こんにちは。ひろゆきです。

さてさて、お勧めの本を聞かれると、『「銃・病原菌・鉄」ジャレド・ダイアモンド 著』と言ってきたおいらなのですが、久しぶりにお勧め出来る本が増えました。


コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった


流行りの事象に関する知識って数年で知識としてほぼ無意味になるんですよね。

例えば、今年流行ったタレントの名前を憶えても数年でまったく使わない知識になったりするわけです。


んで、たいていのことは検索すれば答えが出てくるわけで、個人の知識として蓄える必要があるモノってなかなか無いんですよね。

結論を知るだけなら、Wikipediaを見ればいいだけですしね。


経緯や、動機を知ることで、同じような事象に対して、人間はどんな対応をするのか、、という予測をするための材料に出来たりするのが役にたつ知識じゃないかと思ってるおいらです。


ということで、下記の5つを満たす本になるんですが、なかなか出会わなかったりします。


・今後10年以上も影響を与える技術や文化に関する話。

・結論に至る経緯と理由に筋が通ってる。

・資料から組み立てられていて、個人の感想を書いてるわけではない。

・一般的な”常識”とは違う結論や発見がある。

・読んでいて面白い。


さてさて、最近の先進国の不況の原因は3つだと言い張ってるおいらなんですが、


1、インターネットで情報流通のコストが無料になる。

2、コンテナで国際便の輸送費用がめっちゃ安くなる。

3、正直に商売したほうが得になった。


この結果、中国やらメキシコやらバングラディッシュやら人件費の安い国に製造業のほとんどを持っていかれるということが起こりました。


例えば、Tシャツを5000枚作りたいと思ったら、ネットで探して、メール書いて、クレカ決済するだけで、世界中で一番安い国に注文を出して、指定の場所まで届けてくれるというのがかなりの精度で実現出来るようになっちゃったのですね。


インターネットの恩恵やゲーム理論的に正直に商売をしたほうが長期的に儲かるって話もありますが、実現の大部分は「コンテナ」の寄与がかなり大きいんですよね。


『コンテナ物語』は、そのうちの輸送コストに関してをきちんと説明してる本です。


上海から東京まで30tの荷物を運ぶとコンテナではだいたい30万円だそうです。


群馬の工場から東京に運ぶとして、2tの荷物は30万円では、宅急便で運んでくれないですよね。


ということで、海上輸送が異常に安くなっちゃったので、人件費の安い国で生産して、製品を輸入するというのが低コストで出来るようになちゃったのです。


おかげで、こういう状況がますます加速しています。


先進国の製造業は不況



先進国の景気が悪くなる



先進国で価格が高いモノより安いモノが売れるようになる



海外で安く生産した商品がますます売れるようになる



先進国の製造業はますます不況


んで、コンテナの”発明”が凄まじすぎたせいで、発明したマルコム・マクリーンすら倒産しちゃったりと、世界中の景色を変えて、誰も想像してないところに来ちゃったというのが現在なわけです。


コンテナってのはあの鉄の箱なわけですが、これを作ったせいで、先進国がずっと不況になるなんて誰が想像できたの?ってな話です。


情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 20年は役に立つ本『コンテナ物語』と先進国の不況の理由