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初めまして、Matzと申します。東京在住のアラサー会社員です。
法律関係の仕事に就いており、書類とにらめっこする時間が長いためか、活字に抵抗がなくなり、社会人になってから読書が趣味になりました。特にビジネス書を多く読んでいます。
著者の知見やノウハウが凝縮された素敵な本を、より多くの方に知っていただくお手伝いができればと思い、今回書評を執筆させていただくことになりました。
さて、皆さんは、以下のように感じた経験はありませんか?
変化の激しい現代において、リーダーシップはどんな職場・業務でも求められる重要な能力の一つ。しかし具体的にどのように考え、何をすればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する伊賀泰代さんの『採用基準』は、そのタイトルからはイメージしにくいですが、リーダーシップにフォーカスし、「リーダーにはどんな姿勢・行動が求められるのか?」という疑問に明快に答えてくれる一冊です。
私が入社4年目の頃、小さなチームのリーダーを担当することになったものの、やるべきことが分からずモヤモヤしていた時期に、たまたまこの本に出会い、リーダーとしての心構えや行動を知ることができました。それ以降、業務をより効果的に進められるようになったと感じています。
すぐに行動に移せる実践的なアドバイスが満載ですので、リーダーシップを本質から理解したい方、特に若手のビジネスパーソンの方にオススメしたい一冊です!
なぜ本書のタイトルが「採用基準」かというと、著者が採用マネジャーとして勤務していたコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーでの採用基準について語られた本だからです。
著者によると、マッキンゼーの採用基準は大きく分けて次の3つ。
しかし日本の「優秀な人」が持っているのは②だけの場合が多く、残りの2つは絶望的に欠けていると言います。
また、③の「英語」に関してはそれなりに危機感が持たれているのに対し、①の「リーダーシップ」については、問題意識さえ欠落していると指摘しています。
そこで本書では、「リーダーシップ」とはどのようなものなのか、詳しく掘り下げて解説されています。
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本書では、リーダーを「成果目標を達成するために組織を率いる人」と定義した上で、リーダーがなすべきタスクを以下の4つに集約しています。
以下、それぞれについて簡単に説明します。
人は、自分たちがどこへ向かっていて、いつ頃到達できるのかを理解していないと、苦しい中で頑張り続けることができません。
だからこそ、リーダーは「ぜひ、そこへ到達してみたい」とメンバーが思えるような魅力的なゴールを設定して、メンバーを奮い立たせる必要があります。(「この技術で世の中を変える!」とか「5年後にこの業界で世界のトップ3になる!」など)
どこに向かっているのかも、いつ終わるのかもわからず、「俺がいいと言うまで何日でも歩き続けろ」と言われて、ひたすら歩き続けるモチベーションを保てる人はいません。
メンバーにゴールを示すことは、極めて重要度の高いタスクなのです。
何か新しいことに取り組むとき、「最初の一人」になることは負担が大きく、勇気の要ることです。なぜなら、前例のないことに初めて取り組むときには、予期せぬトラブルが発生したり、結果的に失敗してしまうリスクが大きいからです。
リーダーには、率先して先頭に立ち、「最初の一人」になることが求められます。先頭を走る人が、最初に方向性を決めてこそ、メンバーは安心して走ることができるのです。
それは公衆の前に自らをさらし、結果がうまくいかない場合も含めて、そのリスクや責任を引き受ける覚悟があり、結果として恥をかいたり損をする可能性も受け入れる、受容度の高い人です。
リーダーの基本的な役割や心構えが、極めて明快に示されていると思います。
リーダーは、意思決定すべきとき、たとえ情報が限られていても先延ばしせず、リスクを取って決断をすることが求められます。
著者の次の言葉には、「リーダーは決めなければ意味がない」という考えが強く示されています。
リーダーとは、「決める人」です。検討する人でも考える人でも分析する人でもありません。
リーダーは、意思決定した内容やその必要性について、メンバーに「言葉で」伝える必要があります。アカウンタビリティ(説明責任)とも呼ばれます。
多様な価値観を持つ人がチーム内に混在している状況では、「言わなくてもわかっているはずだ」という考えは通用しません。態度で示したり、背中で教えたりするだけでまとめ上げることはできず、論理的・明示的に「言葉で」メンバーに伝えることが求められます。
人心をひとつにして前に進めるために、リーダーの言葉以上に強力な武器は存在しません。そういう場合はたいてい、兵糧(動機づけに使える予算、報酬の蓄え)が尽きていて、頑張った人にも金銭で報いることができない状態です。だからこそコストのかからない言葉の価値はさらに大きいのです。
「言葉は無料で使える武器」–そう考えると、より頻繁にメンバーとコミュニケーションを取ろうと思えるのではないでしょうか。
以上の4つのタスクは、いずれもシンプルで覚えやすいため、私も折に触れて思い出し、「自分はリーダーとして成すべきタスクが実践できているか?」と自問するようにしています。
これらの基本タスクをチェックリストやフレームワークのように用いることで、「そもそも何を考えるべきか?」と悩むことが少なくなりました。
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これまでリーダシップについてビジネス書や研修で学んできたけど、いまいち腑に落ちていなかったという方も、本書を読めば、「リーダーシップってこういうことなのか!」と納得でき、すぐに職場や日常生活で行動に移せるようになると思います。
本書との出会いが、皆さんにとってリーダーシップを理解するきっかけになれば幸いです。