美しいモノクロ映像で甘美な悪夢を描く、エストニア発のダーク・ラブストーリー『ノベンバー』が10月29日より公開。本作は、『ムカデ人間』ハイター博士役で人気を博し、惜しくも2020年に亡くなった俳優ディーター・ラーザーの遺作となっている。

まずは、その世界観と映像美に一気に引き込まれる予告編をどうぞ。冒頭の十数秒で「これは好きなやつ」とアンテナが反応する人も少なくないはず。


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海外メディアは、本作を「ミヒャエル・ハネケとデヴィッド・リンチの出会いのような、厳しくも見応えのあるホラーファンタジーショー」「この世のものとは思えない映画。驚くほど美しく、深く独創的で、笑いと深みがある」と表現。2018年のアカデミー賞外国語映画賞のエストニア代表に選出されており、「候補作の中で最も奇妙な作品」とも評された。日本では、同年開催の第10回京都ヒストリカ国際映画祭「ヒストリカワールド」部門で上映されている。

舞台は、11月の“死者の日”を迎えるエストニアのとある寒村。そこでは村人たちが、農具や廃品から作った“使い魔クラット”を使役し、隣人から物を盗み合いながら必死になって生きている。クラットを操るために必要な“魂”は悪魔との取引で手に入れていた。農夫の娘リーナは、村の青年ハンスに想いを寄せている。一方のハンスは、領主のドイツ人男爵の娘に恋い焦がれており、森の中の十字路で悪魔と契約を結ぶのだった。

ディーター・ラーザーは、領主のドイツ人男爵を演じている。儚い恋心に揺れるリーナを演じるのは、エストニアの俳優レア・レスト。ハンス役は同じくエストニアの俳優で、レストと本作での共演後に夫婦となったヨルゲン・リークが演じている。本作の悪夢的な世界に登場する“魔女”、“幽霊”、“得体が知れない老婆”などの多くは、役者経験のない村人が、まるで催眠術にかかったかのように役になり切って演じたという。

監督・脚本は、“人間の魂が見せる様々な表情”に関心を持っているというライナー・サルネ。エストニアの全図書館において過去20年間で最も貸し出されたというカルト的ベストセラーを原作に、“全てのものには霊が宿る”というアニミズムの思想と、異教の民話、ヨーロッパのキリスト教神話を組み合わせ、本作を作り上げている。

『ノベンバー』
10月29日(金)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
https://november.crepuscule-films.com/

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「ミヒャエル・ハネケとデヴィッド・リンチの出会いのよう」 エストニアの独創的なダークファンタジー『ノベンバー』予告編[ホラー通信]