2021年2月8日に公開された庵野秀明監督『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。初日興行収入が興行収入が8億277万4200円、観客動員数53万9623人を記録し、ネットではネタバレを警戒する声が上がるなど、多方面で注目の的となっています。

そんな中、『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』といった奇想天外なストーリーの物語で知られ、月刊文芸誌『小説幻冬』で『ヒトコブラクダ層ぜっと』を連載中の万城目学氏(@maqime)が、「エヴァ映画を観てきました」という報告と共に、1997年7月19日公開の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を鑑賞した際のエピソードをツイートしています。

エヴァ映画を観てきました。24年前、京都の祇園会館で「Air/まごころを、君に」を見た帰りにバスに乗ったら、後輩の女の子に出くわし、「何してたんですか」「エヴァンゲリオンの映画見てた」と答えたら「うわ・・・」と顔をしかめられた日からは想像できぬ圧倒的メジャーぶり。隔世の感ありです。

当時の状況を補足しますと、京都市内ではテレビ大阪が受信できず、「エヴァンゲリオンなるものがはやっている」という情報は回るも、誰もその中身をリアルタイムで見ておらず、正月実家に帰り、3日間の年末テレビ大阪全編一挙放送を見た者だけが映画に進むという、非常に限られた需要だったのでした。

これには「めっちゃ分かる」「当時はゴミを見るような目で見てくる奴が結構いた」「オタクは蔑称だった」「アニメ見ているとバレただけで迫害されかねなかった」という同意する反応が続出。また「正直に答えたのがすごい」という声も上がっていました。

あるユーザーは、万城目氏のツイートから次のように『エヴァ』の受容の変遷を振り返っています。

なんかエヴァは凄い扱い変動したよなあ。中学時代と高校時代と大学時代で既に大衆の扱いが全然違った。有名だが基本はキモいオタクの見る作品→(なんかやたら考察本が並びはじめる)→オタクなら見てるだろみたいな変な先入観→(そもそもオタクの概念がだいぶカジュアルになっていく)→現在的な。

筆者も公式の絵コンテ集やフィルムブックなどを買い集めて、雑誌『クイック・ジャパン』(太田出版)の特集記事を読み漁り、『Air/まごころを、君に』に至っては劇場で何回もリピートで鑑賞して、知り合いから呆れと冷たさがブレンドされた目で見られたことが何度かあるので、万城目氏の感慨に似た気持ちがあります。「アニメ見てる=奇人扱いされなくなったのは嬉しい」「良い時代になった」という声も多数寄せられていますが、アニメがカルチャーと認められるに至るまでに多くの人の手により質の高い作品を生み出され続けてきたという事に感謝したいところです。

ちなみに、『Air/まごころを、君に』はテレビ版全26話と共にAmazonプライムなどで配信中。『新劇場版』シリーズはテレビシリーズを「リビルド」(再構築)したとされているので、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「『Air/まごころを、君に』見たと答えて後輩の女の子に顔をしかめられた」 万城目学氏『エヴァンゲリオン』思い出ツイートに多数の反響