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ワイルドで美しい人喰い人魚のミュージカル映画という触れ込みで話題となっているポーランド映画、『ゆれる人魚』が2/10より公開。そんな今作で、抜群のインパクトを誇る人魚の“巨大な尾ヒレ”について、監督が語ったコメントが到着しました。
今作を手掛けたのはポーランドの女性監督アグニェシュカ・スモチスンカ。当初は“いわゆる人魚姫的”な下半身をイメージしていたという監督。しかしスタッフの一人から「この作品は”境界線を越えて考えろ”というメッセージを持っているのに、こんな普通の尻尾でいいの?」と言われ、考えを改めたのだそう。
こうしてできあがったのがウツボのような巨大な尾ヒレ。通常の人魚のイメージからはかけ離れています。
「そもそも人魚は半分は人間で半分はモンスターなので、そのコントラストを描くことも重要でした。だからこそ、イノセンスを感じさせるような女性の上半身と見間違えようのないモンスターの下半身を持たせました。撮影に使用した尻尾はすべてシリコンで出来ており、女優の身体に合わせたカスタムメイドです」
しかし、撮影用の尾ヒレを前に、「大きすぎるしぜんぜん色っぽくない」「撮影を延期したほうがいいのでは」と言い出す人まで現れます。それほどのインパクトを持ったこの尾ヒレでしたが、作品が完成すると、この巨大尾ヒレの人魚の物語は各国の映画祭で絶賛の嵐。監督は、「それはおそらく、人々にとってまったく予想外で想像もしない新しいものが、このアイディアにあったからだと思います」と語ります。
主人公は人魚でありながら、そのストーリーは誰しもが経験する“成長の痛み”を思い出させるもの。
「この作品は<大人になる過程>を描いているので、決してきれいな言葉で片付けられない状況を描くことが必要でした。大人になって、初めて粘液や血を目にしたときは醜いと思うかもしれない。しかし、女性は自分の自然的本質として受け入れてほしいと思うのです。たとえ、魚の生臭さが好ましくない匂いだったとしても」
さらに、「本物のテクスチャのような尻尾、歯や爪にもこだわった」という監督。「人魚が食べる心臓には豚の心臓を使用し、手術のシーンでも本物の内臓を使用したので、現場は匂いがひどかったです」と撮影の裏話も。この手術シーンについては、後日ホラー通信で公開する監督のインタビューでも詳しく語られていますので、こちらもどうぞお楽しみに。
『ゆれる人魚』
新宿シネマカリテほか2月10日(土)より全国順次公開
公式サイト:http://www.yureru-ningyo.jp/
配給:コピアポア・フィルム R-15指定
<ストーリー>
はじめての舞台、はじめての恋、はじめて吸うタバコ――
「はじめて」の先にある、私たちの運命
人魚の姉妹が海からあがってくる。辿りついたのは80年代風のワルシャワのナイトクラブ。ふたりはワイルドな美少女。セクシーで生きるのに貪欲だ。一夜にしてスターになるが、ひとりがハンサムなベース・プレイヤーに恋してしまう。たちまちふたりの関係がぎくしゃくしはじめ、やがて限界に達し、残虐でちなまぐさい行為へとふたりを駆り立てる。
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