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世界13か国で上演され、タイムズ紙をはじめ各紙で絶賛された傑作『Le Fils 息子』が岡本圭人さん、岡本健一さんの親子共演で8月より東京ほか、北九州・高知・能登・新潟・宮崎・松本・兵庫にて上演されることが決定!
2018年にフロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラー演出でパリのシャンゼリゼ劇場にて初演された『Le Fils 息子』は、フランス最高位の演劇賞であるモリエール賞にて最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストエンドなど世界13か国で上演。タイムズ紙やデイリーテレグラフ、ファイナンシャルタイムズなど各紙の劇評でも絶賛された傑作です。
脚本を手掛けたフロリアン・ゼレールは、「現代において、もっとも心躍る劇作家」と呼ばれ、世界中から注目されているフランスの若手劇作家で、「家族三部作」として始めに『La Mère 母』を、次に『Le Père 父』、締めくくりに本作『Le Fils 息子』を手がけました。2020年には『Le Père 父』をアンソニー・ホプキンス主演、自身で初監督を務めて『ファーザー』のタイトルで映画化。今年の第93回アカデミー賞に作品賞をはじめ6部門にノミネートされるなど、映画監督としても高い評価を得て、現在は最新作『Le Fils 息子』の映画化に着手。ヒュー・ジャックマンが父親役で出演することが発表されました。
老いの現実と家族の葛藤を描いた『Le Père 父』は、2019年に東京芸術劇場にてラディスラス・ショラーの演出で上演されました。エスプリをきかせた見事な描写は深い感動を呼び、主人公である父アンドレを演じた橋爪功さんが第44回菊田一夫演劇賞 演劇賞及び、第27回読売演劇大賞 大賞・最優秀男優賞を、そしてアンドレの娘を演じた若村麻由美さんが優秀女優賞を受賞するなど、大いに称賛されました。
本作『Le Fils 息子』は、フロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラーが演出を手掛ける東京芸術劇場の企画第二弾として、日本で初めて上演します。ゼレールの最も悲劇的で普遍的な作品と言われる『Le Fils 息子』は、思春期の絶望と不安に苛まれながら必死にもがく息子と、愛によって息子を救おうとする父親を描く、家族の物語です。
ゼレールと同世代で最も若く才能のある演出家の一人であるショラーの深い洞察と緻密な演出、人間の本質を描き出す演出力、そして世界中から高い評価を得ているスタイリッシュなステージが本作でどのように体現されるのか。ゼレール×ショラーの素晴らしいクリエーションは、今回もまた傑作を生みだすでしょう。どうぞご期待ください。
息子ニコラ役は、元Hey! Say! JUMPの岡本圭人さんが務めます。9歳でイギリス留学した経験もある英語力を生かし、18年よりアメリカ最古の名門演劇学校であるアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツに学んだ岡本圭人さん。鋭い感受性と華やかさを感じさせる居ずまいで、10代特有の繊細さと荒々しさを瑞々しく表現します。本作が満を持して待望のストレートプレイ初舞台、さらに単独初主演となります。
ニコラの実母アンヌ役には『Le Père 父』で第27回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞、演出のショラーからの信頼も厚い若村麻由美さん。息子に対する豊かな愛情と、それ故の激情やニコラの父である前夫ピエールへの複雑な感情と、様々な情感があふれる役どころを演じます。
ピエールの再婚相手ソフィア役に伊勢佳世さん、医師役に浜田信也さん、看護師役は木山廉彬さんが演じます。
そして、父親ピエール役は、舞台を中心に活躍を続け、第26回読売演劇大賞 最優秀男優賞、第45回菊田一夫演劇賞 演劇賞、第55回紀伊國屋演劇賞 個人賞、第71回芸術選奨文部科学大臣賞と数々の演劇賞を総なめにし、高い実力が評価されている岡本健一さんが演じます。愛によって息子を救おうとし、愛だけでは不十分であることを知る。実の息子・岡本圭人さん演じるニコラと向き合い、大きく懐深い存在でありながら、ときに“他者”である息子の理解不能な存在に苦悩する……。言葉の背後にある、言葉にできない表現で、観客の心に問いかけます。
<岡本圭人>
初めて、『Le Fils 息子』の台本を読ませて頂いた時に、僕は劇作家フロリアン・ゼレールの描く物語に強い感銘を受け、この作品に巡り合えたことに運命を感じました。
僕がこれまで歩んできた人生と、主人公ニコラの人生とが重なり、彼の心情や言葉がまるで自分のことのように痛いほど理解することができました。
そして、台本を読めば読むほど、僕の中で「ニコラのことを救いたい…」という気持ちが膨らんでいきました。
「どうすれば彼のことを救えるのか…」と考えたときに、ゼレールが描いたこの物語を1人でも多くの方々に知っていただくことで、もしかしたら世界中にいるニコラのような子、そしてその家族を救うことができるかもしれないと思いました。
演出家のラディスラス・ショラーさん、大先輩でもある父・岡本健一や若村麻由美さんを始めとするキャストの皆様、そして素晴らしいスタッフの皆様と共に、『Le Fils 息子』の物語に生命を吹き込めるように、全力を尽くします。
是非、劇場まで足を運んでいただき、この物語を皆様と共有できることを心から望んでいます。
よろしくお願い致します。
岡本圭人
<岡本健一>
誰もが考えてしまうであろう家族の物語です。
子供達、親達が抱えている問題。
お互いがどんなに理解しようとしても、その思いが伝わらない問題。
自分の思いと相手の思い。
どうすれば解決出来て、どうすれば救えて、どうすれば助けて貰えるのか。
あの時にこうすれば、ああすれば良かった。
こんな思いにならなければ、こんな思いをさせなければ良かった。
いずれにせよ、すべてが過ぎ去っています。
これからが大切だと生きて行くしかないのですが、この思いを抱えて、これからを生きて行くしかないのです。
『Le Fils 息子』この物語の登場人物達は、それぞれがどんな思いで、どんな出来事があったのでしょうか。
私は、この作品を読む度に心が打ち砕かれて、ページが進まなくなり、思考回路が止まってしまうような場面がいくつかありますが、稽古に入る頃には克服しているでしょう。
私達は様々な状況の中で生活していますが、これからを生きて行く世代の為にも、出来るかぎり沢山の方々に、この作品を伝えなければならないと思っています。
劇場では感染対策を万全にしていますので、どうかお身体を大切に健康でいて、血の繋がった父と息子が織りなす、ある家族の物語の生活を、劇場にて公然と覗き見て下さい。
岡本健一
<作: フロリアン・ゼレール>
東京で『Le Fils 息子』が初演されることになり非常にうれしく思っています。これは私にとって特別に大切な物語であり、ここに描かれた感情には私の個人的な体験が直接反映されています。しかし作品を書くにあたって私自身を物語ったわけではありません。私以外の人が、自分自身を映し出せるような鏡を差し出してみせたのです。私はそれこそが芸術の存在意義だと感じています。芸術は私たちの抑えきれない感情の共有を可能にします。それによって、私たちはお互いに孤立した個体ではない、それどころか私たち自身よりも大きな何かに帰属しているということ、そしてその何かは“人類”と呼びうるものだということを私たちに思い出させます。
この作品がラディスラス・ショラーのすばらしい演出によりパリで初演された時、うれしいことに毎回終演後に観客が私たちを待っていてくれました。彼ら自身の物語を分かち合うためです。彼らの物語は往々にしてピエールやアンヌやソフィアやニコラの物語の延長でした。今、日本の皆さんのおかげで、そして皆さんを通じて、この分かち合いが続いていくのだと想像してとても幸せです。
東京芸術劇場、そして俳優の皆さん、この日本版上演を可能にしてくれたすべての人々に心より感謝いたします。
ヨーロッパでは何か月にもわたりあらゆる劇場が沈黙を余儀なくされてきましたが、そんな時期のあとに、この作品の幕が日本で開くことは特別な喜びです。皆さんと一緒にその瞬間を分かち合えたらこの上ない喜びだったでしょうが、『Le Fils 息子』の映画撮影の予定が入っておりヨーロッパにとどまらざるをえません。私は想いによって、心によって、そして明晰なラディスラス・ショラーの仲介によって、その場に立ち会っていることでしょう。
皆さんに感謝します。
フロリアン・ゼレール
<演出:ラディスラス・ショラー>
フロリアン・ゼレールの『Le Fils 息子』演出のために日本に戻ってこられることは大変光栄であり、大きな喜びです。
2年前に上演された同じ作者の『Le Père 父』日本版の演出は、私にとってすばらしい仕事の思い出となりました。日本の俳優の皆さん、そして東京芸術劇場のテクニカル/アーティスティック・スタッフと共に仕事できたことは大変な僥倖でした。
今回の『Le Fils 息子』日本版のキャスティングには2つの特色があります。
まず私にとって若村麻由美さんと再会する機会であるということ。『Le Père 父』で彼女を演出できたのは大きな喜びでした。
そして、もう一つはピエールとニコラを、実生活でも父子である俳優2人、岡本健一さんと岡本圭人さんに任せる選択をしたことです。
血の繋がった実の息子と共演するというリスクを引き受けてくれた健一さんに心よりお礼を申し上げます。
私生活と仕事を両立させるのは容易なことではありませんが、彼らの父子の絆が、舞台上の父子の絆をより一層深く、鋭いものにしてくれることと確信しています。
圭人さんは豊かな感受性を持った青年であり、絶えず進化しようとしています。ストレートプレイで大きな舞台を踏むのはこの作品が初めてです。この役が彼にとって、その若い才能のあらゆる色彩を表現する機会となることを願っています。
演出家 ラディスラス・ショラー
<STORY>
「何かを変えたい。でも、どうしたらいいか分からない。」
17歳のニコラは難しい時期を迎えていた。両親の離婚により、家族が離れ離れになってしまったことにひどいショックを受けて動揺し、何に対しても興味が持てなくなってしまっていた。嘘を重ねて学校にも行かずに日がな一日、目的もなく一人で過ごしていたところ、学校を退学になってしまう。父親(ピエール)は新しい家族と暮らしていたが、母親(アンヌ)からニコラの様子がおかしいことを聞き、何とか彼を救いたいと、離婚後に距離を置いていた息子と、向き合おうとする。
生活環境を変えることが、唯一自分を救う方法だと思えたニコラは、父親と再婚相手、そして年の離れた小さな弟と一緒に暮らし、新しい生活をスタートさせるのだが……。悩み、迷い、傷つきながら、自分を再発見していく絶望した若者の抒情詩。
公演タイトル:Le Fils(ル・フィス) 息子
[作] フロリアン・ゼレール [翻訳] 齋藤敦子 [演出] ラディスラス・ショラー
[出演]
岡本圭人 若村麻由美 伊勢佳世 浜田信也 木山廉彬 岡本健一
2021年8月30日(月) ~ 9 月 12 日(日) 東京芸術劇場 プレイハウスほか、北九州・高知・能登・新潟・宮崎・松本・兵庫 にて上演
<STAFF>
美術:エドゥアール・ローグ 照明:北澤真 音響:井上正弘 衣裳:十川ヒロコ ヘアメイク:佐藤裕子
演出助手:城田美樹 通訳:加藤リツ子 舞台監督:瀧原寿子
アーティスティック・コラボレーター:三原英二 制作:藤野和美
宣伝美術:永瀬祐一(BAT DESIGN) 宣伝カメラマン:設楽光徳
宣伝衣装:十川ヒロコ 宣伝ヘアメイク:佐藤裕子 宣伝ヘアメイク(若村麻由美):長縄真由美
宣伝・公式サイト制作:DIPPS PLANET
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
企画制作:東京芸術劇場
lefils-theatre.jp[リンク]
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