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トンカツ食いまくってわかったのですが、ある一定の金額を超えると、おいしさの頭打ちが訪れるのですよね。そのラインはだいたい2300~2500円。その価格帯のトンカツはどれも「価格以下の価値」か「値段相応のおいしさ」のどちらか。
決して頭打ちという言葉を悪い意味にとらないでほしいのですが、豚肉のおいしさを頭打ちまでもっていければ良心的なお店。個人的には『とんかつ檍』のローストンカツ系が頭打ちの最高峰だと思っています。2300~2500円のとんかつを出す店の7割くらいは価格以下の仕上がりな印象。
トンカツばかり食べてると、おいしさの期待というより感動の期待を求めるようになります。おいしいのは当然だから、味覚以外の何か。でもトンカツ自体から醸し出される何か。
トンカツライフに刺激が欲しいなと思っていたなか、現れたのが『君に、揚げる。池袋本店』(東京都豊島区南池袋2-47-7)で食べられる『ねむるぶたおふトンロースカツ定食』。価格は税込3200円なので、2300~2500円なんて価格帯はブッチギッてます。
ライスかキャベツのどちらかを無料で大盛りにできます。漬物、大根おろし、ワサビ、カットレモン、マスタードがついてきます。
豚肉は嬉嬉豚(うれうれぶた)で、柔らかい食感がウリ。見た感じでは確かに柔らかそう。
トンカツの衣はピッタリと豚肉に密着してて「ハガレ」がなく、パン粉の厚みと「タチ」が均一でどこから食べても心地よい満足感高めのザクザクが楽しめます。
肉汁をできるだけ逃さず火入れしているので、肉汁の「ヌレ」で断面が艶々。少しでも力を入れるとあふれそうな肉汁の埋蔵量。揚げ職人の腕は高い印象。丁寧。愛を感じる。
食べると楽しい。実に楽しいトンカツです。名称にもなっている「おふトン」。確かに布団のようにふっかふか。他店にも柔らかいトンカツは無数にありますが、柔らかいの質違う。
これは「沈むような、埋まるような柔らかさ」。ふんわりとしていて、塩、ソース、レモン汁、あらゆる要素をしっかり受け止めるので、調味料との相性もバツグン。食べるたびにジュワッとあふれる肉汁は、ライスを口に運ぶ行為を楽しくさせてくれます。楽しいトンカツ、ここにあり。
旨味量はより高いレベルの豚肉が存在すると思うので、そこは追求の余地はあるかもしれません。今後どんどん進化していけば、もしかすると、トンカツの頭打ちを突破してくれるかも……と期待。
『君に、揚げる。池袋本店』の『ねむるぶたおふトンロースカツ定食』は税込3200円の楽しみを与えてくれました。ごちそうさまでした。
ちなみに、箸が金色だったのですが、他のお客さんは黒だったので、『ねむるぶたおふトンロースカツ定食』だけ金色なのかな……。特別感。
ねむるぶたおふトンロースカツ定食を食べた。確かに布団みたいにフワッフワ。他のリッチ系トンカツとも違う新潮流 pic.twitter.com/r9Ghst2fGB—クドウ@地球食べ歩き (@kudo_pon) January 6, 2023
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)