会社員をしつつ、ネットでのマンガの発表やオリジナルグッズの制作などの活動をしている玖島川のりさん（@kujimagawa_nori）が、ナンパをされて困っているような見ず知らずの女性を助けようとしたところ、全員から詰められてしまった実録マンガ『想像してたのと違った』をTwitterに公開。「悲しい」「マンガのようには上手くいかない」「心中お察しします……」といった反応が多数寄せられていました。

「お姉さん一人？…いいじゃん、飲みに行こうよ」と2人組につきまとわれて「いや…今、待ち合わせしてるんで…」という女性を見て、「通りすがりだけど、一応助けてやるか…」と思った玖島川さん。「…何？　俺の彼女だけど？」と声をかけたところ、女性から「…え!?　ちょ、違います!!　…誰ですか!?」と言われてしまい、ナンパ組から「……え!?　アンタ彼氏じゃないの？　なんで登場したの？」と聞かれて、「い…いや、ち違、ちょっと聞いて…」としどろもどろに。「ホントそれ！なんで突然登場したの？」と女性が畳み掛けてきて、「…え??　結局どういう関係？　彼氏じゃないの？」「…んん、まぁ…、厳密には彼氏…ではないですね」とトーンダウン。さらに女性から「厳密って何？　初対面だし!!」と言われてしまうのでした。

「シンプルにナンパを助けにいった側が、逆にその場の全員に非難される情景に、どこか面白さを感じてマンガにしてみようと思いました」という玖島川さん。女性に声をかけた際に肩に手をかけているように見えますが、実は「ホバーハンド」だったとのこと。

「今は女性が苦手ということは全くありません」といいつつ、高校が男子校で女性の全くいない環境で最も多感な時期を過ごした後に美術系の大学へ進学したという玖島川さんは、「女性比率が高く、入学当初は反動で女性が多く在籍するサークルに所属し、水を得た魚のように積極的にイベントにも参加しました」と振り返り、「そんなある日、サークル活動の一環でキャンプファイヤーをした際、火を囲んでみんなで肩を組む機会がありました。その時たまたま隣に座っていた女性の肩に手をまわした瞬間……。一瞬ビクッとしたその女性の緊張感に満ちた表情と、明らかに硬直した表情筋に気づいてしまったその瞬間です。今思えば、そこに人生のターニングポイントがあったのだと思います。その時私は傷つくことを恐れ、強引に肩を抱くという選択を捨て、ハンドをホバーすることで自分の身を守ってしまいました。それ以来、初対面の女性と接する時や、みんなで肩や腰に手をやって集合写真を撮る時などは、自然にホバーハンドするようになり、徐々にそのスキルをあげていく結果となりました」と会得した経緯を語ってくれました。

このマンガには「知り合いや仕事つながり程度の距離感だったなら良かったのでは？」「“警察呼びますよ！”というのがありがたい」「“ご無沙汰してます～”といった声かけがよかったかも」という意見もありましたが、「のりさんは悪くない」「人助けは本当に難しいのでめげないで」「こういう止めようとする気遣いはいいこと」といった反応が多数寄せられていました。玖島川さんは「日常を舞台としたギャグマンガを描いている自分としては、“面白かった”“笑った”といった、とても嬉しいコメントもたくさん頂きました。しかし、このマンガで過去の事件を思い出してしまうという声にはとても考えさせられました。ナンパという題目が受け取り方によっては非常にセンシティブな事柄で、ナンパでつらい経験をされている方々への配慮をもっとうまく表現できれば良かったなと感じました」といいます。

「これまで数年にわたって会社であった出来事をマンガにしてきましたが、今後の活動としても基本的なコンセプトは変わりません」という玖島川さん。「私もそうですが、毎日働いているとつらいことや嫌なこと、理不尽に思うことは山ほどあります。失敗したらもう後戻り出来ない世の中ではなく、何度でも這い上がってチャレンジできる。これから新しく社会人になる人たちにも、“サラリーマンって案外楽しそう！”“失敗してもアイツよりマシだ！”と笑ってもらえる作品をたくさん作っていければと思ってます」と話します。ちょっとした日常にもドラマがある、ということを感じさせてくれるマンガを、これからも期待したいところです。

玖島川ショップ【会社員 玖島川のりのお店】
https://kujimagawa.official.ec/ [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/kujimagawa_nori [リンク]

情報提供元： ガジェット通信
記事名：「 「悲しい」「これでめげないで！」　ナンパされていた見ず知らずの女性を助けようとしたマンガの結末がままならない 」