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ラーメンやつけ麺を食べるときにトッピングされていると嬉しい味付玉子(煮玉子)。いい感じに味が染み込んでいて、半熟の黄身がとろ~り。思い出しただけでヨダレが出てきますね。
実はこの“味玉”ですが、自宅でも簡単に作ることができるのです。半熟のゆで卵を作ってタレに一晩ほど漬け込んでおくだけで完成。しかも漬けダレはめんつゆなど身近な調味料でも十分美味しく作れます。
めんつゆを使って味玉を作るとゆで卵がめんつゆ色に染まるように、白だしを使って味玉を作るとゆで卵に味だけが染み込み、見た目はゆで卵とほとんど変わらない白色の味玉を作ることができます。
白色ということは何色にでも染められるということ。つまり……
着色料を使えばカラフルな味玉を作ることもできるのではないでしょうか。早速実験してみました。
まずは白だしを使ってベースとなる漬けダレを作ります。
メーカーや漬け込み時間、味の好みなどによって加減していいと思いますが、今回は白だし2:水3くらいの割合で作りました。
漬けダレが用意できたらジップロックに適量を注ぎ、そこに着色料を投入します。
青色の着色料を添付のスプーンで2杯ほど入れたら、見事に真っ青な漬けダレが完成しました。ずいぶんと鮮やかな水色になりましたね。
同様に残り7種類の着色料も使ってカラフルな漬けダレを作っていきます。
いかがでしょう。まるで絵の具のように鮮やかな漬けダレが完成しました。鮮やかすぎていずれも味玉のタレだとはとても思えません。
ちなみに卵は漬けダレを作る前に6分~6分半ほど茹でておき、直前まで氷水でキンキンに冷やしておくといいです。殻をツルンとむきやすくなりますよ。
漬けダレを用意し終えたら卵の殻をむき、ジップロックの中に入れていきます。
青い液体にゆで卵を入れているとなんだか科学の実験をしているような雰囲気になりますが、あくまでも料理ですし、讃岐うどんのつゆのような味に仕上がるはずです。
こうして8種類の「味玉レインボー」の仕込みが完了。あとはムラができないように気にしながら冷蔵庫で一晩寝かします。いったいどうなることやら……。
そして翌日。冷蔵庫で一晩寝かした「味玉レインボー」をひとつずつ開封していきます。まずは赤色から順番に取り出してみましょう。
わっ、赤い。思わず笑っちゃうくらい人工的な赤色です。ここまで赤いとなんだかめでたい気分になってくる。これは大成功といっていいでしょう。
赤色の味玉が見事に染まったのに対し、青色の味玉は色のりがいまいち。青色というかファンシーな水色の味玉に仕上がりました。どうやら着色料の種類によって染まり方に差が出てしまうようです。
白だしと色が近いので失敗の有力候補かなと思っていた黄色の味玉ですが、こちらは見事に鮮やかに染まりました。食べ物に例えるならたくあんのよう。電車に例えるなら西武線のようです。
緑色の味玉はまるでキュウリやアボカドのような緑色に。同じ時間、同じ分量で着色したのですがこれは染まりすぎてしまった感さえあります。どことなくピータンを彷彿とさせる不気味なビジュアルです。
ラーメン屋などの味玉は茶色が一般的なのでそこまで面白くないかな、と思いながら作ってみた茶色の味玉。茶色は茶色でも醤油ベースの茶色とはちょっぴり違う茶色に染まりました。なんだかチョコレートっぽい味がしそうな色です。
鮮やかに染まったら最高だなと思っていたピンクの味玉ですが、残念ながら実際はほのかにピンク色に染まった程度でした。岩下の新生姜のように自然な味つけで染まったピンク色に見えるので、ここまでで一番美味しそうに見えます。
漬けダレは墨汁のように真っ黒だった黒色の味玉ですが、残念ながらまったく着色されていませんでした。黒色なのに白色。これはさすがに失敗だと言わざるを得ませんね。
紫色の味玉は若干薄めではありますが、いい感じに気持ち悪く染まりました。とてもこの世の食べ物とは思えない。悪魔の卵のようなビジュアルです。
失敗した黒色の味玉は取り除き、7種類を並べてみるとなんとも鮮やかで華やか。ひとつ失敗したことによってちょうど7色となった「味玉レインボー」がここに完成しました!
せっかく作ったのであとはもちろん試食していきます。
気になるのは色によって味の錯覚が起こるかどうかというところ。同じ温度の水でも赤色だと温かく感じ、水色だと冷たく感じるというのはよく聞く話ですが、味玉は赤色だと辛く感じたり、紫色だと美味しくなく感じたりするのでしょうか。
早速「味玉レインボー」を切って盛りつけしていきましょう。
まずは緑色の味玉から切ってみましたが、黄身の部分は非の打ち所のない仕上がり。めちゃくちゃウマそうです。
しかし緑色から白色へのグラデーションは完全にキュウリと一致。ウマそうなのに食欲がかき立てられない。なんとも絶妙な食べ物です。
紫色の味玉も破壊力がありますね。
とりあえず4種類を盛り付けし、ひとつひとつを食べ比べしてみましたが、驚くほどに味に変化を感じません。色はこれだけ違ってもまったく同じ味。ここまで人工的な色をしていると錯覚を起こしたりしないものなのかもしれませんね。
それにしても白だしで作った味玉はびっくりするほどウマい。昆布ベースの優しい味がしっかりと染み込んでいて、黄身のまろやかさともバッチリ合う。温泉卵を落とした讃岐うどんのような味といえばわかりやすいでしょうか。この見た目と味のギャップは最高に愉快です。
味玉の漬けダレに着色料を混ぜるだけでインパクトは絶大に。ホームパーティーやイベントなどで振る舞えば話題の中心になること必至。インスタ映えも抜群。Twitterに上げればリツイートのラッシュ間違いなしででしょう。「味玉レインボー」、ぜひ皆さんもお試しあれ。
(執筆者: ノジーマ)