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『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』『ゼロ・グラビティ』など数々の名作を送り出しているアルフォンソ・キュアロン。彼が息子のホナス・キュアロンの脚本を見て瞠目し、「とても面白いコンセプトだ。私もこんな映画を作りたい」として送り出されたのが『ゼロ・グラビティ』だということは映画ファンにはよく知られたところ。そんなホナス・キュアロンの初監督作品『ノー・エスケープ 自由への国境』が2017年5月5日に全国公開となります。
『ガジェット通信』では、アルフォンソ&ホナス父子のインタビューを先行入手。メキシコ=アメリカ間の移民問題にいち早く目をつけ、構想8年をかけて完成したという本作の制作のプロセスや見どころをいち早くお伝えします。
【先行公開】『ノー・エスケープ』ホナス・キュアロン監督インタビュー –YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mASlVQUz6vI [リンク]
【先行公開】『ノー・エスケープ』アルフォンソ・キュアロン インタビュー –YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pWCIaWvTzF4 [リンク]
「砂漠を宇宙に置き換えて撮られたのが『ゼロ・グラビティ』。その撮影の合間にロケ地を探した」というホナス。監督だけでなく、脚本、編集、プロデューサーまで務めたことについては「脚本家として何度も書き直し、現場でも変える。物語を書き換える最後のチャンスの編集も自分にとっては大事。プロデューサーは務めたくなかったが、初監督作品だから他の人には任せられなかった」と語ります。
その上で、「ラパスカスの砂漠での撮影では蛇がいるし、熱も埃もすごい。あのロケ地が一番大変だった」と告白。制作プロデューサーを務めた父のアルフォンソは、そんな息子の監督ぶりに「ホナスが僕が好きな監督達の撮り方に影響を受けているのを観るのは嬉しかった」とメキシコ映画の巨匠ギレルモ・デル・トロやアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの名を出しながら語り、ホナスにはあまり力み過ぎないようにと言ったんだ」と言うものの、「僕たちの関係は対等な二人のコラボレーションだった」と強調しました。
主演を務めるガエル・ガルシア・ベルナル。「映画に携わって以来、ずっと彼と仕事がしたかった」というホナスは語り、『天国の口、終りの楽園。』でガエルを主演に起用しているアルフォンソも「ホナスが脚本を書き始めた頃からあったアイディア。ガエルとホナスは同じ世代で良い友だち。一緒に仕事をして素晴らしいコラボレーションだと思った」と話しています。
正体不明の襲撃者・サムを演じることになったジェフリー・ディーン・モーガン。「サムは人間らしい悪役にしたかった。ジェフリーは大男で強く威圧的に見えるが感情豊かだ」と話し、アルフォンソも「彼は人間としても役者としても魅力的。カリズマティックでセクシーだがそれ以上に役者として素晴らしい」と絶賛しています。
また、作中に犬が登場することについては、ホナスが「父と叔父に撮影が悪夢だからなくした方がいいと言われたが、最終的に聞き入れなかった。犬は最も大事なキャラクターのひとつだからだ」というエピソードを披露。さまざまな犬を探し、メキシコで警備の訓練を受けた犬たちを見て、脚本を書き直し、「期待よりもっと多くのことをしてもらえると思った」と語っています。
アルフォンソが「素晴らしいアトラクションなんだ。映画が終わるまで見入ってしまうことを保証するよ」と太鼓判を押す息子・ホナスの初監督作。アメリカでドナルド・トランプ政権が誕生したタイミングでの日本公開ということもあり、逃げ場のない砂漠という空間で繰り広げられる衝撃の連続は、今も現実に起きている出来事かもしれず、そういった意味からも注目作です。
映画『ノー・エスケープ 自由への国境』
5月5日(金・祝) TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
映画『ノー・エスケープ 自由への国境』公式サイト
http://desierto.asmik-ace.co.jp/ [リンク]
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