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2017年4月29日・30日に幕張メッセで開催された『ニコニコ超会議2017』。例年、各政党がブース出展していますが、今回は自由民主党・民進党・公明党の3党が参戦。自民党が党本部食堂の料理長によるカレー、民進党が吉祥寺のつけ麺店『えん寺』のラーメン、公明党がコーヒーとお菓子を振る舞い、三者三様のブースを展開していました。
前回は参議院選挙に向けた『オープンエントリー』候補者の投票を行うなど、比較的に真面目な内容だという印象だった自民党ですが、2017年は恒例となっている体験街頭演説会のほか、自民党本部を体験できる360°VR、参加者の公約を壁に貼れるコーナーなどがラインナップ。
今回の目玉なのが、自民党食堂の総料理長・相澤利之氏が来場し、歴代総理大臣も舌鼓を打ったというカレーライスを振る舞ったことでしょう。広報担当者によると、「各日3000人の方に食べてもらいました。自民党本部でないと食べれないものを、一般の方にも食べて頂こうと出しました」といい、14時~15時にはなくなる好評ぶりでした。
参加者の公約の中には、「教育無償化」や「LGBT」といった内容のものも。「生放送も約20000人に見てもらって、自民党が応援されていることを感じました」(広報担当者)がいうように、安倍晋三内閣の支持率の高さを背景に『ニコ超』の参加者にも好意的に受け入れられたようでした。
一方で、『超会議』開催前から話題をさらっていた民進党の『VR蓮舫』。事前には賛否両論ありましたが、フタを開けてみれば両日120分待ちという盛況に。
筆者も『VR蓮舫』を体験。蓮舫代表が語気鋭く「ニコニコの理念にあなたは賛同しているのですか!!」などと参加者に迫るもので、周囲を取り囲む議員が「そうだ」「どうなんだ」と大声でヤジるという内容で、その追求に耐えられるか脳波を測定します。
ちなみに筆者は「A」判定。蓮舫代表の追求に耐えられたようです。首相経験者の野田佳彦幹事長も「A」だったそうで、やはり国会議員になるにはそれ相応のメンタルが必要ということでしょうか。
民進党青年局長の大西健介衆議院議員によると、『VR蓮舫』を作るにあたり「できるだけ国会審議の雰囲気を入れるようにしつつ、『ニコ超』の皆さんと無縁のものにならないように気をつけました」とのこと。「“怖かった”や“迫力がある”という声や、“議員さんがこんなヤジの中で答弁するのは大変ですね”と話してくれる人もいました」と反応も上々だったようです。
「本格的なものを出すこと」にこだわったという『えん寺』の海老味噌ラーメン。「海老は演技が良い」(大西議員)ということでコラボが実現したといいます。
生放送では、アイドルグループ・さくらシンデレラと枝野幸男衆議院議員のステージや、野田幹事長とプロレスラーの藤波辰爾氏らが出演するステージを配信。
大西議員は「どうしてもふざけていると言われることが多いですが、『ニコ超』はサブカルチャーのイベントなので、真剣にふざけようと思って、ある程度の批判は覚悟の上でやりました」と話し、「ネガティブなことを書かれるから避けるのではなく、ネットだけでなく既存メディアからも批判はされるので。何も言わないで黙っているのは無と一緒なので、批判を恐れずネットと向き合っていく必要があると思っています」と、何かと民進党に厳しいネットユーザーとの交流を図る必要性を強調しました。
例年よりも広くとった公明党ブース。前回は議員による生放送を主体とした内容でしたが、今回は街宣車を配置したほか、ダーツやアーチェリーといったアトラクション、コーヒーとマドレーヌ、クッキーを振る舞っていました。広報担当者は「カレーとラーメンに挟まれて、うちではウエットティッシュと甘いものとコーヒーを配っていたので、ちょうどよかったなと思っています」と、休憩所として機能していたと話します。
青年部のキャラクター・コメ助はきぐるみも投入。広報担当者は「前回、政治のブースなので大人ばかりかと思っていたのですが、お子さん連れもたくさんいるので、遊んだり休んだりできるブースにしました」と意図を説明しつつ、「『超会議』に参加することで、 20~30代の職員が人に接する機会があって楽しくやれるのが、このイベントに参加する目的の一つ」とスタッフが『超会議』というイベントへの参加をモチベーションにしていると語りました。
総じてどの党も『超会議』慣れをして参加者の雰囲気を掴むようになってきた印象。今後も趣向を凝らした内容のブース作りで切磋琢磨して欲しいところです。
『ニコニコ超会議2017』公式サイト
http://www.chokaigi.jp/ [リンク]