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「かっぱえびせん消費量日本一だというので嬉々としてカルビーの偉い人が現地調査に来たら、カモメとウミネコの餌として人気だと分かり落胆して帰っていった」というエピソードのある塩釜においでよ—おいでよ宮城 (@oimyg) 2018年3月9日
「かっぱえびせん消費量日本一だというので嬉々としてカルビーの偉い人が現地調査に来たら、カモメとウミネコの餌として人気だと分かり落胆して帰っていった」というエピソードのある塩釜においでよ
これは4万6000件以上リツイートされるなど話題となったツイートですが、こちらを元に「数字はウソをつかないけど数字の裏にある真実は往々にして見えづらい」、「事実の裏に真実あり」といった切り口の記事を書こうと思い立った筆者。意気揚々と、「塩竈市はかっぱえびせん消費量日本一になったことがある」、「カルビーの偉い人が現地調査に行ったことがある」という2点が事実かどうか確認するためにカルビーの広報に問合せを入れてみました。
すると、「かっぱえびせんの消費量はどこが1番かは弊社では把握しておりません」、「偉い人が現地に訪問したかの事実は把握しておりません」という回答が……。えっ!? 空耳? なんか心が折れた音がしたんですけど。
真実の探求のためにはダブルチェックが欠かせない、ということでツイートをしたご本人と統計データを握っていそうな塩竈市役所に事実確認の問合せをしたのですが、こちらは2日待っても回答なしという結果に。
う~ん、困った。困ったぞ。ん、待てよ。ツイートには“エピソード”と書いてあるぞ。ひょっとして地元でまことしやかに囁かれている“噂話”というヤツなのかな。「かっぱえびせん かもめ えさ」というキーワードで検索してみたら、塩竈市に隣接する松島は日本三景の一つでもある有数の観光地で、現在は禁止されているものの、かつては遊覧船でカモメへのエサやりが人気だった時があったことが判明。
あくまで推測の域を出ないのですが、おそらくこのエピソードに尾ヒレがついた可能性が高そう。
宮城県の塩竈市は昔かっぱえびせんの消費量が日本一だった頃があったらしくてカルビーの偉い人が何故なのか調べに来てカモメの餌って事を知った時に落胆したって親父が言ってた—ふぇ兄さん (@Schnee_phe) 2014年1月5日
宮城県の塩竈市は昔かっぱえびせんの消費量が日本一だった頃があったらしくてカルビーの偉い人が何故なのか調べに来てカモメの餌って事を知った時に落胆したって親父が言ってた
2014年にも同様のツイートが。
遊覧船でのエサやりが禁止された前年の宮城県の統計データ(平成25年観光統計概要)によると、松島の観光客数は年間およそ552万人。低く見積もって観光客の30%程度が遊覧船でのエサやりを楽しんだと仮定しても165万6000人という数字になります。これだけの観光客がエサやりのためだけに一袋ずつかっぱえびせんを購入したら、すごい数字ですよね。繁忙期はあるでしょうが、単純に1年365日で割ると一日当たりおよそ4536袋のかっぱえびせんが売れるという計算に。都内の大手スーパーでもありえない数字じゃないでしょうか。
ということで、観光客に『かっぱえびせん』が飛ぶように売れた時があったのは間違いないようです。そりゃ、話を盛りたくなるわ、と妙に納得してしまいます。
「かっぱえびせん消費量日本一」というツイートは残念ながら事実ではなさそうですが、その裏には「松島は地元が誇る観光地」というあふれんばかりの地元愛が隠されているエピソードと言えそうです。
※画像:『Twitter』より引用
https://twitter.com/oimyg/status/972127249339097090
※ソース:
https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/600135.pdf
http://www.town.matsushima.miyagi.jp/index.cfm/7,14283,22,130,html
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