアクションだったかと思いますが、どの様なトレーニングをされたのでしょうか?

一年間トレーニングの時間がありましたので、出来る限り体を鍛えようとしました。若い頃から乗馬の経験がありましたが、改めて練習して、水泳をやって、ジムにも通っていました。アタタミを演じる上で一番大切にしていたことは、彼は生涯にわたって自分の手を使って仕事をしてきたということです。なので手が他の人とは違うだろう、それらしく見せる様にしようと手を重点的に鍛えていたよ。いつもこれを持ち歩いて、可能な限りこれをやっていました。

――アクション映画のキャラクターで参考にしたキャラクター、影響を受けた俳優などはいますか?

アクション映画のキャラクターではいないのですが、撮影の最中に要所要所で意識していた俳優さんはいて、それは三船敏郎さんです。彼からインスピレーションを受けています。日本の方にはそう見えるか分からないのですが、僕はこの映画に日本映画っぽさを少し感じていました。黒澤明の映画や三船敏郎さんのお芝居と通じる部分があるなと。

――おっしゃるとおり、信念を持って一人で戦っていくという所に黒澤作品や三船敏郎さんっぽさを感じますよね。

日本の方にそう言っていただけると嬉しいよ。僕もスタッフも日本の映画にとても影響を受けているし、日本の芸術をとても愛しています。日本の観客の方がフィンランドのSISUという精神にアツいものを感じていただけたらありがたいです。

――SISU(シス)とは<すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神>といった意味を持ちますが、この映画の制作中にSISUを感じた瞬間はありましたか?

山でのシーンなど撮影現場はとても過酷でしたが、そんな時にSISUが現れていたと思います。50年以上前、人々はどうやってここで暮らしていたのだろうということも考えました。戦時中、ドイツ軍が敗戦して撤退していく時に、ラップランドを燃やしてしまったわけです。そこからラップランドの人々はゼロから全てを再建したんですね。そこにはSISU、不屈の精神があるに違い無いと考えていました。

――ヨルマさんは、演じることのモチベーションをどんなことに感じていますか?

僕は演劇での活動が中心で、映画には何本かしか出演していないのですが、久しぶりに映画に出たいなと思っていた時に、ちょうど本作のヤルマリ監督から連絡をもらいました。撮影は過酷でありながらも、とても楽しかったです。

――ヨルマさんは普段どの様な演劇、映画に出られているのでしょうか?

子供のおとぎ話に登場するヤギを演じました。あとは、今稽古中なのですが、「ノキア社」(フィンランドの通信機器メーカー)の発展と凋落を描く物語で、ノキア社のCEO役を演じます。夢の中に出てくるヤギの役から、大企業のCEOまで、幅広い役をやっています(笑)。

――アタタミでヨルマさんのカッコ良いアクションを観た後には、ヤギの役をやられているなんて本当にびっくりです(笑)。今日は素敵なお話をありがとうございました!

『SISU/シス 不死身の男』 
10月27日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開
(C)2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 映画『SISU/シス 不死身の男』“絶対に死なない”伝説の老兵を演じたヨルマさんに聞く「撮影中に三船敏郎さんを意識していた」