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“日本三大そば”は、どうやら“戸隠そば”“出雲そば”“わんこそば”らしいのです。長野出身の記者にとっては、戸隠で食べるそばの風味は市内のそれよりも、ひと際強く記憶に残っています。特に、そばがきの“塊でおしよせるそばの風味”のインパクトは鮮烈でした。あと個人的には、新潟の“へぎそば”のツルリとしたつややかな口当たりと海藻由来の風味もかなり好きです。最近は都内でも食べられるところが増えてきましたが、やっぱりへぎそばは“長岡小嶋屋”のがいいなあ、なんて思ってます。
……話を戻しましょう。“出雲そば”と“わんこそば”は実は未経験の筆者ですが、島根も岩手も行く余裕は今のところありません。
それならば、ということで、11月15日からウォーターサーバーで入手可能になった島根の水を使って、秋葉原のガジェット通信オフィスに居ながらにして“現地の出雲そば”に近い味を味わってみることにしました。
そばは2駅隣の“三越前駅”にある島根のアンテナショップ“にほんばし島根館”で手に入りそうです。あとは、水!
ウォーターサーバを取り扱う“プレミアムウォーター”という会社が、島根県の金城という水源地の水を11月15日に発売したとのこと。
ウェブサイトによれば「ミネラル物質を含む花崗岩でゆっくりろ過されたお水は、硬度83mg/Lの軟水で、口当たりが柔らかい日本人の味覚にぴったり」とのことです。今回の企画用に、冷水と熱湯が出せる『スタンダートサーバー』、そして常温の水が出る『常温キット』、そして金城の水を2箱をお借りしました。
常温の水は、今回で言えばそばを茹でるときなど、料理で重宝しそうです。実際組み立ててみると、かなり簡単なつくりなのですが使いやすくて「ちょっといいな」と思いました。
まずはそばを茹でる準備。そばに限らず、麺類をおいしく仕上げるためのポイントは“大量のお湯”。先の常温キットの金城の水を、惜しげもなくドボドボと大きめの鍋に注ぎます。鍋の底が焦げているのは許してください。
お湯が沸騰したら、ほぐしながらそばを投入! 鍋底にくっつかないよう、折を見て軽くかき混ぜてあげます。お湯の循環でそばが適度に泳ぐようになれば大丈夫です。
その間に、ウォーターサーバーの冷水、そして氷を用意。そばはキッチリと冷水でシメてあげることで、コシの良さが段違いになります。お蕎麦屋さんによっては、仕上げ用にはものすごく冷たい井戸水を用意してシメたりしているところもあるくらいです。
出雲そばの場合、茹で時間はだいたい5分。そろそろ良いかな? という頃合いに1本取り出し、冷水でシメて味見をしましょう。
……ここで、いつもは歯ごたえだけ確かめて、芯が残っているようならもう少し待つし、良ければそのまま水でシメるのですが……「あれ?! 味が濃い!」ということに気付いてしまいました。
食感だけ確かめるつもりが「おおっ!」と予想外の反応になっている自分にビックリ。そばの風味が驚きの香ばしさだったのです。あと、出雲そばは想像していたよりも、太さがあるため若干モッチリしているのですね。だからこそ風味が保たれているのかな? とも想像しました。
なんにせよ、現地の水で茹でて現地の水でシメてるわけですから、相性は完璧のはず。だからこその風味の良さかと思いました。その風味の良さゆえ、いつもよりちょっと余分に味見をしながら茹で加減を確認。冷水でしっかりと引き締めます。
今回は割子(わりご)という、出雲そばではおなじみの丸い漆器に盛りつけました。
薬味はきざみ海苔とネギ、そしてもみじおろし。卵黄とゴマも用意しました。ちなみに出雲そばは、盛り付けた器に直接だし汁を入れて食すのも特徴のようです。
ようやく完成した“島根の水で作った出雲そば”。
だし汁は見た目ほど味はしょっぱくなく、これまただしの香ばしさがしっかりしたものでした。そばの実を皮ごと引いたおかげで、そばの風味を十分にたたえた太めのそばは、だし汁や薬味とよく絡み、「そば食べたい欲求」を完全に満たしてくれるクオリティです。
「出雲そばってこんなにおいしいのか!」とおもわず感心してしまいました。
味見をしたほかのスタッフも、「食べてみて水の良さがしっかりとわかるのがすごい」「みずみずしさがヤバい」と大絶賛。写真の周二郎探検隊さんもこの笑顔です。
ところで、金城の水をそのままでも飲んでみたのですが、単なる美味しいミネラルウォーターというよりは、素朴でいながらも平凡ではない印象を与える個性ある味わいでした。“違う田舎”というのがあるんだな、と実感させる説得力とでも言いましょうか。
当初は「水の違いでそばがそんなに変わるのかな」とも思ったのですが、実際に作って味わってみると、そのおいしさに色々と納得してしまいました。
というわけで、秋葉原ならずとも、島根じゃない場所で島根の味わいを楽しんでみたい!という方、この方法は試す価値があると思いますよ。
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