- 週間ランキング
米軍はもはやUFOの存在を無視できなくなってきているのかもしれない。
米軍によるUFO目撃報告で最も有名なものは、2004年11月にカリフォルニア沖でニミッツ空母打撃群が遭遇した“Tic-Tac UFO”だろう。7日間に渡り複数回目撃された謎の飛行物体は、高度1万8000メートルからほんの数秒で海面近くまで降下した後にホバリングするなど、既知の技術ではあり得ない加速・旋回性能を示し、超音速で飛び去ったという。この飛行物体については米国防総省も識別のできないUFOとして認めざるを得ず、13ページのレポートにまとめている。
このUFOは当時としては世界最高水準の性能だったイージス艦のAN/SPY-1レーダーをもってしても追跡しきれず、一時的に接近することのできたF/A-18FスーパーホーネットのAN/APG-73レーダーでもロックオンできなかった。しかし、パイロットの目には長さ14メートルほどの白っぽい楕円形の物体として視認され、エンジンもプロペラも、排気煙も見えなかったが、同機に搭載されたAN/ASQ-228赤外線前方監視ポッドは低速で移動するUFOの姿を捕捉することができた。
動画:UFO spotted by US fighter jet pilots, new footage reveals –BBC News(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=3RlbqOl_4NA[リンク]
UFOはレーダーには映らないが赤外線センサーには映る――。軍事情報専門サイト『The War Zone』によると、米軍では赤外線捜索追尾システム(IRST)の有効性が再評価されてきており、近々、海軍のF/A-18E/F及び空軍のF-15Cに新型IRSTが搭載される予定だという。
最初期の航空機用赤外線センサーは米軍が1950年代に開発したF-101とF-102に搭載され、補助的な索敵・追跡装置として使われていた。ただ、赤外線センサーはレーダーに比べ探知範囲が狭く、悪天候下では探知性能が減衰する可能性がある。そのため、より自動化されたレーダーが開発されるとともに、赤外線センサーが米軍の航空機に採用されることはなくなっていった。
一方、航空機用赤外線センサーを冷戦以降もずっと改良し続けてきたのがロシア軍だ。赤外線には先述のような弱点もあるが、現代戦では戦闘に先駆けて必ず実施される電波妨害などを伴う電子戦下でも制限を受けず、自らは放射波を出さないために被発見性が低いという利点がある。また、近距離における分解能はレーダーよりも高い。熱を捉えるため“レーダーに映らない”ステルス機も探知することができる。ロシア軍第4世代戦闘機のSu-35に搭載されているIRSTは、正面からだと50km、より排気熱の多い背後からなら90km遠方からでも目標を探知できるという。2018年にはロシア軍パイロットの非公式アカウントが、シリア上空を飛行中のF-22をIRSTで追跡したとする画像を公開した。
この投稿をInstagramで見る Ivan Ivanovさん(@fighter_bomber_)がシェアした投稿 –2018年 9月月23日午後10時03分PDT
動画:F-22 Raptor in action at Farnborough Air Show(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=58N6Plr17GU[リンク]
先頃、米海軍は「ここ数年、無許可あるいは未確認の飛行物体が軍の管制空域に侵入した報告が多数ある」と認め、UFO目撃時の正式な報告手順をまとめようとしていることを明らかにした。もっとも、それらのUFOが宇宙人の乗り物だと考えているわけではないともしているが、レーダーに映らない飛行物体も捕捉できる新型IRSTの導入は、ペンタゴンですら予想しなかった存在を証明することになるかもしれない。
画像とソース引用:『The War Zone』『lasvegasnow.com』『YouTube』『Instagram』より
https://www.thedrive.com/the-war-zone/28903/u-s-fighter-jets-are-about-to-get-infrared-sensors-that-could-be-huge-for-ufo-reporting[リンク]
https://media.lasvegasnow.com/nxsglobal/lasvegasnow/document_dev/2018/05/18/TIC%20TAC%20UFO%20EXECUTIVE%20REPORT_1526682843046_42960218_ver1.0.pdf[リンク]
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: ろくす) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか