8月中旬のお盆シーズンといえば、毎年地元へ帰省して親族と触れ合う時期。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、帰省を自粛するという方も多いでしょう。


そんな中、帰省の代わりに花を贈ろうという新提案が業界から発足。「with Flowers Project」と題されたこのプロジェクトは、5月のゴールデンウィーク中に展開されるや、オンライン上の花屋サイトに12万人を超える送客を実現したことで注目を集め、8月に再始動する運びに。


「#花で帰省しよう」特設サイトでは、全国60店舗以上の花屋さんと連携することで各オンラインショップから自身の代わりに帰省させる花を購入して、郵送することが可能。その種類も晴雨兼用の傘と一緒に贈れるものや、バルーンフラワーにバッグ型ドライフラワーなど、見た目にも楽しいものが豊富にそろっています。



「#花で帰省しよう」に参加した花屋さんの1つであるBOTANIC Inc 代表取締役 CEOの上甲友規さんは「お客様のニーズの多様化や購買行動の多元化は、店舗からネットへという変化から、昨今より一層深いところまで来ています。そのような中で、花そのものの良さを伝え、そして実際に手に取ってもらうために、デジタルと向き合って一歩踏み出すことが業界として求められていると考えています。花はそれだけで美しいものです。時代にあった形でありのままを伝えるために、弊社を含む生花店がデジタルと共に歩むきっかけになれば幸いです 」とコメントを寄せています。


これらオンライン上で花を購入できるサービスが多くの人に利用される一方で、業界の課題として浮き彫りになったのは花屋さんごとのデジタル格差でした。そこで「with Flowers Project」は、アドビとタッグを組んで無料オンラインセミナー「デジタルレスキュー」を8月6日に開催。オンラインで必須となる写真の撮り方と加工方法やSNSのアカウント作成方法などが専門家によってレクチャーされました。


ZOOMを使って行われたオンラインセミナーには、当初の募集人数である50名を超える90人以上が参加。まずはフォトグラファーの桐生彩希さんより、花の写真を綺麗に撮る方法とアドビの写真加工ソフト「Lightroom」の簡単な使い方が説明されました。



桐生さんは「撮影に照明機材を使用して綺麗な光を当てるだけで、大きく印象が変わります。1万円前後のLED照明さえ購入すれば、光を反射させるレフ板などは身の回りのものを駆使すれば大丈夫です」と基本的な撮影環境について言及。「光を当てて撮影できる環境をお店の中にでも簡易的なスタジオとして維持すれば、いつでも綺麗な写真が撮れるようになります」とのことで、花がより美しく見えるような光の当て方などをレクチャーしていました。



慣れていないと難しく感じてしまう「Lightroom」での写真加工についても「露光量やコントラストなど、スライダーを左右に動かすだけで調整できるので、自分なりにいいなと思うポイントを設定していくだけで大丈夫です。大事なのは補正ができたら、時間をおいてもう一度加工された写真をチェックすること。そうすることで冷静な目で補正を確認できるのです」と解説。「気軽に撮影したあとに調整すればいいという、楽な気持ちが大切です」とアドバイスを送っていました。


オンラインセミナーに参加した花屋さんの1人であるオランダ屋代田橋店長の中村魅絵さんは「(レクチャーを受けて)凝り固まった思考があることを実感しましたね。商品の見え方も、教えて頂いたライトの当て方と反射させることを意識すると、こんなにも違うのかと。もともと写真を撮ることに苦手意識があったのですが、(Lightroomの)アプリを使う事で更に綺麗な画像に仕上がり、楽しいと感じるようになりました」とコメント。自身の成長ぶりを実感されていました。



続いてはTwitterやInstagramといったSNSアカウントの解説方法を、エージェント株式会社の榎本真太郎さんが解説。「SNSはサービスごとにそれぞれ特徴がありますが、花屋さんの場合は綺麗な写真を投稿できるInstagramがおすすめですね。広告出稿などができるビジネスアカウントも作成できるので、統一感ある写真を投稿してのブランディングが効果的です」とSNSの基礎的な使い方が説明されていきました。



「ハッシュタグも投稿数が多過ぎるものだと埋もれてしまうので、少なすぎず自分たちの投稿内容に沿ったものを見つけるのがポイント。適切なものを設定することで、ユーザーにお店を発見してもらいやすくなります」と運用方法も解説。ZOOM上の参加者の方々も、最後まで熱心に説明を聞いていたのが印象的でした。


オンラインセミナーのあとには、「with Flowers Project」を発足した株式会社STARMINE PLANNING 代表取締役の長井ジュンさんにお話を伺うことに。緊急事態宣言を受けて花屋さんのためにボランティアで出来ることをしたい、という思いからプロジェクトを立ち上げたとのこと。


オンラインセミナーを実施して「はじめは50人参加者がいたらいいかなと思っていたら、予想を上回る方にご応募いただけました。口コミで全国から申し込みをいただいたこともあり、改めて基本的な情報を最後まで見ようという意識の高さを感じましたね」としっかりとした手応えを感じられており、「今後はオンライン上で売り上げをアップした方々をお招きしてのセミナーも実施していければと思っています」と話されていました。



普段はお花を買うというきっかけがなかったという方も、「#花で帰省しよう」をきっかけにして親しい人にお花を贈ってみてはいかがでしょうか。


「#花で帰省しよう」特設サイト:

https://with.flowers


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 今年の夏は帰省代わりにお花を贈ろう! 花屋業界からの新提案とオンライン化へ向けたセミナーが開催