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花粉症の季節ですね! この時期は鼻水が止まらなくなり、マスクとティッシュが手放せないという方も多いのではないでしょうか。そんな時期、編集部に届いたニュースレターに気になる内容が。花粉症で鼻づまりの状態だと味覚が分からなくなり、“パクチー”と“水菜”の区別がつかなくなるのだとか。
ニュースレターによると、“鼻づまり”の状態は“鼻水がつまっている”のではなく、鼻の粘膜に生じた炎症で血管が拡張し、鼻の粘膜が膨張することで“鼻腔が塞がれる”状態のこと。鼻づまり状態では、鼻腔の天井部分にあり、においを検出する“嗅上皮(きゅうじょうひ)”と呼ばれる部分にニオイ物質が届きにくくなり、味が分かりにくくなるそうです。
とはいえ、パクチーと水菜の区別がつかないというのは本当でしょうか? 編集部では「そんなバカな」「結果盛ってるでしょ?」と話題に。アイマスクと鼻栓、比較する食材をそろえた検査キットを持ってきてくれるそうなので、実際に編集部スタッフが参加して検証してみることにしました。
検査キットの食材として“パクチーと水菜”、さらに“くさやとアジの干物”も用意してもらいました。
編集部から筆者、オサダ記者、よしだ記者の3名が被検者に。実は3人とも鼻炎持ちで、ふだんから鼻はつまりがちなのですが、「パクチーは分かるよ」「くさや余裕でしょ」と、当てる気満々です。
しっかり鼻栓をして鼻づまりの状態を再現し、目隠しをして2組の食材の食べ比べに挑戦します。果たしてその結果は……?
まずオサダ記者に、水菜、パクチーの順番で食べてもらいました。「食感で判断すると、後から食べた方がパクチーかな……。香りは全然分からない」とオサダ記者。
続いてよしだ記者が挑戦。「……あれ? 食感が一緒に思えるので全然分からない」と、判断がつかない様子。
筆者も食べてみましたが、パクチーは一瞬、口の中で香りが感じられ「パクチーだ!」と判別できました。でも味はどちらも全然感じられません。鼻づまり状態がこれほど味覚に影響を与えるとは……!
くさやとアジではどうでしょうか。まずオサダ記者にくさや、アジの順番で食べてもらいます。「味は分からない」と困惑するオサダ記者。ちなみに、くさやはニオイが抜けたものではなく、パックを開けると部屋中に強いニオイが充満していたことをお伝えしておきます。
よしだ記者も「塩気がするだけで、味は一緒ですね。味では違いが分からない」と、お手上げのようです。
2人の様子を見て「まさかぁ」と思っていたのですが、筆者もまったく違いが分かりませんでした。あんなにニオイがしていたのに!
最初から疑ってかかった今回の検証でしたが、結果はニュースレターにあるとおり、鼻づまり状態では「パクチーと水菜」「くさやとアジ」の区別はつかない、ということになりました。うーん、悔しい。こんなにニオイの強い食材でも分からないのですから、鼻づまり状態では美味しい料理の味も香りも楽しめなくてもったいないですよね。
東京大学大学院医学系研究科 准教授の近藤健二先生によると、嗅覚が悪化して味が分かりにくくなることを「風味障害」と言うそうで、「鼻閉が原因で起こる風味障害は薬物療法で改善が見込めます。お困りの方は是非お近くの医療機関でご相談ください」と、ニュースレターにコメントを寄せています。鼻づまりが続くようなら、放置しないでお医者さんに診てもらった方がよさそうですね。