- 週間ランキング
第1回目のセミナーのテーマは『ジャック ダニエル』。こだわりの製法やお酒に合わせるおつまみの意外なペアリングを教えていただきました。
関連記事:
甘いお菓子やシロップも? 『ジャック ダニエル ゴールド』と合う意外な“おつまみ”とは 『Asahi Brown Spirits Seminar2017』第1回レポート
http://getnews.jp/archives/1708129[リンク]
5月18日に行われた第2回目の『Asahi Brown Spirits Seminar2017』はスーパープレミアムバーボン『ウッドフォードリザーブ』がテーマ。
今回もブラウン・フォーマン ビバレッジス ジャパン ブランドマネージャーの奥村龍太郎さんが登壇してプレゼンテーションを実施。それでは『ウッドフォードリザーブ』の世界をのぞいてみましょう!
今回はプレミアムバーボンのお話。
ケンタッキー州で作られている『ウッドフォードリザーブ』。こちらはアメリカン・バーボンウイスキーになります。バーボンウイスキーとは、アメリカンウイスキーの中でもバーボン法という法律をクリアしたもの。
原材料は、スコッチウイスキーは大麦麦芽を主体として作られたりするのですが、バーボンウイスキーはトウモロコシを51%以上使わなければいけない法律があり、それにのっとって51%以上使われているそう。
各社だいたい70%以上、トウモロコシ、大麦麦芽、ライ麦、の3種類の穀物を使って発酵させて蒸留させてつくられるのがバーボンウイスキーだそうです。
アルコール度数は80%以下で蒸留。そこから加水をして、新樽に入れて熟成させます。新樽というのはまったくまっさらな作りたての樽。最低2年以上の熟成をして、アメリカ国内で製造されます。
スモールバッチバーボンやクラフトバーボンなど金額が高く品質にもこだわりがあるものが『プレミアム・バーボンウイスキー』と呼ばれています。さらに市場価格が約35ドル以上のものが『スーパープレミアムなバーボン』と位置づけられています。
『ウッドフォードリザーブ』蒸留所は、アメリカ、ケンタッキー州にあり、土壌、環境がよく、近隣では競走馬のサラブレッドがたくさん育てられるような場所。
『ウッドフォードリザーブ』は、ケンタッキーダービーのオフィシャルバーボンとしても知られています。1999年から毎年5月にケンタッキーダービーが行われており、ケンタッキーダービーボトルという特別限定ボトルが登場します。
毎年デザインも変わります。残念ながら日本では販売されていないようなのですが、コレクターアイテムとして人気。競馬の柄が素敵。
『ウッドフォードリザーブ』は嫌味やえぐみのない、カクテルとして飲んでもスッと入ってくる……そんなウイスキー。秘訣は5つのユニークな製造工程。
1.Grain グレーン
『ウッドフォードリザーブ』の場合、ライ麦を多めに使用した『マッシュビル(穀物の混合比率)』で力強いスパイシーさを実現。コーン72%、ライ麦18%、モルト10%。
2.Water Source 水源
水は蒸留所のとなりにある地下水を使用。天然の石灰石でろ過された水なので、ミネラルやカルシウムが豊富。
3.Fermentation 発酵
よりフルーティーなキャラクターを作り出したいこともあり、複雑味な味わいを作るために、ステンレスの発酵槽ではなく木の発酵槽を使っています。発酵日数も、通常は4日程度の発酵のところ6日間と時間をかけて仕上げます。
4.Distillation 蒸留
バーボンとしては、ポットスチルを使用する希少な蒸留所。ポットスチルで3回蒸留。
5.Maturation Process 熟成
“トースト”は樽にじっくり熱を通す工程、“チャー”は樽の内側を燃やして焼く工程のこと。『ウッドフォードリザーブ』では樽を約10分ほどトーストした後、45秒のチャーが施されます。『ジャック ダニエル』と比べると、ミディアムな感じで焼かれるのが特徴。寒暖差をコントロールしながら熟成をすすめます。
『ウッドフォードリザーブ』について、一通り学んだところでお待ちかねテイスティングです!
セミナー会場でふるまわれた『Woodford Reserve Distillers Select』と『Woodford Reserve Double Oaked』の2種類を今回飲み比べてみました。
『Woodford Reserve Distillers Select』
石灰岩のブロックで建てられた独特の貯蔵庫を使用し、オーセンティックでゆっくりとした均一の熟成を重ねることで生まれる、並外れてなめらかな味わいが特徴。
『Woodford Reserve Double Oaked』
熟成を終えた『ウッドフォードリザーブ』をオリジナルのホワイトオーク樽でもう一度熟成させた『ウッドフォードリザーブ ダブルオークド』は、濃い琥珀色にキャラメルやダークフルーツの豊かな香り、まろやかな口当たりとバニラやヘーゼルナッツの極めて深みのある味わいを併せ持っています。
さて、両方飲んでみます。
グラスを回して香りを嗅いでみた後、少量を口に含んで……。
「あ、おいしい」
しっかりとした力強い味わいながらも飲みやすく、香り豊かな印象です。
スーパープレミアムなバーボン。飲み方としてのおすすめは、やっぱり“オン・ザ・ロック”。
お酒をグラスへ注いで……ゴクリ。
「これだ~」「うまい」。美味しさのあまり思わず笑みがこぼれます。美味しいお酒はただだまって「旨い」と飲むのもよし!
さて、そのままでも美味しいスーパープレミアムバーボンですが、おつまみと合わせてさらにおいしさを膨らませてみたいですよね。『ウッドフォードリザーブ』と相性のよいフードペアリングを3パターン教えていただきました。
1.『ウッドフォードリザーブ』× パルミジャーノ・レッジャーノ
塩味がほどよく感じられるパルミジャーノに合うという珍しいウイスキーがこの『ウッドフォードリザーブ』。
ガジェット通信の宮原編集長も飲み食べ止まらずお気に入りの模様。「ベストの組み合わせはコレ!」と太鼓判。
2.『ウッドフォードリザーブ』× 赤身肉
塩コショウでシンプルに味付けして食べる赤身肉はワインだけではなく、バーボンウイスキーとも合うのです。
肉うっま。お肉そのものももちろん美味しいのですが、ジューシーな肉の旨みをさらに引き立てるバーボンウイスキー。飲食店で楽しむ際は、肉×ワインではなく、肉×バーボンの組み合わせ技もぜひ覚えておきましょう。
3.『ウッドフォードリザーブ』× ドライクランベリー
ウイスキーに相性がいいドライフルーツの中でも『ウッドフォードリザーブ』と特に相性がよいのは、しっかりと酸味を持つクランベリー。ほどよい酸味がバーボンの香りをひきたてます。
世界の『BEST BAR50選』での調査結果によると『ウッドフォードリザーブ』は人気のウイスキーカクテル『Old Fashioned(オールドファッションド)』や『Mint Julep(ミントジュレップ)』のベースとしてもよく使われているのだそう。
Mint Julep(ミントジュレップ)
会場で提供されたミントジュレップを飲んでみると、爽やかな風味ですが、しっかりプレミアムバーボンの味わいも堪能できました。
このカクテルへストロー2本なぜあるのか伺ったところ「ミントなどがストローでつまりやすいので予備としてもう1本あります」とのこと。
Green Tea Old Fashioned(抹茶のオールドファッションド)
次に紹介されたカクテルは、珍しい抹茶のオールドファッションド。飲んでみると、抹茶スイーツのよう。筆者は宇治金時のかき氷を思い出しました。
なぜか抹茶のカクテルを飲む時には茶道のお手前のように両手を添えてしまうのが不思議。
スイーツ好きな人はハマってしまうかも? バーへ訪れた際はぜひお店でオーダーしてみて。
『ウッドフォードリザーブ』を含むブラウン・フォーマンのマーケティング担当者として、日々多忙を極める奥村さん。お酒を飲むのもお仕事! お酒と合うおつまみも日々探求しています。
今回、発見した組み合わせは、スーパープレミアムバーボンにカジュアルな『シラスと大葉のピッツァ』を合わせて。
バーボン × 洋の食材ピッツァ × 和の食材シラスと大葉
一見ミスマッチ……? と思われる意外な組み合わせですが、ピッツァのチーズがうま~くつなげてくれています。さらに飲み方をハイボールにすることで、よりピッツァとの相性が良くなります。
これはゴールデンウィーク連休合間の一コマ。心なしかいつもよりリラックスしているようにお見受けされます。奥村さん、おつかれさまです!
プレミアムバーボン『ウッドフォードリザーブ』の世界はいかがでしたか? 6月は父の日もあるのでお酒好きのお父さんへプレゼントして共に晩酌するのもおすすめです。
次回のテーマはコニャックの『カミュ』。6月8日の開催を予定しています。次回の記事もお楽しみに!
http://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/bourbon/woodford/
(撮影:wosa/おさだこうじ)