口臭ケアに関する正しい知識を啓発するブレス・ハザードプロジェクトは、日本人の口臭の現状と課題をまとめた“口臭白書2019”を発表。


5月29日、都内の会場でプレスセミナーを開催し、「口臭レベルは男性より女性の方が深刻」、「歯磨き頻度と口臭レベルには相関性がない」など、これまでの固定観念を覆す調査データが明らかとなりました。


口臭リスクが高まりやすいのは女性!?



同プロジェクトは口臭やその原因となる口腔内の疾患リスク等を「ブレス・ハザード(Breath Hazard)」と銘打ち、口臭レベルを100段階で測定できる口臭測定器を用いて、首都圏在住の男女20~69歳の214人を対象とした口臭測定調査を実施。


その結果、基準値となるスコア50をオーバーした人が、男性8.3%に対し、女性は17.9%と、女性の方が2倍以上の割合に。


より口臭スコアが深刻なのは、40~60代の「中高齢層の女性」であり、基準値を超えた人の割合は24.1%と、約4人に1人が基準値オーバーという結果になりました。



日本歯周病学会の理事・専門医・指導医を務める若林健史氏は、「(女性の)思春期はホルモンバランスが変化しやすく、月経のたびに歯茎が腫れやすい時期。妊娠・出産期には女性ホルモンが口臭リスクにかかわる細菌の発育を促進し、更年期にはホルモンのバランスが崩れ、歯周組織が変化し、歯周病症状が悪化する恐れがあります」と、男性にはない口臭リスクの原因が考えられることを指摘し、「パートナーや男性のサポートが不可欠です」と述べました。


歯磨きだけでは十分な口臭ケアと言えない


また、口腔内のケア習慣と口臭レベルの相関性を分析するため、1日の歯磨き回数別に、口臭測定スコアが基準値オーバーだった人の比率を比較。



歯磨き回数が「1日2回以下」は12.0%、回数が多い「1日3回以上」は14.2%となり、むしろ回数の多い人の方が、基準値オーバー比率が高いという意外な結果になりました。


この調査から、セルフケアの頻度を増やすだけでは、口臭の改善に必ずしも寄与しないと言えるかもしれません。


「3か月に1回は歯科医院へ」



同プロジェクトが全国47都道府県の4700人を対象に行った口臭ケア意識に関するアンケート調査では、日常的に行っている口臭ケアとして「歯磨き」「舌を磨く」といったセルフケアが上位に並ぶなか、「歯科医の診察を受ける」と回答した人は、全体のわずか5.1%にとどまりました。


若林氏は、口臭の原因には大きく分けて2種類、健常者のほとんどに発現する“生理的口臭”と、むし歯や歯周病など口腔内トラブルによる“病的口臭”があると紹介したうえで、「一時的にニオイが発生する生理的口臭とは異なり、病的口臭は慢性的に発生し、知らず知らずのうちに周りの人に不快感を与えます」と指摘。



「(病的口臭は)自己流のセルフケアだけでは解消できないため、3か月に1回程度を目標に歯科医院へ通院することをお勧めします」と、日々のセルフケアに加えてプロフェッショナルケアの重要性を訴えました。



調査に使用した口臭測定器を実際に導入している歯科医院も増えているそうです。自身の口臭レベルを認識することも口臭予防のきっかけになるかもしれませんね。


ブレス・ハザードプロジェクト:

https://www.gogohaisha.com/breathhazard/


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 口臭が深刻なのは男性より女性!? 歯磨きだけでは口臭ケアに限界がある!?  調査データで明らかに