住まい探しは、一般的に物件の立地や価格、部屋の設備や間取りといったスペックが重要視されるものです。しかし、人々の生活意識や行動が大きく変化したポストコロナにおいては、住まいに対する考え方の傾向にも変化が見られているようです。

ハウスコムは、全国のポストコロナ(2021年4月以降)とコロナ前(2010年~2019年)の賃貸物件への引っ越し経験者それぞれ約600人を対象に、「部屋選びとライフスタイルに関する調査」を実施。新たな生活様式に直結する部屋選びの実態を明らかにしました。

普段の生活をより豊かにする部屋選び

引っ越しを検討する際に重視した(している)項目は、ポストコロナ・コロナ前ともに1位が「家賃」(ポストコロナ72.0%/コロナ前70.4%)、2位は「最寄り駅までの距離」(ポストコロナ56.8%/コロナ前51.9%)という結果に。

注目は、コロナ前と比較して「街の雰囲気」(ポストコロナ35.1%/コロナ前24.9%)が10.2ポイント差、「最寄り駅の路線/交通アクセス」(ポストコロナ51.5%/コロナ前42.7%)が8.8ポイント差と、大きく増加している点。コロナ禍でも好アクセスの立地が重視されている一方、普段の生活を豊かにする項目がより重視されている傾向がうかがえます。

物件はスペックよりもライフスタイルに合うかをより重視する傾向に

引っ越しを検討する際の考え方について聞いたところ、「物件は単純なスペックではなく、自分のライフスタイルに合っているかで選ぶ」(「とてもあてはまる」「ややあてはまる」の合計:84.0%)は、コロナ前より7.8ポイント増加。

「学校や会社から遠くても広い物件に住みたい」(46.2%)は、8.7ポイント増加しており、コロナ禍を経て、利便性だけでなく、ライフスタイルや広さに余裕がある物件に住むことを重視する人が増えていることが分かります。

また、「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」(43.6%)も4.2ポイント増加しており、好きな街に住むことを優先したいと考える人が増えている傾向が見て取れます。

働き方や生活スタイルの変化も影響か

インターネットで賃貸物件を検索する際に、希望に合わせてチェックボックスを選択する方法が一般的ですが、どのような選択項目が求められているのでしょうか。

あってほしい項目として最も多くの人が回答した「防音性が高い」(47.2%)はコロナ前と比較すると2.6ポイント増加。テレワークの影響からか、家の中の音環境が良いことへの需要が高まっているといえそうです。

また、コロナ前と比較すると、「テレワークができるカフェや施設が近くにある」(17.4%)が9.5ポイント、「料理が楽しめる広いキッチンがある」(28.1%)が5.3ポイント、「サウナや銭湯が近くにある」(14.9%)が4.2ポイント増加しています。

働き方や生活スタイルの変化に伴い、自宅や周辺環境の充実を図るニーズも多様化しているようです。

調査概要

調査期間:2022年4月29日(金)~5月1日(日)
調査機関:ディーアンドエム
調査方法:インターネット調査
調査対象地域:全国
<ポストコロナ層>
1年以内(2021年4月以降)に賃貸物件に引っ越したことがありその際自身で物件選びをした(580人)および今後1年以内に自身で物件選びを行って賃貸物件に引っ越す予定がある(13人)15~49歳の男女計593人
<コロナ前層>
コロナ前(2010年~2019年)に賃貸物件に引っ越したことがあり、その際自身で物件選びをした経験がある15~49歳の男女計579人

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 コロナ禍で部屋選びに変化、物件はスペックよりもライフスタイルに合うかをより重視する傾向に