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2019年に日本語字幕版がミニシアター限定で公開されてから口コミが広がり、2020年には日本語吹替版が製作され全国で上映されるほど規模が拡大し、さらに話題を呼んだ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』から、2021年に日本語吹替版が公開し、コロナウイルス感染症で映画業界が危ぶまれる中大ヒットした『白蛇:縁起』が記憶に新しい中国アニメーション。
そして、今年5月26日(金)に公開される『雄獅少年/ライオン少年』も、今アニメーション界で注目されている中国で製作された。この3作品に共通することは、思わず見惚れてしまうほどの美しい映像と、キャラクターの繊細な表情、そして綿密に練られ、心を動かされるような感動するストーリーだ。本作では、主人公・チュン(花江夏樹)が獅子舞と出会い、獅子舞の練習や人々との交流を通して成長していく姿が描かれているが、その成長が違和感なく描かれているのは、考え抜かれたストーリー構成とキャラクターの繊細な表情が丁寧に表現されているから。
『白蛇:縁起』でも描かれているように中国アニメは神話や伝承を題材にした作品が多い中、『雄獅少年/ライオン少年』は現代の中国社会を背景にした物語。ソン・ハイポン監督は本作が、リアルな題材を扱った初めての商業アニメーション映画だと話しています。それはソン・ハイポン監督の、これまでの作品と差別化した作品を作りたいという探求心と、リアルを追及することで一層観客の感情と共感を喚起させたいという想いによるもの。
中国アニメが大躍進する中まだ日本のアニメしか見たことない人でも、これまで中国アニメを見てきた人でも、きっと楽しめるようなストーリー、美しくハイクオリティなアニメーションと、力強くダイナミックな獅子舞のバトルシーンをぜひ大きなスクリーンで体感して。
◆『雄獅少年/ライオン少年』2023年5月26日公開
出稼ぎ両親の帰りを待つ貧しい少年チュンは、ある日、華麗な獅子舞バトルで屈強な男を倒した同じ名前の少女チュンから、獅子頭を譲り受けた。チュンは、お調子者のマオと食いしん坊のワン公を誘い、獅子舞バトル競技大会出場を決意。飲んだくれの元獅子舞選手チアンに無理やり弟子入りする。チアンの妻アジェンの励ましを受け三人は猛特訓を続けるが、大会目前でチュンの父が大けがをして帰郷した。家族のため、大都市に出稼ぎに行くチュン。過酷な労働が続き、仲間との夢をも諦めそうになったチュンの前に、再びあの少女が現れた――。
◆『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(’20)
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。なんとか逃れたフーシーたちはシャオヘイの奪還を誓い、かねてから計画していた「ある作戦」を始める。一方、ムゲンはシャオヘイとともに、人と共存する妖精たちが暮らす会館を目指す。シャオヘイは、新たな居場所を見つけることができるのか。そして、人と妖精の未来は、果たして――。
◆『白蛇:縁起』(’21)
『白蛇:縁起』は中国の四大民間説話の一つ『白蛇伝』の前世の話。晩唐の時代、国師が民間人に蛇を大量に捕獲させていた。白蛇の妖怪「白」(見た目は人間の美少女)が国師を刺殺しようとしたが失敗。少女は逃亡の末、記憶をなくしてしまったが捕蛇村の少年「宣」に救われる。「白」の記憶を取り戻すため二人は冒険の旅に出る。その旅の中で二人は恋に落ちるが、少女が白蛇の妖怪ということも明らかになってしまう。一方、国師と蛇族との間に激しい戦いが始まろうとしていた。二人の恋に大きな試練が待ち受ける。
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