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全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。新型コロナ騒ぎでついに緊急事態宣言が発令。外出は基本自粛と、かなり厳しい状況になってきた。ラーメン好きの方も近場のラーメン店に食べに行くのが精一杯で、カップ麺やインスタントラーメンにも飽きてきている人も多いのではないだろうか?
筆者が元気を出したいときに食べたいラーメンのひとつが“横浜家系ラーメン”だ。横浜の“吉村家”を総本山とする濃厚な豚骨醤油ラーメン。この連載でもお店の紹介や、吉村家監修のカップ麺の紹介などいろいろ取り上げてきたが、今回は“冷凍麺”を紹介したいと思う。
キンレイから出ている「お水がいらない 横浜家系ラーメン」だ。カップ麺売り場でもお弁当売り場でもない、冷凍食品の売り場に売っている商品。
その名の通り、“お湯も使わずに”家系ラーメンが完成してしまうという画期的な商品だ。
パッケージを開けると、スープの上に麺、その上に具が乗って冷凍されている。
▲そのまま鍋に入れて……
▲火にかけるとだんだんスープが溶け出してくる
これをお鍋に入れて火をかけるだけ。8分ほどすると家系ラーメンの完成だ。これは凄い。
▲丼に移して完成!
肝心の味だが、これが巷に乱立するニセモノの家系ラーメン店などに比べれば全然美味しいと思った。濃厚な豚骨醤油スープに鶏油をきかせてあり、中太麺もモチモチとしていて美味しい。
▲お好みで味変もオススメ
ご自宅にあるニンニクやショウガ、お酢を入れて味変も楽しめるので試してみてほしい。冷凍で出せる限界はありながら、家系ラーメンのツボを押さえた商品になっている。
それもそのはず、この商品の監修は“ラーメンデータバンク”だ。会長の“自称日本一ラーメンを食べた男”大崎裕史さんに開発秘話を伺った。
▲大崎裕史さん
― 具のチョイスはさすが王道の家系ラーメンですね!
「具はチャーシュー、ほうれん草、海苔は必須。海苔はできたら3枚、可能だったら別添でとオーダーしました。チャーシューは煮豚ではなく焼豚にしてもらいました」
― 麺のモチモチ感もよかったです!
「麺は平打ち太麺で、やや短めですすりやすくしました。限りなく酒井製麺(家系ラーメンではおなじみの製麺所)に近づけていただきました。キンレイさんの自社製の麺ですが、かなり近いものを作ってくれたと思っております」
― スープのこだわりを教えてください。
「試作であがってきたものよりも“醤油感”を出すことを希望しました。醤油感といっても、醤油ラーメンの色ではなく、豚骨醤油の色を出してもらったんです。やや白濁寄りの茶濁ですね。
“家系=豚骨醤油”と言うのが一般的なので、はじめは豚骨中心のスープだったんですが、もう少し鶏も加えてまろやかになるように、さらに油も鶏油とわかるように味のメリハリを付けてもらいました」
― 家系ラーメンにも流派がありますが、その辺りはどう考えられたんですか?
「家系ラーメンの中でも醤油が濃い“吉村家系”と、白っぽい豚骨スープの“壱六家系”にわかれるところ、本商品は幅広い人に受け入れてもらえるよう、真ん中的なポジショニングで監修しました」
これだけのこだわりがあれば美味しいものができたのも納得。これは必食。ぜひコロナの外出自粛の間にお試しいただきたい。
(執筆者: 井手隊長)