イギリス作家フィリップ・リーヴのファンタジー小説「移動都市」を『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』三部作で監督/脚本/製作を手掛け、その名を世界に知らしめたピーター・ジャクソンが映画化。”都市が移動し、都市を喰う世界”を舞台に、衝撃的で新しく、壮大な物語を圧倒的な映像迫力で描き出す冒険ファンタジー超大作『移動都市/モータル・エンジン』が3月1日(金)より全国公開となります。



本作で、復讐に燃える孤独な少女ヘスターの日本語吹替を担当したのが声優の石川由依さん。ひょんな出会いからヘスターと冒険を共にするトムを演じる声優の島崎信長さん(”崎”の正式表記はたつさき)と共に、見事な掛け合いを見せています。


今回は石川さん、島崎さんのお2人にインタビューを敢行。物語の感想から役作りについてまで、色々とお話を伺いました。



――本作拝見して、すごい発想の連続で、壮大な世界観に飲み込まれてしまいました。お2人が映画をご覧になっての感想を教えてください。


石川:まずはただただ、都市が移動するという壮大な世界観に圧倒されました。こういう作品は大好きなので私の心にもビシビシ刺さって。でも、ファンタジー作品でありながら、私が演じたヘスターという女の子は母親が殺されたことへの復讐心に燃えています。そんな時にトムという青年に出会ってどうヘスターが変わっていくのか? とか、冒険だけじゃない人間ドラマにも見所がある作品だなと思いました。


島崎:僕もファンタジー作品が大好きなので、ファンタジー好きなら絶対に楽しめる作品だなと思いました。細かい個人のバックボーンもしっかりと描かれていて、壮大な部分と繊細な部分のバランスが良い作品だなと思いました。難しい単語とかも出てくるんだけど、分かりやすくて、想像がふくらみつつも想像がしやすく、すごく楽しませていただきました。


――石川さんが演じたヘスター、島崎さんが演じたトムについて、どの様なキャラクターか教えてください。


石川:へスターの目的は復讐が第一で、絶対にあきらめない心を持っていて。でも彼女自体は特別な訓練を受けていたわけでも、鍛え上げられているわけでもないので、復讐という目的がなければ普通の女の子だったと思います。トムとの出会いによって、復讐だけの人生だったのが、気持ちがほぐれていって周りの人間関係をちゃんと見れる様になっていったり…。とてもゆっくりですが、変化と成長を感じたキャラクターでした。


島崎:トムは色々なバックボーンがありながらもヘスターに比べると普通に生きてきた青年で、そんな彼が急にとんでもない出来事に巻き込まれていって。でも、彼は彼で折れない! しぶとい(笑)。芯の強い子だなと思いました。戦いが強いとか、バリバリ敵を倒して行くとかそういうタイプでは無くて、鈍感力というか大らかさで聞きづらいこともどんどん聞いちゃって場を変えていくというか。僕、「柔軟に抗っていく人」がすごく好きなんですよ。そんな前向きなトムにすごく惹かれました。



――アフレコはお2人一緒に出来たのですか?


石川&島崎:一緒に録れました! 


――息ぴったりな掛け合いなど、実際に2人で録音したからこその魅力がありますよね。お互いの演技を聞いた印象いかがでしたか?


石川:印象は……島崎さんってトムに似てませんか?(笑)


島崎:本当に!? やったー!



石川:見た目の雰囲気とかが本当にトムに似ているなと思っていて、なのでトムとして認識しやすくて、声を聞いても「あ、トムだ」ってすぐ思いました。


島崎:石川さんは雰囲気はヘスターに……似てないと思うんですけど(笑)。


石川:憎しみに生きているキャラクターに似ていたら困りますよね(笑)。


島崎:でも芯の強さとか、信念を持っている所とかは共通しているんじゃないかなって、お芝居を見ていて思います。


石川:確かに、私もこのお仕事を始めて長かったりして、一つのことをやり続けることとか、想いが強い部分が私自身にもあって。だから芯の強い凛としたキャラクターのお話が来るのかなあとも思います。



――特に苦労されたシーンがあれば教えてください。


島崎:走るシーンが多かったので、息芝居は大変でした。細かい息の演技が多くて。実写の作品ですから走ったら当たり前に肩も揺れてるし、ハッハッとしていて。その息の演技も「何秒間やる」とか機械的にはしたくなくて、感情をいれたかったので、実写の演技に慣れないながらも頑張りました。


石川:セリフよりも息で走ったり、息でアクションするシーンは本当に多かったですね。ヘスターは言葉数も少ないですし感情を出さないミステリアスな部分が多いので、それをどう表現するかが難しかったです。実写の彼女と息を合わせる為に、形にはまりたくはないけど、自然に合ったらいいなと思いながら。


――お2人の色々な努力によって素晴らしい吹替が完成したわけですね。字幕じゃない方がこのファンタジーな世界観によりハマれるかもしれませんね。


石川:字幕も吹替もどちらもそれぞれの良さがあるとは思いますが、吹替だと、より世界観に入り込んで、このすごい映像を楽しんでいただけるのではないかと思います。全力でヘスターを演じたので、是非、吹替版も観ていただけると嬉しいです!


島崎:本作は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンさんが製作総指揮をやっているのですが、僕も『ロード・オブ・ザ・リング』が大好きで。子供の頃、『ロード・オブ・ザ・リング』を家族で観る時間がすごく楽しかったんです。時間も長いので何回かに分けて観るのですが、その夜は父が子供たちにノンアルコールカクテルを作ってくれるんです。そういう楽しい出来事と物語の面白さがシンクロして、すごく良い思い出なんですよね。『移動都市/モータル・エンジン』も皆さんにとって良い思い出となる作品になってくれたら嬉しいです。


――今日はとても素敵なお話をありがとうございました!



『移動都市/モータル・エンジン』

http://mortal-engines.jp


(C)Universal Pictures


―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 『移動都市/モータル・エンジン』日本語吹替声優・石川由依&島崎信長インタビュー「冒険だけじゃない人間ドラマにも見所がある」