クリスマスと新年を祝うホリデームードに満ちた高級ホテル<エムロス>を舞台に、14人のキャラクターの恋愛模様を描いた映画『ハッピーニューイヤー』。本作の監督を手掛け、『猟奇的な彼女』など恋愛映画の名手として知られるクァク・ジェヨン監督にお話を伺いました!

――本作楽しく拝見させていただきました。プレス資料には「弘兼憲史さんの『黄昏流星群』を『ラブ・アクチュアリー』のように描きたいと思ってシナリオを書いた」とありますが詳しく教えていただけますか?

私はこれまで若い人の恋愛映画を手掛けてきましたが、年配の方々の恋愛が描かれている『黄昏流星群』を読んで、自分と同世代の恋愛映画も作ってみたいという気持ちになりました。年配の方でしたら、たいていの場合、一度は恋愛を経験されているはずです。そういう世代の方々がある程度、歳を重ねた後にもう一度、恋愛をするとどんな風に愛情を感じるのか? そういったことを深く掘り下げてみたくてこのシナリオを書きました。若いころに出会い、別れた2人が久しぶりに会ったとき、また恋愛できるのだろうか。そんな思いを込めてサンギュとキャサリンというキャラクターを作りました。

――どうしても若い世代のラブストーリーばかりが多くなると思うのですが、大人の恋愛が見られるということは観客にとっても嬉しいと思います。

私は恋愛に国境が関係ないのと同じように、年齢も関係ないと思っています。そういう想いから高校生から60代までのさまざまなカップルを登場させています。高校のグラウンドでサンギュとキャサリンが遊んでいるシーンがありますが、あのシーンも高校生以上に子どものようにはしゃいでいる姿を見せ、年齢とは関係なく、「誰でも少年少女のようなピュアな恋愛が出来る」と表現したかったのです。どのカップルもそうですが、純粋に心で人を愛する姿を描くように心掛けています。

――監督はこれまでもたくさんの映画を作られているので意外だったのですが、はじめての群像劇なのですね。大変なことはありましたか?

ハン・ジミンさんとキム・ヨングァンさんの2人を中心としてその周辺に家族や友だちの話など、さまざまなストーリーを散りばめるような構成にしていって、それほど大変だったなということはありませんでした。ただ、この作品はたくさんの俳優の方が出演してくれて楽しかったのですが、それぞれの方とゆっくり会話をする余裕がなかったのが残念でした。「この人とまた仕事をしたい」「この人とは次にどんな映画を撮ろうか」という気持ちで撮っていました。

――タイトル通り、本作にはホリデーシーズンの高揚感が描かれていて、観ているだけで楽しい気持ちになりました。

この映画は年末から新年までを描いていますが、誰でも新年は希望に満ちた気持ちで迎えたいですよね。気がかりなことがあるのなら、新年までに何とか解決したいと思っているでしょう。そのために一緒に悩んでくれる人、気遣ってくれる人、自分と話をしてくれる人を見つけるのがいちばん幸せなことかもしれません。私自身も登場人物たちと同じような悩みを抱え、同じように愛を求めています。そういう意味でも、本作を撮ったことで、新年を迎えるにあたって新たな覚悟を決め、来年もいい年にしたいという気持ちが強くなった気がします。実際に日本で公開されるのもこの季節ですから、ぜひ大切な人と映画を楽しんでいただきたいです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

<STORY>
不器用な初恋、友人へのトキメキ、そして忘れていた過去の恋・・・。大晦日の夜、ホテル<エムロス>に恋する14人が集まるーー!
高級ホテル<エムロス>は、クリスマスと新年を祝うホリデームードに満ち溢れていた。15年間も男友達への告白をためらっているホテルマネージャー(ハン・ジミン)。イケメンで優秀、だけどちょっぴりクセのあるCEO(イ・ドンウク)。人生どん底の就活生(カン・ハヌル)。下積みを経てついにスターの座へ登り詰めた、人気アーティスト(ソ・ガンジュン)。初恋の相手と40年ぶりに再会したドアマン… 数時間後にニューイヤーが迫るなか、次から次へと舞い込んでくるドタバタ&ドキドキの数々。果たして彼らの14人14色なロマンスは“ハッピー” な来年を迎えられるのか!?

<作品概要>
タイトル:ハッピーニューイヤー
監督:クァク・ジェヨン(『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』)
出演:ハン・ジミン(「私たちのブルース」)、イ・ドンウク(「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」)、カン・ハヌル(「椿の花咲く頃」)、ユナ(少女時代))(『EXIT イグジット』)、ソ・ガンジュン(「天気がよければ会いにゆきます」)、イ・ジヌク(「結婚白書」)他
原題:HAPPY NEW YEAR/2021/韓国/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/138分/字幕翻訳:根本理恵 配給:ギャガ
HP:gaga.ne.jp/happynewyear
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公開表記:12月9日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 恋愛映画の名手クァク・ジェヨン監督が手掛ける群像劇『ハッピーニューイヤー』は弘兼憲史さんの『黄昏流星群』を参考に