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宅配業者のドライバー不足や再配達にかかる負担が社会問題化するなか、総合住生活企業のLIXILが、戸建住宅向けとしては「業界初」となるIoT宅配ポスト『スマート宅配ポスト』を2018年10月1日より発売。都内で開かれた記者発表会では、従来の宅配ボックスでは解決できなかった課題に対応した機能紹介やデモンストレーションを交えながら、『スマート宅配ポスト』開発の背景が説明されました。
LIXILのホームネットワークシステム『スマートエクステリア』シリーズから登場した『スマート宅配ポスト』は、宅配ボックス、ポスト、表札、インターホンが一体となったシンプルでスマートなデザイン。素材は強度と軽量化を両立するアルミダイカストを採用しています。
宅配ボックスは2Lのペットボトル6本入りが2ケース収まる大容量サイズで、耐荷重30kgまで対応。
扉は二重構造になっており、常時施錠されている内側扉はタッチパネルで1~4の数字を使用した6桁までのパスワード(約4000通り)を入力することで解錠操作ができます。集荷依頼の際には宅配業者用のパスワードも発行可能。
スマートフォンの専用アプリと連携することで荷受け通知を受け取れるほか、すでにボックス内に荷物が入っている場合でも配達員からの通知を受信して遠隔で開錠できるため、複数個の荷受けができるのが特徴です。カメラユニットを通して外出先からの応答・会話、カメラ映像の視聴などにも対応。通信方式にはコードレス電話などに使われるDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)方式を採用したワイヤレス通信となっています。
LIXIL理事でLIXIL Housing Technology Japanエクステリア事業部長の庵原岳史氏は、国土交通省の調査で「2017年度の宅配便の取り扱い量が年間42億個を超えるなか、そのうちの2割が再配達に回されています。CO2の排出量に換算すると42万トンとなります」と、宅配便の再配達が大きな環境負荷となっていることを紹介。ネット通販やフリマアプリなどのEC事業が拡大する反面、「戸建て住宅の宅配ポスト普及率は1%未満(LIXIL調べ)」と述べ、住宅設備メーカーとしても宅配ポストの普及が急務の課題であると説明しました。
『スマート宅配ポスト』が普及することで、宅配業者の負担が減るだけでなく、「宅配時間に合わせて自宅で待機する必要がある」「簡易の宅配ポストでは盗難が心配」といったエンドユーザーが抱える不安の解消にもつながるとしています。
会場では『スマート宅配ポスト』のお披露目と共に、宅配受け取りのデモンストレーションが行われ、LIXIL Housing Technology Japanエクステリア事業部の井出眞治氏が、「荷受けの通知」「複数個の荷受け」「集荷の依頼」を実践しました。
スマホと連携するIoT宅配ポストが登場(LIXIL)(YouTube)
https://youtu.be/LZRm37r3ZV0
参考価格は据置仕様の基本セットが17万8000円(税抜き)から。発売当初は集荷サービスを請け負っている大手宅配業者1社と連携をスタート。今後はクラウドサービスを通じて宅配業者とシステムデータを共有しながら「順次サービスの連携を拡大」し、「2020年度に15億円の販売を目指す」としています。