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日本各地にはさまざまなご当地料理、いわゆるB級グルメと称される料理がたくさんあります。近年はB級グルメの祭典『B-1グランプリ』をはじめとしたフードフェスや、ネットの普及により、たくさんのB級グルメが広く知れ渡るようになりました。
しかし、そういったイベントに登場するB級グルメはごく一部。日本各地にはまだまだ知られざるB級グルメがたくさん存在しているのです。
今回紹介するのは、栃木県の那須塩原を代表するB級グルメ『スープ入り焼きそば』。なんとソース味で作り上げた焼きそばをどんぶりに移し、ラーメンのように醤油スープを注ぐというもの。せっかくソースで味付けしたのに、別の味がするスープの中に入れちゃうの……!? なかなか衝撃的なメニューなのですが、塩原温泉郷の公式ページによると、50年以上の歴史を持った由緒正しいご当地料理なのだとか。
※塩原温泉郷公式ページ http://www.siobara.or.jp/soup-yakisoba.htm
全国にはB級グルメブームに便乗する形で奇抜な料理を考案し、町おこしに活用しているという例もたくさんあるのですが、スープ入り焼きそばは50年以上の歴史があるため、昔から那須塩原の人たちに親しまれてきた料理なのでしょう。しかも味がウマくなければ50年も歴史が続かないはず。これは期待大だぞ……!
いつか那須塩原を訪れた際には食べてみたいと思っていたスープ入り焼きそば。ところが調査をしてみると、なんと東京・赤羽にもスープ入り焼きそばを販売する店が存在しているという情報を入手! 早速足を運んでみることにしました。
赤羽駅の東口を出て歩くこと10分少々。北運動公園の近くに店を構える中華料理店『凜凛』こそがそのお店。実は2018年3月に店を移転しているため、食べログなどのサイトでは旧住所が表示される場合もあるので注意が必要です。
店の入口には「スープ入りやきそば」と書かれたのぼりも掲げられていました。凛凛の看板料理となっているようですね。
店内に入ってメニュー表に目を移すと、スープ入り焼きそばの他にも魅力的なメニューがたくさん用意されていましたが、もちろん迷わずスープ入り焼きそば(800円)を注文。カウンター越しに店主が調理をするのを眺めていましたが、焼きそばを作ってどんぶりに移し、さらにスープも用意するのですから、調理工程は通常メニューの2倍近くあるはず。他の料理と価格帯があまり変わらないのはかなりお得感があるように感じました。
そして数分後、ついに目の前にスープ入り焼きそばが着丼……!
なるほど……これがスープ入り焼きそばか……!!
かなり細麺で具だくさんの焼きそばに、たっぷりと醤油スープが注がれています。焼きそば自体はかなり美味しそうなのですが、それだけに醤油スープに入れることで味が劣化してしまっていてもおかしくない気も……。本当に美味しいのでしょうか……?
写真撮影を終えると、店主から「最初はスープから飲んでみてください。だんだん味が変わっていくのを楽しめますから」とアドバイスが。ほうほう、まずはスープからいただいてみましょうか。
スープはなかなか濃い目の色をしていますが、飲んでみると意外とあっさり薄味。醤油味よりも旨味を強く感じられるような味になっていました。スープ自体はバッチリ美味しいのですが、味が薄いとソースの味を薄めてしまうことになりそうな気もします。うーむ……。続いて麺を食べてみましょう。
気になる麺の味ですが……おおっ! こちらはしっかりソース味! スープの中に浸っていても麺にはソースの味がしっかり絡みつき、賑やかな具材の味も一緒に感じられます。そしてスープに浸されていることで、焼きそばなのにツルッと食べやすい! これはなかなかいいぞ……!!
そのまま夢中になって麺を食べ進めていたのですが、半分くらい食べたところでスープを一口飲むと衝撃が走りました。あれっ……スープの味が完全に変わってる……!!
焼きそばと具材の味が薄味だったスープに少しずつ溶け込み、ソースの香ばしさと素材の旨味が凝縮された絶品スープへと変化を遂げていたのです。
焼きそばの味がスープに移ることで味が薄くなってしまうのかというと、そんなことは一切なく、その分スープの味が濃くなっているので変わらず美味しく食べられます。スープ入り焼きそばがいつの間にかソースラーメンへと変化したような感覚とでも言うのでしょうか。これはウマい……!!
さらに食べる勢いは加速して一気に完食。スープもほとんど飲み干してしまいました。
那須塩原でスープ入り焼きそばが誕生した経緯は諸説あり、どのようにして誕生したのかはハッキリしていないそうですが、半世紀に渡って愛され続けていることは事実であり、非常に納得の味となっていました。那須塩原に訪問する人はぜひ本場の味を、栃木まではなかなか足を運べないという方はぜひ赤羽の凛凛で食べてみてください。
他にも全国各地にまだまだ存在する知られざるB級グルメ。今後も珍しいものを食べる機会があれば紹介していきたいと思います。
店名:凛凛
住所:東京都北区志茂1-10-1 (2018年3月に移転)
営業時間:11時半~14時、17時~20時
定休日:水曜日
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(執筆者: ノジーマ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか