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いい音聴いてますか? 今回はガジェット通信らしく、フルデジタル・ポータブルスピーカー『OVO』(オヴォ)を紹介したいと思います。『OVO』は主にパソコンやスマートフォン、タブレットでの視聴用として開発された小型スピーカーなのですが、とにかく“全ての音域が格段に聴きやすい”のが特徴です。
見た目は横幅24㎝、約6㎝の幅を持ったごく普通のコンパクトなスピーカー。しかし実際に聴いてみると結構な音圧! それでいて高音、低音、そして人の声などの中音域のそれぞれにおいて「どんな音が鳴っているのか」をストレスなく把握できる解像感がとにかく格別です。
例えるなら、よく合うメガネやコンタクトを付けたときのような気持ちよさ、アナログ放送から地デジに代わった時の快感に匹敵します。カセットテープ世代であればノーマルテープとメタルテープほどの違い、という言い方でもわかっていただけるのでは。PCスピーカーと『OVO』ではその位の違いが感じられました。
映画であれば効果音やBGMのエッジを際立たせつつも、セリフが全く奥に引っ込まないですし、音楽であればボーカルも含めたそれぞれの楽器が、どの位置で何を奏でているかがとにかくクリアです。これは普通のスピーカーよりもステレオの分離性能が高いことも手伝っているようです。
これまでPCで観ていたYouTube配信やNetFlixなどの映像コンテンツ、しまい込んでいたmp3音源が一皮むけて生き返ると言っても過言ではありません。PC向けに作られたメジャーな高級オーディオメーカーのスピーカーなども明瞭に聞こえるものはありますが、『OVO』のバランスの良さは特筆に値します。
ここまでの音質を実現した『OVO』は一体、どの点が優れているのでしょうか。『OVO』を開発した『JDSound』の代表取締役、宮﨑晃一郎さんにお話を伺いました。
ポータブルスピーカー『OVO』を開発したJDSoundは宮城県仙台発の音響メーカー。東日本大震災を契機に2012年に創業した従業員8名(うち7名がエンジニア)という小規模な会社です。
JDSoundを一躍有名にしたのが『GODJ』シリーズでした。世界最小にして世界初のバッテリー駆動による完全自律型のDJシステム『GODJ』は全世界で2万台を売り上げ、続くA4サイズDJシステムである『GODJ Plus』は、クラウドファンディング『makuake』で目標金額である2,000万円を大きく上回る5,300万円を調達し、歴代1位を記録しました。
ほかにも『JDSound』が受諾で製造しているギター用デジタルエフェクターは、L’Arc~en~CielやX Japan、スピッツ、Tube、B’zといった名だたるアーティストが使用しているほど。
JDSoundはまさしく半導体のプロであり回路技術のエリート集団というわけなのです。
そんなJDSoundが手掛ける今回の『OVO』は、『GODJ Plus』で好評だったスピーカー部分を独立させたプロダクトなのです。
『OVO』には電源ボタンはありません。ついているのはUSBのコネクタのみ。ACアダプタも充電の必要もありません。電源供給も信号の伝達もUSBケーブル1本のみです。Windows10やiOSであれば、挿すだけでそのまま動きます(USB-DACに対応していればOK)。
宮﨑さんによれば、『OVO』はデジタル回路からアナログへの変換を行っていないのがポイントの一つとのこと。
通常、PCからスピーカーに音を出す場合「デジタル信号→アナログ信号→増幅→スピーカー出力」という流れを経ます。『OVO』では「デジタル信号→増幅→スピーカー出力」とアナログ変換が行われず、内部的にはフルデジタルロジックを実現しています。
フルデジタル化のために採用されたのがトライジェンス社の『Dnote』というチップ。このチップ自体はチューニングのための技術力が必要で、価格も通常の部品より割高という特徴があるため、導入のハードルが高いパーツなのです。『Dnote』はこれまでヘッドフォンやカーステレオで使われてきましたが、ポータブルスピーカーで使われるのは『OVO』が初。導入難度をクリアしたことにより、『OVO』には多くのメリットが生まれました。
まず、フルデジタルにすることで電力効率が通常の3倍まで高まります。つまり電力自体は通常の1/3で済むため、USBのバスパワー5V500mAだけでも十分な音量を稼ぐことが出来るというわけなのです。
事実『OVO』の開発機につないだPCのボリュームは15~30%程度で十分でした。試しに100%出力を行うと、ウーファーの振動で筐体が跳ねるほどです(もちろん、筐体を固定する仕組みも用意されています)。ただ大きい音を出すだけならどんなスピーカーもできますが、『OVO』はそれだけの音量でも音割れは起きず、クリアな音質のままでした。
また、接続にはBluetoothを採用していません。USBの有線接続のみと割り切ることにより、圧縮によるリサンプリングも、500m秒の遅延も生じません。96Hz24bitまで“ネイティブなハイレゾ対応”をしています。
『OVO』には別の工夫もあります。アシスト回路である『スーパーキャパシター』は、普段、音が小さいときには電力を貯めておくという機能があります。電力をバッファさせておくことにより、音が大きくなる瞬間の“立ち上がり”を良くすることで、音のエッジが際立つのです。省電力のスピーカーでも、アタックの強さを兼ね備え、明瞭感の高さを維持できるようになっています。
今回視聴に使ったのは映画『君の名は。』の予告編。力強いBGMながらも、登場人物の小さなささやき、ほんのわずかな息遣いが聞こえてくるような繊細さは失われません。
もう一つ視聴に使ったのは『川の流れのように』。『OVO』で再生してみると、倍音成分を含んでいると言われる美空ひばりさんのボーカルが安定感のある音像定位とともにしっかりと描かれ、文字通り、本当に鳥肌が立つ仕上がりでした。音源自体はハイレゾではなくmp3圧縮されたものを今回使用しましたが、『OVO』を使用することで十分な迫力が得られています。
もともとDJ用なので150Hz周辺の低音に特徴はありますが、周波数特性自体はフラットになるようチューニングされているため様々なシーンに対応できそうです。映画・動画コンテンツ鑑賞、音楽鑑賞はもちろんのことドラマやお笑い、バラエティ、Youtuberの実況番組の鑑賞では抜群の没入感を得ることが可能です。本当に。
小型でありつつもクリアな大音量を稼げるので、屋外での駆動力もかなりのもの。舞台をやる人の稽古場やビジネスマンのプレゼンで活躍できるのではないでしょうか。
『OVO』は現在、『GREEN FUNDING』にて資金募集を開始しています。数量限定の特別プランは42%OFFの9800円となっています(記事執筆時点で200個ほど残りがありました)。
■USBにつなぐだけ! 映画館の感動を完全再現するポータブルスピーカー誕生 Made in TOHOKU『OVO』 | GREEN FUNDING by T-SITEhttps://greenfunding.jp/lab/projects/2095/
製品版ではファームウェアによるアップデートにも対応。また、フルデジタル回路とは別にアナログ入力を設け、デジタルアウトを持たないものへの対応なども今後の構想にあるそうです(※取材時点では未対応)。
2017年末に行われたポータブルオーディオの祭典『ポタフェス』でもオーディオファンをうならせた『OVO』、随所に技術力を駆使したこだわりのポータブルスピーカーの威力を多くの人に味わっていただきたいです。
『OVO』製品仕様
本体サイズ: 幅241mm x 高さ37mm x 奥行き58mm(試作時)
本体重量: 474g(試作時)
カラー: シルバー/ブラック
原産国: 日本(宮城県石巻市ヤグチ電子工業)
保証期間: 1年リターンラインナップ
・【限定500個】Super Early Bird OVO(42%OFF)
9,800円・【限定3000個】Early Bird OVO(36%OFF)
10,800円・【限定3000個】Value Plus OVO(30%OFF)
11,800円・GREEN限定 OVO(24%OFF)
12,800円・【限定200セット】Early Bird OVO 2個セット(36%OFF)
21,600円・OVO 2個セット(32%OFF)
23,000円・【限定100セット】Early Bird OVO 5個セット(40%OFF)
50,000円・OVO 5個セット(35%OFF)
55,000円