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新年、明けましておめでとうございます! 今年は12年に一度の戌年! 次に戌年がやって来るのは2030年!
ということで、今回はイヌにまつわるトリビアを紹介します。解説いただいたのは、『しくじり動物大集合』『もっとしくじり動物大集合』(永岡書店)などの著書をもつ、動物行動学者の新宅広二先生。親戚の子どもたちが集まる新年会、なかなか会話が続かない営業先への新年の挨拶などで活用してみてくださいね。
海外でも人気が高く、古来より日本人とともに生活してきた犬種といえば“柴犬”。愛敬ある顔立ちながら古くは狩猟犬として活躍し、「判断力が優れているため、駆け引きを要するヤマドリ、キジ、ウサギの猟で実力を発揮」してきました。キツネ色の毛は「藪や枯草に溶け込むため」だそう。
飼い主への忠誠心の強く勇敢なため番犬にも最適。しかしその凛々しい姿とは裏腹に、どうしても目がいってしまうのは、丸見えになったお尻の穴。どうして柴犬は露骨に肛門がむき出しなの……?
これは「家畜化の過程で筋肉が退化」してしまったのが原因で、本来は「オオカミ由来のピンと伸びた尾」だったそうです。クルっとした巻き尾もチャーミングだけどね!
イヌの起源であるオオカミ(「オオカミがチワワになるまで2万年」!)についてもトリビアをひとつ。大きな獲物にも統制のとれたフォーメーションで立ち向かう見事なチームワークが特徴の動物です。
そんなオオカミは子育てにおいてもチームワーク(?)を発揮。子オオカミたちが離乳し、肉を食べ始める頃は、「まだ獲物の動物の皮を裂いたり、口に入るように小さく噛み切ることができません」。そこで親オオカミは自分がお腹いっぱいでも可能な限り獲物を平らげ、「胃で溶け始めて柔らかくなった肉を吐き戻して子どもたちに与える」そうです。
つまり、オオカミの離乳食は親のゲロってことですね。ちなみに、イヌが甘えて飼い主(人間)の口の周りをなめるのは、その名残なのだとか。
動物行動学者、監修業。
大学院修了後、多摩動物公園、上野動物園勤務経験のほか、大学・専門学校で20年以上教鞭をとる。哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫など400種類以上の野生動物の飼育技術や生態を修得。狩猟免許も持ち国内外でのフィールドワークもこなす。監修業では英国BBC作品ほかネイチャードキュメンタリーの監修や日本語制作を数多く手がけている。
最新の著書『もっとしくじり動物大集合』(永岡書店)が2017年12月10日に発売。動物の欠点をイラストで説明した読み物。柴犬やオオカミも含む人気の動物150種以上を解説している。