大ヒットした『イカゲーム』のイ・ジョンジェが初監督、韓国での公開時には初登場1位を獲得したスパイ・アクション映画『ハント』が、現在全国公開中です。


盟友チョン・ウソンとダブル主演でもある本作は数々の世界中の映画賞で称賛され、ここ日本でも好評価を得ている注目の一作。


来日したイ・ジョンジェさんにお話を聞きました。


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●今作『ハント』は、監督・脚本・主演とこなされたわけですが、そのような状況での撮影はどのようなものでしたか?


大変な道のりでした。わたしはとても几帳面な性格なので、作業を自分が満足いくまで繰り返し繰り返し重ねていかなければならなかったのです。自分が欲しい映像になるまで作り込まなければ気が済まない、それだけに仕事量がとても多かったのです。ただ、そのプロセスは大変なことだけではなく、映画の面白さもありますので、面白いからこそ演技を30年近くやってきたわけですが、監督の計り知れない仕事量は大変なものでした。



●主人公を演じながら、演出もしなければいなかったわけですからね。


今作では主演と監督を兼ねていたので、自分の演技に対して自分で判断しなければならなかったのです。もちろんあの役柄は自分で作ったもので自分で演じている役とはいえ、やはり誰かに客観的に観てほしいなという思いはありました。演技が終わった後にモニターを観ながら、周囲のスタッフにたくさん意見を聞きました。それがとても役に立ったと思います。



●銃撃戦のシーンなどアクションのパートも凄まじいものがありましたが、ご自身が満足しているシーンはどこでしょうか?


心残りの部分がもちろんあるのですが、全般的に満足しています。与えられた状況の中で、本当にベストをやり尽くしたので、満足していると言えましょう。



●チョン・ウソンさんとの「アーティストカンパニー」設立から7年が経ちますが、今『ハント』を届けられることについてどのような心境でしょうか?


経営者としては、とてもうれしいことです。ひとつ目にはカンヌ国際映画祭に招待されました。ふたつ目には記者や評論家の方たちの評価がとてもよかったのです。公開された時の観客のみなさんの評価も、とても高かったのです。コロナ禍において劇場の状況があまりよくなかったにもかかわらず、観客スコアがよかったので、さまざまな面で本当にいい結果が得られたと思っていますし、会社としては初めての映画でこのような結果を出せたことは、成功したケースではないかと自分でも評価しています。



●ここに至るまで大変なこともあったのではないでしょうか?


実は、ここまで自分でやるつもりでスタートしたわけではなかったのです。作家と監督を見つけることが出来なかったので、それこそが最初の危機でした。挙句の果てにはイ・ジョンジェがシナリオを書くことになったので、まわりのみなさんが心配していました(苦笑)。


●今回、評価も成績も成功を収められたと思いますが、だからこそ見えて来た新たな課題のようなものは?


大きくはないと思いますが、この『ハント』を撮り終えた後、『スター・ウォーズ』の「Acolyte(原題)」を撮り、今『イカゲーム シーズン2』を撮っているのですが、この『ハント』で演出を経験したことによって、演出家の気持ちというものが分かるようになったので、今は監督に「してくれ」と言われたとおりにやっています(笑)。


●「Acolyte(原題)」は、どんな作品になりそうですか?


これまでの『スター・ウォーズ』の主人公のキャラクターやテーマと、大きく違うものとなっています。『スター・ウォーズ』はこれまでも絶えず変化して来ましたが、今回も大きく変わっているように思います。ビジュアル的にもストーリー的にもそうなのですが、個人的にもとても期待が大きい作品になっていると思います。


また『イカゲーム シーズン2』もシナリオがとにかく面白かったですね。ですので、個人的にはこちらも期待しています。


●最後になりますが、日本のファンの方へメッセージをお願いします。


日本で僕の映画が公開されるのは本当に久しぶりですが、再び日本で公開することになり本当にうれしいです。ありがとうございます。


■ストーリー


1980年代、安全企画部(旧KCIA)の海外次長パク(イ・ジョンジェ)と国内次長キム(チョン・ウソン)は組織内に入り込んだ北のスパイを探し出す任務を任され、それぞれが捜査をはじめる。二重スパイを見つけなければ自分たちが疑われるかもしれない緊迫した状況で、大統領暗殺計画を知ることになり、巨大な陰謀に巻き込まれていく。


配給:クロックワークス

脚本・監督:イ・ジョンジェ

出演:イ・ジョンジェ、チョン・ウソン、チョン・ヘジン、ホ・ソンテ、コ・ユンジョン、キム・ジョンス、チョン・マンシク


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撮影=塚本桃


公開中


(執筆者: ときたたかし)


情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 韓国映画『ハント』イ・ジョンジェ来日インタビュー 初監督作は「ベストをやり尽くしたので満足しています」