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栃木県宇都宮市といえば、やっぱり餃子の街。駅周辺にはみんみん、青源、正嗣、めんめんなどの人気店がズラリと立ち並んでいますし、昔の桃鉄では宇都宮駅には餃子屋の物件しかありませんでした。
そんな宇都宮に行ったら、いろいろな店の餃子を食べて、どの店の餃子が美味しかったかなんて話しながらブラブラと街歩きをしたくなってしまいますよね。
今回はそんな餃子の街・宇都宮に存在する、知る人ぞ知る怪しい店を紹介します。
どの店の餃子が一番美味しいかというのは人それぞれ好みがあるので、人気ランキングで1位に輝いた店でも口に合わないということもあるでしょう。
しかし今回紹介する「イキイキギョーザ」は間違いなく宇都宮で、いや、もしかしたら世界でもトップレベルの餃子屋かもしれません。
なにが世界トップレベルなのかというと、それはメニュー数の多さ。店の看板にはなんと「400種類の餃子料理が食べられる」なんて書いてあります。400種類って、どういうことよ!?
そして店頭に貼られているポスターには「餃子料理600種類が楽しめる」なんて書かれていたり。
オープンしてからさらに200種類も増えたのか、はたまた適当な数字なのかわかりませんが、とにかくとんでもない種類の餃子が用意されているお店なのです。
店内に入ると壁一面に餃子のメニューが書かれた短冊がビッシリと! これは圧倒されるものがありますね……!!
普通の「肉餃子」や「野菜餃子」からメニューが始まり、「カレー餃子」や「チーズ餃子」など脳内で容易に味を想像できる変化球餃子が続きますが、そこから先は完全にカオス。
「アスパラ餃子」「セロリの餃子」などに「これウマいのか?」と疑問符が浮かび、2段目の「たぬきの餃子」「山男の餃子」「泳いでいる餃子」などからは完全にエキセントリックな世界に突入。もはや変化球どころではありません。野球のボールを投げてくると思いきやダーツの矢を投げてくるようなぶっ飛び具合です。
「フルーツ餃子」「チョコレート餃子」などの甘そうな餃子もあれば、なんとも甘酸っぱそうな「初恋味の餃子」なんていうものも。
「狼怒る餃子」とか「餃子エーゲ海」とか、もういったいなんなのでしょうか。
壁一面に貼られた短冊は約100種類。これをそれぞれ焼き餃子にしたり水餃子にしたりと、6種類の調理法と組み合わせることで600種類の餃子料理となっているそうです。なるほどなあ。
これだけ種類があって、しかも名前も意味不明なものばかりとなると、当然何を注文したらいいか悩んでしまいます。そんな方のためにセットメニューも用意されているのでありがたいです。
こんな感じのお店なので、きっと多くの方がセットメニューをオーダーするはず。それももちろん大正解。はじめての方はセットから攻めれば間違いありません。
でもですよ。これだけ意味不明なメニューが用意されているのですから、やはり直感を信じて単品でオーダーをしてみるってのが醍醐味なのではないでしょうか!?
というわけで今回はまず「たぬきの餃子」「餃子エーゲ海」の2種類をオーダーしてみました。
何が出てくるか不安な方はここで店員さんに答えを聞いてみるのもアリ。ただし、メニューの種類が多すぎて店員さんも内容のすべてを把握しているわけではないそうです。もう、メチャクチャだな!(メニューを考案している社長は把握できているそうです)
まず最初に運ばれてきたのは「餃子エーゲ海」。
見た目は至って普通の焼き餃子。しかも焼き加減は完璧ですし、メチャクチャウマそうなんですよ。ただし中身は餃子エーゲ海。うーん……。
一口食べてみると弾力が強めで異物感があるのですが、ベースとなっているのは普通の肉餃子。しかも餡の味付けがバッチリ決まっているので、純粋にメチャクチャウマいんですよ。ウマい肉餃子に何かが混入しているという感じ。
いったい何が入っているのかと思って1個解体してみると……
中から出てきたのはマカロニ2本! マカロニ入り餃子……!!
あとで社長に話を聞いてみると「マカロニはギリシャで誕生したからエーゲ海と名付けた」とのことでした。わかるようなわからないような……。
続いてたぬき餃子が運ばれてきました。もしかしたら狸の肉が使われていたりするのか……とも思っていましたが、餃子エーゲ海の名前の付け方からするとそんなことはなさそう。
そして「餃子エーゲ海」よりも中身がぼってりとしている気がします。こちらは何が入っていたのかというと……
なんと、さつま揚げが入っていました。こんなの当てようがないぞ……。
しかしさつま揚げは魚の練り物なので、絶妙〜に餃子の餡と味が融合するんですよね。これまた非常に美味しくいただいてしまいました。
ここまで2種類を食べてみて、2種類とも名前は意味不明なのに味はウマかったので、最後は味の想像がつかない餃子をオーダーしてみることに。
というわけで最後にオーダーしたのが「トマト餃子」。きっとその名の通りトマトが入っているんでしょうけど、それがちゃんと美味しくなるのかは未知数ですよね。
期待と不安を入り交じらせながら食べてみると、これまた予想を裏切られました。餡にトマトを練り込んでいて、独特の味付けでこれまたウマい!
こちらも解体して確認してみると、餡にトマトを練り込んでいるだけでなくオニオンスライスも混ぜられているんですよ。ただ珍しい具材を入れて終わりではなくて、ちゃんとひとつひとつ味が美味しくなるように調整されているんですよね。芸が細かくて素晴らしい……!!
よくよく考えたら僕がはじめてイキイキギョーザで食事したのは約20年前。その頃は「変な店だな〜」というような印象しか残ってなかったのですが、ただ変なことをしているだけの店がそこから20年も続くはずがないですもんね。
厨房で今回の3品を焼き上げてくれた社長に話を伺うと、やはり当時からメニューの改良を重ねているとのこと。改良を重ねたことによって味も洗練され、餃子の種類も400種類から600種類に増えたのでしょう。
メニュー数が圧倒的に多いだけでなく、味もエンターテイメント性も抜群なイキイキギョーザ。コロナ感染拡大予防の観点で考えると今は大人数での訪店は控えたほうがいいかもしれませんが、4人前後で訪店してシェアしながら数多くのメニューに挑戦したら最高に楽しいと思いますよ。おすすめです!
イキイキギョーザ
住所 栃木県宇都宮市宿郷1-12-12
営業時間 17:00~翌3:00
定休日 日曜日
(執筆者: ノジーマ)