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「巨峰の皮はむかない方が美味しいんです」
そう語るのは「果寮MATSUTOMI」(かりょうまつとみ)のオーナーの海野恭正さん。
この時期、俄然おすすめという「巨峰&マスカットのフルーツサンド」は生クリームの中に大きなブドウの粒がこれでもかと、うずめられているクロワッサンのサンド。
バターの効いたクロワッサン、「実はめちゃめちゃ高い!!」という乳脂の香りが上品な生クリーム、そして皮ごとの巨峰とマスカット。ブドウの粒を中心にほおばるとわかるのは、皮からあふれる芳醇で大量の果汁の甘さ。目いっぱいの甘さとジューシーさのおかげで、そこそこ主張の効いているクロワッサンや生クリームとも対等なバランスになっているのがわかります。クロワッサンのわずかな塩味とミルキーな生クリームが巨峰のジュースと溶け合いながら洗い流されていきます。
「今日はチョコバナナ、ミックスベリー、巨峰&マスカットでフルーツサンド出していますが、これ以外の果物だとクロワッサンのバターに負けちゃうんですよね」(海野さん)
そんなフルーツサンドと一緒にいただいたのは和梨のジュース。ジュースはいずれもオーダーが入ってからミキサーをかけています。
「以前は作り置きもあったんですが、こだわりが強くなりすぎてオーダー受けてから作るようになりました。味が変わってしまうのがどうしても気になってしまって」
この和梨のジュース、M400円、L500円なのですが価格設定がおかしいと感じるほどの美味しさ。梨のあの食感、そして熟した梨のスッキリとしつつも濃厚な甘さがカップの中に凝縮されています。
「メニューによっては加糖したほうが美味しいものもありますが、この和梨は加糖しなくても十分な甘さがありますね」
巨峰のフルーツサンドと和梨のドリンク、交互に味わっていると、「うまい」「おいしい」しか言えなくなっている自分に気づきました。極限まで美味しいものは、語彙を奪います。うまい。ああ、うまい……。
「果寮MATSUTOMI」がオープンしたのは2019年の4月26日。もともと建築関係のサラリーマンをしていた海野さんが、現在の建物自体を気にかけていたのだそう。
「もともとはおでんの具なんかを作っている、あの周辺では有名なかまぼこ屋、おでんだね屋さんだったんです」
内装はおでんだね屋だった当時の内装を活かしつつもデフォルメした、ジュース屋としてはノスタルジックなたたずまいになっています。
「奥さんの実家が青果の卸しやフルーツパーラーをしているという縁、気になっていた建物を貸してもらえることになった縁、そういったものが重なってお店のオープンに繋がりました」
お義母さんが営むフルーツパーラー「フルーフ・デュ・セゾン」は旧神田青果市場の名残が残るお店。違ったアプローチでフルーツの良さを伝えるべく、海野さんは現在のお店を開きました。
レイヤーの違うフルーツのクオリティは、独自ルートと周囲の協力のおかげもあるそうです。
「良いモノ使ってますね、って言ってもらえるのは最高の誉め言葉ですね」
建物含め、地域の縁に助けられたということもあって、店名「果寮MATSUTOMI」は神田12町会のひとつであるこの土地“松富町”にちなんでいます。
ところが「果寮MATSUTOMI」は契約の関係で2019年11月4日に一度、お店を休みにするのだとか。まだここのフレッシュジュースを飲んだ事の無い人は11月4日までに味わうことをおすすめします……! とはいえ、早ければ年内、遅くとも2020年2月に再開店の予定とのことなのでご安心を。
今の時期のおすすめは「やっぱり巨峰と梨ですね。このあとはイチゴが旬になりますよ」とのこと。
クオリティに対してかなり安い価格でフルーツジュースを提供している「果寮MATSUTOMI」、どうしてこの価格帯にしたのでしょうか。
「ジュースの提供価格にかかわらず、果物は仕入れ価格が変わってしまうことが多いのですが、やはり良いものを提供したいという気持ちがありました。
コーヒーのように、気取らず生活の一部としてフルーツを摂れる、そういう文化を広めたいと思っています」
“いい意味で、味と価格のバランスがおかしい”フルーツジュース、秋葉原・末広町周辺に来た際には、今まで飲んだフルーツジュースと飲み比べてみてください。
11/4までに「SHI-TEN」のコーヒーを持って行くと、フルーツサンドが50円引きになります。
逆に「果寮MATSUTOMI」のフルーツサンドを「SHI-TEN」に持って行くと、コーヒーが50円引きになります。
果寮MATSUTOMI
https://matsutomi.tokyo/
SHI-TEN Coffee
https://shiten.tokyo/ [リンク]