善意でかけた励ましの言葉が、人によっては傷をえぐるようなものになることもあるのではないでしょうか?


『週刊少年サンデー』(小学館)に短期集中連載された『パーフェクトガール』などの作者で、Twitterでもマンガを発表しているあおきいっぺい。さん(@ippei_001)が『気がちな子が久々に学校に来た話』を公開。その謎めいた結末に読者がさまざまな考察の花を咲かせています。






久しぶりにやってきた学校で「病気もういいの? 大丈夫?」とクラスメイトから声をかけられ、「ええ、最近は少し元気なの」と答える天宮さん。その様子を男子が遠巻きに見つめています。


体育の時間、木陰で見学していて、咳き込み出す天宮さん。気がついた先生が「天宮さん、大丈夫?」と声をかけ、「保健委員居るわよね?保健室連れてって貰える?」と言われて、男子が「あ…はーい」と応じます。



保健室のベッドで「ありがとう、優しいのね」と天宮さんに言われ、「優しくないよ、たまたま係だったから」と答える男子。「………そう」と窓に目を向けて、「私…今の病気、結構大変で苦しい時が多いの。死んでもいいかなって。どう思う?」と聞く天宮さんに、男子は「どうって言われても…、俺はどっちでもいいかな…。好きにしたら?」とポーカーフェイスで答え、天宮さんはしばらく無言でその表情を見つめた後で「そうね」と言います。





翌日。遅刻してきた男子が教室の扉を開くと、クラスメイト全員が血だらけで倒れていて、窓辺に佇む天宮さんから「おはよう」と声をかけられます。


「何だよこれ…」とこみ上げるモノを抑える男子に、天宮さんは「私ね、昨日みんなにも同じ質問をしたの」と話し、「病気になんて負けないで」「死ぬなんてだめだよ!」「頑張ろうよ」という答えだったといい、「あなた以外同じ答えだった…だから私が殺したの」と告白。「だからって何だよ…全然意味がわからない」という男子を横目で見つめて、「さよなら」と言葉を投げかけると……。そこには美しさすら感じる植物が、制服を着て生い茂っているのでした。


「SFが描きたいな、と前から考えていたネタでした」というあおきさん。「タイミングが良かったので息抜きに、と言う感じです。自分の中ではSFなのです、この作品は」と語り、天宮さんのことは「特殊な存在です。能力があるとかではないんですが、普通では考えられない何かと言いますか」と説明。男子の方は「本当に普通の無関心な男の子です。ちなみにこの後、彼は死にません」とのこと。


「難しい」「脳の理解力が追いつかない」という反応のほか、「生きることが苦しみだったってこと?」「皆の血を養分として木として生きようとした?」「最期に一花咲かせてやろうと思ったのかな?」など、さまざまな考察をする人が多かったことについて、あおきさんは「読者に考えてもらう余韻を残して作ったので、考察を楽しみにしていたのですが、人それぞれ違っていて、読むのがとても楽しいです」とコメントしてくれました。


喉に棘が刺さったような余韻に浸れるこの作品。なお、あおきさんは2020年10月に『サンデーうぇぶり』にサバイバル形式の読切作品が掲載予定。「覚えて頂ける方がいたなら、読んで頂けると嬉しいです」とのことなので要注目です。


※画像はTwitterより

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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「理解力が追いつかない」「皆を養分にして生きようとした?」 病気がちな女子が久々に学校に来たマンガの結末にさまざまな考察が乱舞