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21日、沖縄県内の劇場ミハマ7プレックス(中頭郡北谷町)にて映画『洗骨』(2018年公開予定)の舞台挨拶が開催され、照屋年之(ゴリ)監督、出演の奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、鈴木Q太郎が登壇した。
国際的な短編映画祭で高い評価を受けた照屋監督の短編映画『born、bone、墓音。』を原案に、監督自ら脚本を執筆して長編映画化した本作。“洗骨”とは、一度土葬あるいは風葬などを行った後に、死者の骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制のこと。照屋監督は、沖縄の離島に今なお残るこの儀式を通して、バラバラだった家族がひとつになってゆく姿、親から子へ生命がバトンタッチされて繋がれていく様をコミカルに描きたかったという。
4月19日から開催中のモスクワ国際映画祭に公式招待されている本作。「(沖縄国際映画祭が終了したら)那覇から関西国際空港に行って、関空からフィンランドのヘルシンキに行って、そこからモスクワに入るという地獄のようなスケジュールです。もしエコノミークラス症候群になって新聞に載ったら、“あ、やっぱりな”と思ってください」と照屋監督が話すと、水崎は「そしたら洗骨しますね」とすかさず返して会場を笑わせていた。
今作で妊婦役を演じた水崎は、沖縄での1か月にわたる撮影期間中、役作りでお腹にシリコンを装着したまま生活していたと語り、「食堂とかで“もうすぐ生まれるね”って声をかけられて、引くに引けずに(妊婦だと)嘘をつき続けていました」と告白。
照屋監督は、「ホテルの近くで奥田さんと腹がこんなにデカい水崎さんが二人で食事してて、奥田さんが彼女をはらませてしまって、沖縄でコソコソやってるようにしか見えないんですよ。文春が見たらヤバいぞって光景でした」とエピソードを明かした。
自身が監督を務めた映画『長い散歩』で2006年のモントリオール世界映画祭のグランプリを受賞している奥田は、「(海外の映画祭は)世界観が違いますからね。すごいぞ、特に監督への尊敬のまなざしが。役者は本当にゴミみたい(な扱い)。主演俳優として参加したこともあるけど、監督ばかりが注目されて、俳優はどいてどいてって感じ。監督としても行ったことがあるから、その差が分かる」と経験を語り、「類まれな才能があると思ったから作品に参加させていただいた。(モスクワ国際映画祭に参加することで)また新たな扉が開くと思います」と照屋監督にエールを送った。
沖縄県内では4月19日から『島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭』が開催中。最終日となる22日には、那覇市のメインストリートである国際通りでレッドカーペットが予定されている。
『島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭』公式サイト:
http://oimf.jp/