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友達と心ゆくまでボードゲームを楽しみたい、ということで週末とか友人宅に集まってる人たちも多いだろう。
それをさらにグレードアップしたのが「ボドゲ合宿」こと「ボードゲーム合宿」だ。
温泉旅館などに集まり、広い部屋を借りて好きなだけボードゲームで遊んで、温泉に入って、美味しい料理を愉しむ。
なんとも至福の時間だ。
そんな時間をサポートしてくれる旅館はないのかなと調べていて目にとまったのがこの宿。なんと、ボードゲームを貸し出してくれるらしい。
早速どんな宿なのか、実際に行って、お話をきいてきました。
――本日はよろしくお願いいたします。今回は、ボードゲームを貸し出してくれる、という点に注目してお邪魔したわけなんですが
そうなんですよね、ありがとうございます。うちのこのボードゲームは、お客様の要望に応えていくうちに、種類が少しずつ増えていってるんですね。
――ボードゲームのラインナップを見ると、定番のものから、マニアックなものまでありますね
うちはご覧のとおり、ゲームコーナーがないんですよ。その代わりといってはなんですが、ファミリーで来たお客様には、こういった、アナログなボードゲームをお貸しして、お部屋で楽しんでもらってます。
――よくあるゲームコーナーのアーケードゲームは時間が経つと古く感じたりしますが、ボードゲームはそんな感じは受けませんね
そうなんですよ。最近のお客様はスマホでゲームされてるので、そういう意味で電子ゲームは事足りているようで。ボードゲームに関してはファミリー層だけではなく、開発合宿にいらっしゃっている開発者の皆さんにも、「息抜きや気分転換になる」ということで好評なんです。
――確かに、15分で遊べるようなボードゲームもありますよね。おんやど惠さんは、開発合宿にも力を入れていることで有名ですよね
ここ2年ほど開発合宿での利用が増えてきています。ひとつは、開発合宿向けの特別プランがあるってことが大きいと思います。1名1泊2食付きで平日10000円~のプランがありまして。
http://www.onyadomegumi.co.jp/plan3_lp/gasshuku.html
――湯河原温泉でそれは安いですね
会議室が23時間2万円で使えるんですが、それとセットのプランです。
時々、1万円だから安いということで男性客3名等でお申込みがあるんですが、会議室と必ずセットということでご説明しています。開発合宿のような形で使っていただきたいということで作った特別なプランですので。
――これは、開発じゃないとダメなんですか? 徹夜でボードゲーム合宿するとか。徹夜でプラモ作るとか
そういう使い方も可能です。必ず会議室の料金もセットになりますので、それを有効活用できるような形であればお得なプランと感じていただけると思います。もちろん、温泉も朝10時まで入れますので、ちょっと温泉に浸かって気分転換、なんてこともできますよ。
――卓球台もあるときいたのですが
卓球台は、会議室に設置してますので、開発合宿があるときは、お休みなんです。
――卓球やりだして夢中になるとまずいですしね(笑)。その他、開発合宿に向いている点などあるでしょうか
気分転換できる「足湯」が人気ですね。この足湯、浸かったままノートパソコンで開発を続ける方もいらっしゃいます。これはおんやど惠ならではの風景ですね。
――寝る方のお部屋というのはどのような形になるんでしょうか
開発合宿の場合は、部屋割りの指定はできないんです。びっちり布団を敷いて寝てもらってます(笑)。そういう部分にはこだわらずに開発に集中したいという場合ですね。また、部屋割りが指定できるオフサイトミーティングプランというものもございます。
――それはどんなものなんでしょうか
オフサイトミーティング用のプランは、1泊2食付きで平日12000円~。こちらは部屋割りを指定でき、お料理内容も異なります。部屋割りは指定して、グループ分けなどをしたい場合はオフサイトミーティングのプランを選択するということになります。
――おんやど惠さんの特徴について教えてください
万葉の時代から愛される歴史ある温泉保養地、湯河原の閑静な温泉街に位置する和風旅館です。館内は、そこはかとなく江戸情緒を感じさせる安らぎの空間となっております。バリアフリーにも様々な配慮をしており、どなたにも安心してご利用いただけます。車いすやオストメイトの方にも対応した共用多機能トイレもご用意しております。
お食事は、四季折々の旬の素材や相模湾の新鮮な海の幸を活かした、味自慢の手作り料理をお楽しみいただきます。
――お食い初めプラン、温泉デビュープランやファミリー向けプランなど赤ちゃんや家族向けのサービスが充実してますね
ご家族連れ、お子様連れのお客様が多く、お客様からの様々なご要望に出来ることからお答えしているうちに、徐々にサービスが充実してきているところです。特にお食い初め(百日膳)の漆器類は数千円とはいえ、お子様お1人では1回しか利用しないものなので、使い捨てにするには高価なものです。一生に1度のお祝い事を御祖父母や、御曾祖父母もご一緒に3世代、4世代でお祝いなさるには、旅館が最適と考えており、そのお手伝いをしたいと考えました。
――ボードゲーム貸出などユニークですが、なぜこのサービスをはじめたのですか
開発合宿等でご利用いただくエンジニアの方々から、ボードゲームが気分転換に有効とのご意見を伺い、こちらも少しずつ種類を増やし、充実させているところです。会議のお客様のみならず、ご家族連れ、お子様連れのお客様にも喜んでいただいております。
――おんやど惠さんの歴史について教えていただけますでしょうか
明治40年生まれの「室伏良平」が昭和19年に創業。良平は今も続く同じ湯河原の老舗湯治宿「ままねの湯」の三男で、分離独立する形で、現在の場所で茅葺き屋根の小さな温泉宿「惠旅館」として始めました。
戦時中の当時、向かい側は陸軍の臨時療養所でして、戦地から帰還した傷病兵で溢れかえっており、傷病兵の療養のための温泉宿としてのスタートでした。
「天の恵・神の恵」の願いを込めて、「めぐみ」と名付けたそうです。
創業当初から旧字の「惠」を使用しています。
江戸の町火消し「め組(めぐみ)」と「惠(めぐみ)」を引っ掛けた語呂合わせで、ロゴマークは、め組の纏をデザイン化したものになっています。
鳶職の粋な方々にご贔屓にしていただいたこともあり、『いきな風情のおもてなし』をキャッチフレーズとして、「江戸の粋」をテーマとしています。
平成20年には別邸「月の匠」を増築し、源泉掛け流しの露天風呂付き客室2部屋と貸切風呂2ケ所を増設しました。
以下の小説「湯けむり」は、ほぼ実話のようですよ。
http://www.onyadomegumi.co.jp/menu.php?obj=391&now=2513
――小説の舞台ともなった温泉宿なんですね。本日はありがとうございました
ありがとうございました。
元は療養のための温泉宿としてスタートし、粋な鳶職の方々に贔屓にしてもらった時期もあるという。今は、IT業界の開発者に合宿所として愛用されている「おんやど惠」さん。風情と歴史の詰まったこの場所でボードゲームに興じたり、開発に集中したり。ちょっとした喧騒から離れた特別な場所のように感じました。
■データ
湯河原温泉 おんやど惠
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上361
http://www.onyadomegumi.co.jp/
※トップ写真のコタツの上のボードゲームは筆者が持ち込んだものもあります。ボードゲームのラインナップに関してはサイト等でご確認ください。