90年代にメガヒットを連発した小室哲哉率いるスーパーユニット「globe」。昨年夏から1年間、デビュー20周年として新たにリアレンジしたアルバム「Remode 1」「Remode 2」をリリースするなど精力的に活動を行ってきた。ラップ担当のマーク・パンサーは近年、DJという新たなフィールドで活躍している。そこで、マーク・パンサーにインタビューをして、普段決めている7つのルールから、その内面を丸裸にします。


1.遊びの量を減らさない




globe20周年が残りわずかとなっていきました。今のご心境はいかがですか?



20年経ってもメンバー3人の気持ちは変わらず、globeという絆が常にあります。だから、TK(小室哲哉)と一緒に2人でステージ立とうって言ったら、次の日にリハーサル無しですぐ出来ます。ずっと変わらないですね。



8月3日(火)にglobe20周年を締めくくるアルバム「Remode 2」がリリースされました。



これも日本に帰って来たその日にスタジオに入って、TKに「『Feel like dance』を歌詞も新たに書いて、録り直して欲しいんだけど」 って言われて、それをその場で作りました。



20年間で変わったことってありますか?



二日酔いが辛くなってきます(笑)。だけど、遊ぶ量は減らそうとは思わないですね。遊びがあるからglobeだと思うんです。



といいますと?



globeは完璧なものではなくて、どこかに遊びの部分があると思うんです。それがマーク担当なのかなと。KEIKOとTKが作るものはスゴく完璧ですよね。そこに遊びの部分が加わったときにglobeになるんです。チャレンジというのは常に遊びの部分にあります。




https://www.youtube.com/watch?v=bSXDwRVnwf4


2.globeを忘れさせない




マークさんは6年ほど前からDJとして活動をしていますね。



KEIKOがステージに立てなくなってしまって、globe3人での活動が出来ていません。いくら3000万枚CDを売っても、一ヶ月で人の記憶から無くなってしまうと思うんです。そこで、何か出来ないかと考え、DJというメディアを見つけました。



アーティストではなくメディアなんですね。



DJをやっていると、バーにいる人たち全員をフロアに連れてこなきゃならないと思うんですです。そして全員で盛り上がって最高潮のときに「DEPARTURES」をかける。来た人はglobeが心に残りますよね。



マークさんはglobeの時からDJの技術を学んでいたんですか?



いいえ。機材を見ても分からないので、フランスで音楽学校に行きました。10代の子ばかりのクラスに、40歳の時に入りました。



親子ほど年の離れた子と一緒に勉強してたんですね。



8ヶ月間毎日8時間通って、テクニックはもちろん哲学も教えられました。卒業出来たのは僕ともう一人だけで、資格も手に入れました。日本に帰って来た時に2000人を前に初めてDJをした時も、心地いい緊張感で出来ましたね。



改めてglobeのライブを体感したい人には、9月7日(水)発売の「globe 2 decade - live blu-ray box -」も最適ですね。





3.出来る限り食事を控える




マークさんがリミックスを手掛けたアルバム「deep JAZZ globe」が7月27日(水)にリリースされましたね。曲のアイディアを生み出すために行っているルールってありますか?



それで言うと、実は僕はご飯食べないんですよ。



えっ!



お腹が空いていると、身体の中の病気を自分で治してくれるって信じてるんです。1日1食、夜ご飯だけの生活を3年間続けています。



お腹が減ってしまいそうですね。



逆にこれを続けてから、体調がいいんです。デトックスの時間帯である朝に、ジョギングをやります。そこからお腹空かせて、ステイハングリーで色んなことを生み出すんです。



ご飯を食べないことがアイディアを生み出すことに繋がるんですね。



夜はお疲れ様という感謝の思いで美味しいものをたくさんあげます。料理も一種の脳トレで、料理をやるようになってから音楽制作も面白くなりました。食と仕事は密接な関係がありますね。


4.出来ないと言わない




マークさんはメンズノンノの初代専属モデルに起用されたり、MTVジャパンの初代VJ(番組の司会)に抜擢されたりしましたよね。



チャンスって「ポケモンGO」のポケモンのように、そこら中に転がっています。普通の人が諦めるチャンスも僕は全部取ってきました。でも、そこにこそ本当に大きなチャンスがあると思うんです。



なるほど。



モデルの時、CMのオーディションで「スノボ滑れる?」って聞かれて、スノボやったことないのに「誰よりもうまいです」って答えてCMに出ました。撮影当日、「実は滑れません」って(笑)。



監督さんもビックリしたでしょうね。



あと、歌をまだやったことなかった10代の頃、音楽プロデューサーの加藤和彦さんと出会ったとき、「小さい時から歌やってました」って言って、CDデビューしました。



他の人だったら逃しそうなチャンスを掴みとってますね。



MTVジャパンのVJオーディションの時も「英語でやってみて」って言われて、フランス語でやったらウケて受かったんです。最初から出来ませんと言うことは無かったです。


5.娘の監督にならない




マークさんのインスタグラムを見てみると、娘のマディさんの話題が多いですよね。



ルールでいうと、娘の監督にならないということがあると思います。



それはどういうことでしょうか。



僕は2歳のときからモデルを始めて以来、常に人生の主役を演じてたと思うんです。娘が生まれたとき、その主役を彼女に譲りました。その時、普通の親は監督になると思うんです。でも僕は準主役になろうと思いました。



監督ではなくて準主役ですか。



彼女と一緒に人生を創りあげられたら、とても楽しいんじゃないかなと。だからお弁当も一緒に作るし、英語の本も一緒に読むし、石垣島にもフランスにも一緒に住むし、すべてのチャレンジを彼女とともにやってこれたんです。



マークさんの作るお弁当はネット上でも話題ですよね。



お弁当は9年間毎朝5時に起きて作っていました。もうすぐ彼女が日本の全寮制の学校に通うことになるので、このお弁当作りも終わります。でも、9年間の味覚が彼女の頭に刻まれているので、僕の死後もこのお弁当の味を彼女は覚えているんですよね。





6. 嫁は恋人




マークさんは、パークマンサーさん(軟式globe)と交友があるんですね。



ある日、パークがglobeのアルバム「GDM」を手に持って、Twitterでつぶやいていたんです。それを見てリプしたら「12年越しの約束を一緒にやろうよ」って言われて。TKとKEIKOの結婚式に僕が言ったらしいんですよ。酔っ払ってて覚えてないんだけど(笑)。



だははは(笑)。



それから会って、仲良くなりました。一緒にロンドンやニースにも行きましたし。夢を追い続けていると繋がるんですね。



マークさんは交友関係が広いイメージがあります。



実は電話帳に登録されている人はほとんどいなくて、親友は2人くらいです。深い絆で繋がっているのは親友、家族、globeメンバー、恋人だけです。



恋人ですか?



嫁は家族じゃないんです。永遠に恋人なんです。唯一家族の中で血が繋がっていない特別な存在で、どんなことが起きても乗り越えられますね。



今でも奥さんとラブラブなんですね。



そうですね。ケンカはしないし、仲がいいですね。2001年5月6日に付き合って、そこから1年間毎日一緒にいて、2002年5月6日に結婚しました。5月6日、小室の日です。


7.国境を超える




現在KEIKOさんは療養中ですね。



かつてよくKEIKOと話していたのが「globeの上、つまり地球上にある国境がなくなればいいよね」って。そのために、僕は常に旅をしてたと思います。



世界中を見てきたわけですね。



父がフランス人、母が日本人で二重国籍だったのですが、日本で仕事をしていたので、日本国籍を選びました。だけど9年前ニースに移り住んだときフランス人に戻ってしまい、自動的に日本国籍がなくなりました。



そんなことがあったんですね。



日本にまた住むので、日本国籍になるかもしれません。でも、そんなことを繰り返していたら、国とか国境とかにとらわれなくなりました。globeファンをgloberと言いますが、地球人として生きていくことが一番面白いと思いますね。



海外に行かなければ実感できないことってたくさんありますよね。



日本は海に囲まれて、出にくいような印象がありますけど、そんなことありません。海外に出た人は様々な知識やアイディアを吸収して、顔つきまで変わります。



これからそういう人が日本をリードするんでしょうね。



殻を破るのは勇気が必要で、その勇気を掻き立ててくれるのがクレイジーだと思います。この世の中にいるスゴい人たちはみんなクレイジーです。みんな自分が面白いと思うことを信じて、進んでほしいですね。

globe オフィシャルサイト

マーク・パンサー オフィシャルサイト

globe「deep JAZZ globe」

globe「Remode 2」



情報提供元: CuRAZY