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阿波踊りに大歩危、小歩危、鳴門の渦潮、吉野川……数多くの名物と長い歴史を持ちながら、『都道府県の魅力度ランキング2017』(ブランド総合研究所調べ)ではワースト2、2016年度『都道府県別延べ宿泊者数』(観光庁調べ)ではなんと最下位を記録してしまった徳島県。
「そんなこと言ったって何か面白いものの一つや二つあるはず!」
と中将タカノリが取材ツアーを決行した。
(1日目のレポート記事はこちら http://getnews.jp/archives/1969389)
1日目の終わりにけっこう大酒を飲んだわりにはスッキリ目覚めた僕は宍喰漁協市場へ。
宍喰漁港は一目で見渡せるくらいの小さなひなびた漁港だが、イワシ、太刀魚、伊勢海老、イカなどさまざまな海の幸が揚げられる。
僕が着いたのは朝8時頃だが、すでに多くの飲食業者、流通業者が競りに訪れていた。
もちろんだがどれもすべて新鮮で、特にイカは透き通るような美しさ。
昨日いただいた海鮮類があれほど美味しかったのは、こんなに豊かな海が間近にあるからなの改めて理解した。
宍喰漁協市場
※『ホテルリビエラししくい』に宿泊の方のみ競りに参加できます。
詳細はホテルにお問合せください。【所在地】
徳島県海部郡海陽町宍喰浦正梶
【電話番号】
0884-76-3101
【ホームページ】
https://www.facebook.com/pg/shishikuigyokyo
ホテルをチェックアウトして次に向かったのは同じ海陽町宍喰の『in Between Blues』。
かつて全日本学生サーフィン選手権で4連覇を達成したという永原レキさんが今年オープンしたばかりの藍染め工房兼カフェだ。
藍はかつて徳島県の主要産業だったが化学染料におされ衰退。しかし近年になってその安全性やリサイクル性、独特の色味が再評価され注目を集めているらしい。
こちらでは藍の種を炒って煮出したお茶に地元産の藻塩を使った藍色のマカロン、スコーンをいただいた。
藍のお茶はその昔、藍栽培農家が愛飲したもので解毒や解熱作用があり滋養強壮にも良いらしい。味わいも素朴でくせがなく飲みやすい。
同様に自然な優しいテイストのマカロンやスコーンと一緒にいただいていると、体の中がきれいになっていくような感覚に包まれた。
in Between Bluesでカフェのみではなく、こだわりの藍にちなんだ雑貨コーナーや藍染め体験コーナーも楽しめる。
特に藍染め体験コーナーは、自分で染めた手ぬぐいなどを記念に持ち帰ることができて人気らしい。
藍だけに、カップルや夫婦の愛を深めるはうってつけではないだろうか。
in Between Blues
【所在地】
徳島県海部郡海陽町宍喰浦松原216-3
【電話番号】
0884-70-1448
【営業時間】
月~木11:00~17:00
金~日9:00~17:00
【定休日】
火曜
【ホームページ】
http://inbetweenblues.jp/
徳島市内に戻る道中、お昼ご飯は『odori』にて。
odoriは美波町の国道55号沿いに所在し、すぐ近くには牟岐線の山河内駅というこじんまりした駅がある。
こちらでいただいたのは『ウミガメバーガー』。
ウミガメバーガーには全国的に注目される地鶏・阿波尾鶏(あわおどり)で作ったハンバーグとトマトなどを挟んだジューシーな『赤カメ』、チキンカツとズッキーニなどを挟んだパワフルな『青カメ』、テリヤキ風ハンバーグと一般流通していない貴重な阿波尾鶏たまごの目玉焼きなどを挟んだ『黒カメ』の三種類がある。
どれも美味しいが僕のおススメは黒カメ。
あふれる肉汁がてりやきのタレと混ざって素晴らしく濃厚な味わい。レアな阿波尾鶏たまごもうまみが深く白身はプリプリしてあとあとまで楽しい感覚を残してくれる。野菜も鮮やかで重厚だ。
これまでさまざまなご当地バーガーを食べてきたが、総合的にここまで高いレベルのものは珍しい。ハンバーガー好きにはぜひ一度味わっていただきたい逸品だ。
またこちらは飲食のみならず売店としての機能も充実しており『阿波尾鶏削り節』や『アオリイカの沖漬け』など珍しく土地の魅力が詰まったアイテムをゲットできる。
敷地内にはマスコットボーイのポニー君もいるので一人者から友達連れ、カップル、ファミリーまで幅広い楽しみ方ができるスポットだ。
odori【所在地】
徳島県海部郡美波町山河内なか2-1
【電話番号】
0884-70-1217
【営業時間】
月~木11:00~17:00
金~日11:00~20:00
【定休日】
木曜
【ホームページ】
https://odori.kitchen/
さらに徳島市内に戻る道すがら、せっかく四国に来たのでお遍路さんの気持ちを味わいに四国八十八箇所の21番『太龍寺』へ。
大龍寺は空海がひらいたことから”西の高野”と称される深い歴史のある寺院だ。
歩いて登ったら丸一日かかるが、ふもとの那賀町からロープウェイだと約10分。
ちょっとした観光気分で参拝することができる。
厳かなスポットなのだが、僕はこちらでも名物グルメを発見した。
それは『太龍寺きのこ茶』。
松茸、椎茸、まいたけの3種類のきのこがブレンドされたお茶で非常にうまみが濃厚で、うっすらと塩味がついているのスープがわりにもなる。
山道の参拝で疲れたお遍路さんの喉をうるおすためにロープウェイの待合所で配られているのだが、あまりの美味しさに買い求める人が多いようだ。
かく言う僕も一箱買って、自宅に帰ってから毎日いただいている。
太龍寺【所在地】
徳島県阿南市加茂町竜山
※ロープウェイ乗り場所在地は
徳島県那賀郡那賀町和食郷字田野76
【電話番号】
0884-62-2021(太龍寺寺務所)
0884-62-3100(太龍寺ロープウェイ)
【営業時間】
3月~11月7:20~17:00(上り最終)
12月~2月8:00~17:00(上り最終)
【定休日】
木曜
【ホームページ】
(太龍寺ロープウェイ)
日の暮れかかった頃になってようやく徳島市内に戻ってきたがこれで徳島グルメツアーもいよいよ終盤。
最後のグルメスポットとして訪ねたのが近年、徳島のラーメン好きに大ヒットするばかりか、ラーメン嫌いだった層までを取り込み話題沸騰の『堂の浦』駅前店だ。
こちらの名物は『鯛の塩らーめん』と『雲丹潰しらーめん』。
いわゆる徳島ラーメンとは異なる海鮮ベースの塩ラーメンで、それぞれタイトルとなる魚介の持ち味を純粋に引き出したラーメン。
しっかり小麦の味がする細麺をすすり、後からスープを流し込めば鳴門の海が脳裏に浮かぶ。徳島県産の良質な素材にこだわっているらしく、あっさりしているが味は深く、雑味がない。僕の印象はラーメンというより本格スープ料理……なるほど、これはラーメン嫌いにもウケるはずだ。
シメに替飯を投入すれば鯛茶漬け風に、雲丹潰しらーめんはリゾット風に仕上がる。
お酒を飲んだあとのシメのような次元ではなく、これだけでコース料理として完結するクオリティだと言えるだろう。
堂の裏では時期によって蛤、あさり、阿波尾鶏などさまざまなラーメンが登場する。どんな旬の味覚に出会えるか、徳島を訪れる際にはぜひ立ち寄りたいお店だ。
堂の浦 駅前店【所在地】
徳島県徳島市寺島本町西1丁目45-1
【電話番号】
088-652-5112
【営業時間】
12:00頃~14:00頃
18:00頃~23:00頃
【定休日】
年末年始
【ホームページ】
https://twitter.com/dounoula
一泊2日で駆け抜けた徳島グルメ取材ツアー。
至るところで徳島の魅力的な物産、風景、人に出会うことができた。
たしかに徳島は一目で脳裏に焼き付くようなどきつい個性や主張はないかもしれない。しかし、素朴で実直な“日本のふるさと”的な魅力は他のどんな都道府県にも負けないものがあると実感した。
そもそも、土地の良さはランキングなどではかれるものではない。軽薄な観光競争にまどわされることなく、より良い、徳島らしい徳島県であり続けてほしいと願うばかりだ。
ありがとう、また会いましょう徳島県。
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(執筆者: 中将タカノリ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか