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(Written by Publisher’s editor)
グーグル検索すると、どこまでもおいかけてくるリマーケティング広告。すでに購買行動は終わっているのに、同じ広告が繰り返し表示されることも多いですよね。
このズレた感、なんだかなーと思っていたけれど、フェイスブックのフィードに出てくる広告は何かちょっと違うかもって思ったことありませんか?
フェイスブック広告はちゃんと未来志向。これからやってみたいことが広告に出てくる。なんだか怖いけど、やっぱりやってみたいことだから、ついクリックしたくなっちゃう。そして、気づけば、ポチリ、撃沈。
こんなふうにフェイスブック広告には全面降伏してしまうことが、たまーにあります。
記事を書いていただければ、美女モデルを起用したコンテンツを無料で制作・掲載しますので、ご興味ある方ぜひお問い合わせください。
そもそも広告「advertise」の語源になっているラテン語の「advertere」とは、「振り向かせる」という意味で、広告と人々の関係性には次の3種類があります。
フェイスブックに参加し、広告担当となったシェリル・サンドバーグは、このように「どちらか一方にしか利がない」という広告の既成概念を覆す、不可能と思われるミッションに臨むことになります。
当初より、フェイスブックではニュースフィードに広告を入れることが、広告事業の解決策のように思われていました。しかし、ニュースフィードはフェイスブックの核であり、ニュースフィードでの広告表示には、絶対反対を主張する者もいました。
親友の第一子の誕生を伝える投稿のすぐ後に歯のホワイトニングの広告が流れたら、ユーザーはどう思うだろうか、ということです。そして、ニュースフィードにおける理想的な広告の提供には、2つの課題があることに気づきます。
さらに広告主側には、友人の投稿と同じくらい実用的でおもしろく、興味を引く広告コンテンツを用意してもらう必要があります。これは広告であっても、ユーザーに対して何かしらの価値を提供する必要があるということです。
これらの課題解決を可能にしたのが、ユーザーから提供される何十億という数の投稿と、それに付随する「いいね!」のシグナルでした。
広告主には、これらのデータや、類似オーディエンスの情報が提供され、個人の特定はできないものの、人々の属性を理解し、それぞれのグループに最適なメッセージを届けることができるようになりました。
フェイスブックは、広告主とユーザーと、どちらにも満足してもらえるラインはどこにあるのか、細かく、丁寧に、徹底的に考え、実験と検証を繰り返し、現在のフェイスブック広告の形を作り上げたのです。
もちろんここで立ち止まることはせず、その後も360度動画やカルーセル広告の導入など、よりよいものにすべく改良を重ねています。
さらに興味深いのは、フェイスブックの失敗に対する考え方です。
フェイスブックでは、失敗は偶然起こるものではない。フェイスブックでは、会社が社員にリスクを取って失敗することを奨励するだけでなく、失敗を体系化している。リスクと失敗は、フェイスブックの組織文化の中に息づいている。
キャンパスのいたるところに貼られた何百枚ものポスターは、リスクある行動を取るよう社員に働きかけるためのものだ。「もし、恐れがなかったら何をするか?」「素早く動き、壊していけ」「大胆に失敗せよ」「間違った方向から考えよ」
本書では、これまでフェイスブックが犯した失敗について、第17章でまとめて紹介されています。なかには「ポーク」という、確かに昔あったよねと懐かしさを感じてしまうサービスも。
「フェイスブックは失敗の受け入れ方を学んだだけではなく、最もうまく失敗を繰り返す企業となった」と著者が書くように、リスクをとって失敗することを奨励する組織文化があるからこそ、失敗のその先までを見据えて、社員一人一人が果敢に挑むことができるのです。
本書の内容はこれだけにとどまりません。
ユーザーを獲得するためのグロース戦略について(衛星を飛ばしたり、クローンを作ったり、政治の世界にも突っ込んでいったり)や、グーグルプラスに攻め込まれたり、ヤフーに買収されそうになったり、世界を揺るがす大ニュースの裏で、フェイスブックの人たちは、何を考え、どのように危機を乗り越えてきたのかについても記されています。
また、AIやVR/ARといった技術に対してフェイスブックがどのように投資し、進めていこうとしているのか、フェイスブックの未来戦略についても知ることができます。
「その成功は偶然ではない」と著者が断言するとおり、いまや世界の3人に1人がユーザーであるフェイスブックを裏で支えているのは、失敗をおそれず突き進むメンバーによる、徹底した試みの積み重ねなのです。
「世界をよりオープンにつなげる」という一つのミッションに向けて進んでいく、泥臭くもある、彼らの働き方に、きっと勇気をもらえ、明日からの生き方、働き方についてのヒントが得られることでしょう。
(Written by Publisher’s editor)