世界的動物写真家・岩合光昭がネコの目線で世界の街角のネコを撮影し大人気のNHK BS プレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」。 2017年には『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』が公開され、 多くのネコファンを魅了。その後、岩合光昭が初監督を務めた映画『ねことじいちゃん』が2019年に公開され大ヒット!

ますます注目を集める存在となった岩合氏が満を持して自身が監督を務める 『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』が1月8日(金)に公開となります。

世界中のネコと出会った岩合さんが心から撮りたいと願った2つのネコの“家族愛”。ミャンマーのインレー湖。湖上に建つ小さな家にネコの家族とヒトの家族が寄り添いながら暮らしています。北海道の牧場では、たくさんの母ネコ、オスネコ、そして子ネコが、まっすぐに生きています。水と大地を舞台に繰り広げられる、ネコたちの愛と絆の物語です。

岩合光昭監督に作品についてお話を伺いました!

――本作大変楽しく拝見させていただきました。今回登場するネコたちはどの様に決められたのでしょうか?

岩合:ミャンマーはテレビ版「世界ネコ歩き」のロケ中に遭遇したとある出来事がきっかけでした。この出来事は映画の中におさめられているので今は内緒にしておきます(笑)。「あのネコたちにまた会いたいなあ」と思っていた時に劇場版の話をいただいて、再び訪れることが出来ました。ネコとヒトとの関係が素晴らしくて、撮影することが出来て幸せです。

北海道は、撮影出来るネコが見つからなくて困っていた時に、「北海道の牧場にネコがいるよ」と写真家の方に教えていただき、見に行ったら子ネコがたくさんいて一目惚れでした。この子ネコの成長を見守りたいと。

――ミャンマーのヒトとネコとの暮らしは見ていて、とても癒されました。

岩合:良かったです。ミャンマーの中央部に「インレー湖」という湖があって、水上に高床式で住居が建っているんですが、そこにかなりたくさんのネコがいたんですね。お寺の少年たちもとても素敵だったのですが、ネコの映画なのであまりヒトをフューチャーしすぎてもいけないだろうと。そんな事を考えていた時に、インレー湖で暮らすヒトとネコの親子に出会って。湖には魚はいて、イヌはいないのでネコは暮らしやすいですし、ヒトにとってもネズミを退治してくれるのでネコがいると助かるという。良い共存関係なんです。湖上ではシンプルな暮らしをしているのですが、そのシンプルな生き方もネコの生き方に重なりました。

――ヒトもネコもシンプルに暮らしている、とても素敵ですね。私は『世界ネコ歩き』を観ていて、その土地土地のヒトとネコとの関わり方の違いを知るのも好きなのですが、ミャンマーロケで感じられたことはありますか?

岩合:ミャンマーの皆さんは本当に優しくて。僕たちにもこんなによくしてくれていいのかなってくらい優しくしてくださいました。撮影の為にネコが元気でいてくれる様に、しょっちゅう獣医さんに見てもらっていたみたいです。水の上に建っている家なので、外側から撮るのが大変で、ボートの上では揺れてしまうし。そうしたら、家のお父さんが大工さんなので撮影用のポートを建ててくださって。

――本当にヒトにもネコにも優しい皆さんだったのですね。北海道での撮影で印象的な出来事はございますか?

岩合:北海道の牧場ではネコの喧嘩も撮りましたが、メス同士の喧嘩は迫力がありましたね。オス同士の喧嘩って結構いい加減なんですよ(笑)。メスは、お母さんとして子ネコを守らないといけなかったり、自分の事だけじゃないので真剣なんですよね。自分のテリトリーを守るために。

そんな中、白黒のネコのお母さんの授乳シーンを撮ることが出来たのですが、僕と相性が良かったのか、すごく近づかせてくれて。この母子は特に、見ているだけで本当に和みました。姿形だけじゃなくて、内面からにじみ出る可愛さというのをネコはもっていて、年齢を重ねるごとに、僕の中でも「ネコの可愛さ」を感じる視点が変わってきた様な気がします。

――2020年はコロナという大変な出来事があって、岩合さんも海外ロケに出られず生活に変化があったと思います。ロケ撮影が出来ない葛藤みたいなものは、やはり大きかったのでしょうか?

岩合:そうですね。自粛期間で家にずっといる時は、映画を観たり料理をしたり、撮影以外の時間が多くて。でも、そんな時にいつも家のネコ、タマトモがそばにいてくれて。子ネコの時以来、あまり写真は撮っていなかったのですが、じっくり撮ってみて、一冊の写真集まで作ることが出来ました。本当にタマトモの存在には助けられて、家にネコがいなかったらもっと落ち込んでしまったり、楽しい時間にはならなかったと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。

最近は国内のロケは復活してきて、いろいろなネコに出会うことが出来て嬉しいです。海外と違って国内ロケは僕に声をかけてくださる方もいらっしゃって、ありがたいです。ネコに集中したい時はちょっと困ってしまうんですけどね(笑)。

――岩合さんをお見かけしてもお声がけのタイミングは気をつけないとですね(笑)。本作はネコの魅力はもちろん、ミャンマーと北海道の素晴らしい景色を味わう事が出来るので、旅行をしづらい今の時期にとても嬉しいです。

岩合:ありがとうございます。そうやってたくさんの方に楽しんでいただければ嬉しいです。タイトルにある様に“あるがままに”、ネコもヒトも景色も写していますので、ぜひご覧になってください。

――今日は楽しいお話をありがとうございました!

(C)「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」製作委員会 (C)Mitsuaki Iwago (C)Iwago Photographic Office

―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 ネコは「内面からにじみ出る可愛さ」を持っている『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』岩合監督インタビュー