病気ではないももの、健康と要介護の中間にあたる虚弱な状態のことを、日本の老年医学の分野では「フレイル」と呼んでいます。

コラーゲン・ゼラチンメーカーの新田ゼラチンが、全国の40歳以上の男女600人を対象にインターネット調査を実施したところ、40歳以上の53.4%がこの「フレイル」または「プレフレイル」に該当することが分かりました。

「フレイル」とは

日本老年医学会が2014年に使用したことで広まった英語の「Frailty(虚弱)」を語源とする「フレイル」は、健康な状態から要介護状態に陥るまでの中間的な段階で、運動機能や認知機能等の低下により生活に支障が出る状態を指します。

日本人高齢者に合った指標として2020年に改定された日本版フレイル基準によると、5つの評価基準(※)のうち、3項目以上に該当するものを「フレイル」、1~2項目に該当するものを「プレフレイル」、いずれも該当しないものを「フレイルフリー(健常)」と位置付けています。

※改定日本版フレイル5つの評価基準
・体重減少:過去6か月で、2㎏以上の意図しない体重減少があった
・筋力低下:握力が【男性で28kg以下】、女性で【18kg以下】である
・疲労感:ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする
・歩行速度:通常歩行速度が【1.0m/秒】以下である
・身体活動:週に1回も、軽い運動・体操もしくは定期的な運動・スポーツをしていない

40歳以上の半数が「フレイル」予備軍

新田ゼラチンが実施したアンケート調査によると、「フレイル(フレイルティ)」を知っていると回答した人は11.0%で、40歳以上の「フレイル」認知度は約1割にとどまる結果に。

一方で、先述した改訂日本版フレイル診断に基づき回答者の自覚症状を聴取したところ、対象となる40歳以上の人のうち、約1割(9.6%)が「フレイル」、4割以上(43.8%)が「プレフレイル」の基準に該当。自己申告による分析ではあるものの、全体の約半数(53.4%)が「フレイル」または「プレフレイル」に該当するという結果になっています。

「フレイル」予防のために

「フレイル」は、筋力低下による身体的問題、認知症やうつなど精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題が含まれ、予防のためにはこれらの多面的な問題に対応する必要があると言われています。

抗加齢医学を専門に研究する愛媛大学医学部付属病院の伊賀瀬道也教授は、「フレイル」にならないためには「“食事・運動・睡眠”の 3本柱に加え、認知機能対策には人との“コミュニケーション”が大切」だと説明。

また、「フレイル」予防には良質なタンパク質の摂取が大切だと語り、「私が患者さんによくお勧めするのは、和食を中心とした食事で、朝食にたまご1個と牛乳200mlを取り入れること(持病やアレルギーの有無により異なります)。タンパク質は、朝に多めにとると良いというデータは多数あります」といい、抗糖化作用など様々な効果が期待できるコラーゲンの摂取も認知症や糖尿病、心疾患、骨粗しょう症などのリスクを低減することに繋がるとしています。

なお、今回の調査を実施した新田ゼラチンでは、「フレイルFREE Project」を展開。自宅で簡単にできるヨガの動画コンテンツや、SNSで人気の漫画家とコラボした漫画コンテンツなど通じて、「フレイル」対策の必要性を呼び掛けています。

「フレイルFREE Project」:
https://frailfree.nitta-gelatin.co.jp/

Image by Irina L from Pixabay

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 40歳以上の半数が予備軍に該当する「フレイル」とは? 5つの評価基準をチェック