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ロボット開発。
ターミネーターやアイアンマンを何度も観た筆者世代にとっても憧れの存在……。ちょっとその世界をのぞいてみたいですよね。
今回、そんな筆者の好奇心を満たすべく調理ロボットのパイオニアであるTechMagic株式会社、ドリンクロボット開発者・稲井さんに直撃。
さらに! 「ロボットクリエイターになりたい」という子供のインタビューまで特別にOKとのこと。率直な質問をぶつけてみます。
と、アームのロボが動く! かっこいい~ッ!!
こんなカッコいいロボアームはどうやって作るのでしょうか。さっそくドリンクロボット開発者・稲井さんに聞いてみました。
―― ロボット開発をされたかきっかけってありますか? もともとガンダムが好きでとかそんな感じもありますか?
稲井さん:「そうですね。ガンダムも好きですし、プラモデルも好きで、ミニ四駆も作ったり。そういったことが好きでした。」
―― 子供の頃からやろうと思っていたんですか?
稲井さん:「子供の頃はロボットを作る事は漠然とやりたいなと思っていました。」
―― 資格や免許はお仕事で必要でしょうか?
稲井さん:「ロボットに関して言うと、ロボット教示の資格が必要です。」
―― ロボットキョウジ?
稲井さん:「教示というのはロボットを所定の場所に動かしてその場所で場所を記憶させて行くことを教示と呼ばれています。産業用ロボットを扱う上でどういったことが危ないのか、そういった講習受けて取得する資格です。」
―― どのぐらいかけて取れるものですか?
稲井さん:「これは2日間ですね。」
―― どんな人が向いていると思いますか?
稲井さん:「ものを作ってそれが面白いと思える人とか。コツコツといろんなものを組み合わせたり試したりすることができる人が向いていると思います。」
―― やっていて良かったと思う事はありますか?
稲井さん:「ひとつは、やっぱり自分が面白いと思って作ったものが、自分の思った通りに動くのは達成感があって楽しいです。もうひとつは、作ったことによって誰かが便利になったり、快適になったりして、それが人に貢献できたと思えるので、そういったところが嬉しいポイントです。」
―― つらいと思った事はありますか?
稲井さん:「つらいと言う意味だと、なかなかどうしてもできない部分があって。
それが何かと言うと物理法則がどうしてもあるので物理法則に従わないといけないです。例えば、開けなきゃいけないのが、重すぎて開かないとか。
本当は開くための力を強くしなくてはいけないんだけれども、場所の都合や電圧の関係で、うまく機械としてそこにはまるものがないとか、ちょうどいいものがないとか。
工夫して開くようにするんだけれども、どうしてもいろんなところで引っ掛かっちゃうとか摩擦で動かないとか。そういう物理法則に引っかかってしまってうまくいかないとかはあります。」
―― 「D-Robo」の開発で苦労された点はどこでしょうか?
稲井さん:「「D-Robo」は下のところにグラスを供給するグラスをいっこずつ取り出す装置が入っています。その装置をちゃんと動かす状態にするのが大変でした。
動かすって言ってもガチャガチャ動いてでてくればいいんですけど出てくるためにきちっと動かすということが大変でした。 調整が難しかったですね。
メカニカルな部分なんですけれども、まずグラスが出てこない。 滑らないとか。 押しても引っかかっちゃって出てこないだとか。
どうしても横の動きの部分が、横というのはグラスが入っている入れ物を動かして、押し出して エレベーターで上に上げます。
そういった時にどこで今何が起きているのか把握してプログラムを作らなくてはいけないんです。うまく作ったつもりでもちょっとずれていたりするとちゃんと動いてくれない。
プログラムは書いた通りにしか動かないのでちょっと間違えて書いていると動かないです。後はうまく書いていてもひっかかっちゃって動かないだとか、出てこないだとか後は倒れちゃうだとか。そういったことがあって何回も何回も作り直して試行錯誤を繰り返してできました。」
―― どんなロボットを今後作りたいですか?
稲井さん:「個人的には、もっといろんな多種のロボットを作りたいです。今だとサラダとかパスタ以外にも、ピザだったり、ハンバーガーだったり。どんどん広げていって作りたいですよね。」
―― プライベートで使ってみたいロボットはあります?
稲井さん:「プライベートな夢で言うと、卓上のロボットを自作して自分とロボットで五目並べを対戦するようなのも作ってみたいですね。」
―― すごいな~と思う製品とかありますか?
稲井さん:「一般で売っているものですよね。電化製品メーカーで、具材を入れてポチとするだけでカレーやらグラタンやらができるのはすごいですよね。
便利で生活にも役立つし。」
―― 未来はどんなロボットが活躍していると思いますか?
稲井さん:「あちこちに小さなロボットがたくさんあって私たちの助けをしてくれる、調べ物をしてくれるとか、あちこちにロボットとディスプレイがあってすぐ教えてくれたり誘導してくれたり“こっちだよー”とか。
大きなものだと人を運んでくれるロボットで車だと自動運転とか。ヘリコプターみたいなやつだと人が乗って空中移動してくるとか。まぁ近未来だとそういったものが実現して私たちの生活に溶け込んでいくんじゃないかなぁと。」
―― 将来、ロボットクリエイターになるにはどんなことをしたらいいですか?
稲井さん:「うちの娘も小学2年生で一緒に遊んでいるんですけれども、いろいろやることがあって。簡単にできるやつだとレゴブースト。レゴでロボットを作るのですが、これが結構簡単にできてお勧めです。
レゴの中にモーターのパーツがあるんですけれども、電池入れて本体の部分にくっつけてスマホでプログラムを作って遊ぶんですよ。手をかざすと喋るとか。レゴはマインドストームと言うのが有名なのですが、これは中高生の高年齢向けになるのでレゴブーストだと低学年向けでおすすめですね。
後は、プログラミングは避けて通れないのでスクラッチとかそういうところでプログラミングに慣れておくとかでしょうか。」
―― プログラミングはいつごろから始められたのですか?
稲井さん:「プログラミングが遅くて中学校位にお父さんのPC-98を触らしてもらって雑誌を見ながらプログラムを打ち込んでみてカードを出し合うようなトランプゲームを入力して作ったと言うのが初めてですね。
本格的に始めたのは大学からですね。
ロボットをやるにはやらなければならないことがたくさんあって特に物理。物理法則が発生するんです。“物理とコンピューター全般”ですね。
パソコンは何で動いている等とかプログラムを書くのも必要だし、後は電気の知識が必要。配線とか信号とかいろんな分野を学んでいく必要があります。
中学生だと、まずは面白いことをどんどんやってみて試していくと言う段階。気になったら調べてみるとか。
“作れそうかなと思ったら作ってみる”とかいろんなことをやってみると面白さがわかってどんどんいろんなことも作れるようになって、やがていろんな分野が興味を持って進んでいけるんじゃないかなと思います。」
―― ありがとうございました!
「D-Robo」は開発中とのことなのですが、TechMagic株式会社では、自社開発の調理ロボット「P-Robo」を活用した新業態のスパイスヌードル専門店の旗艦店「Magic Noodle香味麺房」が恵比寿にオープン。
お近くの方は、近未来の食ロボが作った麺を堪能してみてはいかが。
TechMagic株式会社
https://techmagic.co.jp/