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東出昌大が連続ドラマ初主演を務める「連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~(WOWOW 5月12日 日曜よる10時スタート 全6話)」の完成披露試写会が4月25日、東京・ユナイテッド・シネマ豊洲にて開催。
主演の東出に加え、俳優の松重豊、青柳翔、女優の新川優愛、監督の瀬々敬久さんが出席した。
同作は、作家・薬丸岳の小説『悪党』が原作。幼い頃に姉を殺され失った元刑事で現在は探偵の佐伯修一(東出昌大)と、探偵事務所の所長・木暮正人(松重豊)が、犯罪加害者の現在の状況を調査することに。自らの過去と忘れることのできない犯罪のその後に向き合い、葛藤するさまを描いている。
役作りについて聞かれた東出は「非常に重かったです。被害者遺族になってから人生が一変した。ということを忘れないようにとは思って演じました」とコメント。連続ドラマで初主演を務めることから「役者になって8年目で、最初の1作目、2作目は登山に例えると何メートルぐらいの山になるかわからなかったんですけど、この脚本を読んだ時に6600メートルって決まった高い山なんだってのは分かりました」と登山の話に例え、「そこをどうやって登ろうかなと思った時に、ちょっとずつ共演者の方々が下から支えてくれたので、全6話を登ることができました。ごめんなさいすげー真面目な話になっちゃって(笑)」と笑みを浮かべていた。
瀬々監督曰く「天使の面と悪魔の面があって、木暮という人物にピッタリ」とのことから、松重が探偵事務所の所長役に。それを聞いた松重は「この役は良い人だろうか、悪い人だろうかと考えてると、小さな解釈でしか成り立たない。果たしてこの人はどういう部分があるんだろうと考えながら演じている。瀬々さんとの仕事は刺激的です」と持論を展開した。
新川演じるキャバクラ嬢のはるかは作中で、東出演じる佐伯に徐々に惹かれていく役柄。新川は「台本を呼んだ時はキャバ嬢として出てきて、ヘラヘラしてたんですけど、はるかの過去が出てきたりとか、はるかははるかで色んなのものが欠けていた。どう表現するか意識した」と役作りを振り返った。さらに新川は「東出さんとの共通のシーンが多くて、かなり助けてもらった。全般的な役者業についてひたすら聞いていただいて、頼りになる方だなと思いながら、演じさせていただきました」と話すと、横で照れ笑いしながら聞いていた東出は「共感するふりをしながらぱーぱー適当に(笑)」と茶化しながらも「それは冗談ですけど、とにかく私語の少ない現場だったと思います。他の共演者の方に、今日は『喋れるテンションじゃないって』言うと、『分かってる分かってる』って言ってくれる現場でした」としみじみ。新川は申し訳なさそうに「てことは私だけそれ知らないで、役者業について話しかけてたってことですよね(笑)」と自戒していた。
少年犯罪に手を染め、大人になってからは詐欺グループのリーダーとして活動する坂上洋一。同役を演じる青柳は、自身の役柄について「あくまでも自分が犯罪者ということを認識しているように演じました。坂上は一貫して、最後まで悪党で居てくれとのことでしたので、最後まで意識しました」とこだわりを明かした。また悪党の内面まで繊細に描写されている同作について「達観しているところとか、誰かに救いを求めるようなことがあったりしたんですけど、最後まで一貫して悪党でいなきゃいけないなと思いました」と話した。
1話では、佐伯(東出)と坂上(青柳)の一触即発のシーンも。公称183センチの青柳は「あまり同じ身長の人に胸倉掴まれたことがないので、東出くんが『テストは軽く行きます』って言ってくれた。本番では、東出くんの強いエネルギーを感じさせてもらいました」と回顧。その話を聞いた東出は「坂上(青柳)が、黒いタートルネックをきてたんですけど、1回目のテストでぐにゃぐにゃになっちゃって(笑)。その後見えないようにしながら撮影しました」と打ち明けていた。
作中で佐伯(東出)と木暮(松重)が探偵業に就いてることから、探偵に調査してもらうとしたら何を依頼するかに話しが及んだ。瀬々監督は「自分がいつ死ぬか教えてほしいですね。そうすると人生の予定がたつじゃないですか。無理か(笑)」と笑い飛ばし、新川は「私20歳になって一人暮らしになって5年経つんですけど、実家のおじいちゃんが亡くなって、おばあちゃんが一人で住んでるので、おばあちゃんが元気に生活しているのかっていうのを調査してもらって、それを教えてほしいです」とそれぞれ語った。
そんななか東出は「自分を見張ってほしい。そこそこ真面目に仕事をしている自負はあって、そこそこ家庭人の一面もあるんじゃないかなと思ってます。でも客観的に見てクズなのかなって、トータルで見てどっちなのかっていうのを調べてみてほしいです」と口にしていた。
ラストに東出は「被害者遺族のさまざまな手記を見て、人生を全うする限りは幸福になりたい。上むいて人生をまっとうする気持ちを感じたので、佐伯修一も変わっていくのがこの全6話なのかなと思います」と言い、「非日常の世界だとは思うんですけど、世界の何処かで起きてることだと思うんです。想いとか、光が見えたとか色々なご意見はあると思うんですけど、僕らは僕らなりに真実じゃないかなと思い真摯に向き合いました」と同作への熱意をアピールした。
発信地・日本
<文・デザート編集部>