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どうもライターの丸野裕行です。
お酒をやめたくてもやめられないという方は非常に多いようで、本連載の第1回目からのルポで大きな反響をいただきました。
■酒をやめようと地獄をみたライターが体験中!「アルコール離脱症状」の恐怖!
第1回https://getnews.jp/archives/2741998[リンク]
第2回https://getnews.jp/archives/2755015[リンク]
第3回https://getnews.jp/archives/2759707[リンク]
死んでしまいそうな悪夢が2時間おきに起きる、さらに信じられない幻覚まで見えてしまうようになった筆者。しかし、やっとその恐怖は終焉を迎えることになったのです。
その症状とはどんなものだったのか、どのようにそれが終了したのか……今回もホンネで綴っていこうと思います。
いつ、この幻覚から逃れることができるのか……水分を多く摂ったとしても、体の水分の循環というのはなかなかできないものです。
しかしながら、その苦痛から逃れるために、筆者は禁断の水を口にしてしまいました。
不思議なことにごくごくと体にアルコールを入れると、その苦しみから解放されるような気がします。これがアルコール依存症の第一歩。
でも、これは禁断症状がおこってしまったからの一時的なものなんですね。すぐにまた再び苦痛が戻ってきます。
酒を飲みすぎると肝臓の機能が鈍くなって、体の有害物質を排出することができなくなります。
そうなると、“肝性脳症”というアンモニアが脳に回って記憶障害を起こしてしまうようになるようです。
昨晩の幻覚から、便秘気味になって、アンモニアが頭に回ってしまいました。下剤を飲んで、トイレでりきんでみても、まったく便が出ない。便が出ないことで、また再び意識が遠のくという状況です。
本当に自分が何をやっているのかすらわからなくなって、意識混濁する症状は非常に苦しいですし、家族や友人にも迷惑をかけてしまいます。実際に筆者自身、電車の中で急に気が遠のいて、トークイベントを欠席したことがありました。
酒を飲まなくなって4日が経過しようとしたとき、アルコール依存症外来のカウンセリングを受けることになりました。そう、断酒会などを催している団体のカウンセリングです。
話を聞いてみても、「私はアルコール依存症なんかではない」「そんななまけ病ではない」という気分になりましたが、目の前の先生も元々はアルコール依存症だったらしく、「これは病気なんですよ、アルコール漬けになってしまって、逃れられなくなっているんです」という言葉になんだか納得してしまいました。
それで「そうか、オレは病気なのか」「何度酒を口にしても不安感は消えなかったのは、このことなんだ」と思い、自分に折り合いをつけることに……。
それでも、自宅で子供と遊んだり、床に入っていると、おかしな脱力感とぼんやりとした意識にさいなまれます。
腹部の痛みはありませんが、どうも世の中から取り残されているような気持ちになるのです。
その家庭や仕事での焦燥感と絶望感をかき消すように、定期的なカウンセリングがはじまります。
カウンセリングを受けたときには、気持ちは前向きになるのですが、帰るとまたおかしな気持ちに……。
どうも、アルコール依存症から立ち直った人たちでも、2年経とうが3年経とうが、いつも背中には「酒に戻りたい」「酒を浴びたい」という気持ちがあるのだそうで、定期的に集会をして、「自分たちの仲間がいる」という自信と自負、失敗してしまった懺悔を繰り返すのだそうです。
その中で、自分らしいことを見つけたり、やりたいことを見つけて、それに没頭することで、アルコールの楽しさから逃れられるとのこと。それが希望の光になるのだといいます。
カウンセリングの座談会や断酒会では、様々な人生の話を聞きます。その中には、大切な人を失った懺悔や大事なものをなくした話などが多々あります。
ある男性は「妻と子供を殺しかけた」という人もいますし、ある女性は「飲酒運転で人をケガさせてしまった」というものもありますが、誰もそれを糾弾したり、咎めることはありません。オールオープンで、自分の過ちを認めて、話してくれていると聞く耳を持っています。
とある方に関しては「体に虫が這うので、自らの全身を切り刻んだ」という人もいて、自分自身幻覚を見ていたときのことを思い出すと、非常に恐怖を感じます。
筆者自身、アルコール依存症の恐怖や誘惑からまだまだ立ち直ることはできません。アルコール依存やギャンブル依存というのは、誰がなってもおかしくないほど身近にあるものなのです。
しかし、一歩一歩着実に希望の光に進んでいけば、人はきっと立ち直れるはずです。
筆者も頑張りますので、「ひょっとすると……」と思っている方は、ぜひアルコール依存症の専門医の受診を受けてみてください。
※本記事は筆者の体験に基づくものであり、飲酒行為について肯定や否定をする内容ではありません。また、記載された内容は一般的なアルコール離脱症状すべてにあてはまるものではありません。
※アルコール飲料を販売している酒造メーカーの注意喚起に基づいた適度な飲酒量を守るようにしましょう。
(執筆者: 丸野裕行)