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フリーランスやブロガーのように、個人名で食べていきたいと考える人にとって、重要なのは「◯◯といえば◯◯さん」のように、1対1対応のイメージを作ることです。
なぜなら数多くの同業者・ライバルがいる中で、自分の存在を一発で覚えてもらったり、仕事の依頼先を検討する際に思い出してもらったりするには、「◯◯といえば◯◯さんだ」と、相手の脳内で即座に想起してもらう必要があるからです。
これはすなわち「自分をブランディングする」ということです。しっかりとブランディングができていれば、「◯◯と言えば、あなた」と思い出してもらうことができます。
その方法について語られているのが本書。
『本当に頭がよくなる1分間ノート術』、『本当に頭がよくなる1分間記憶法』など「1分間シリーズ」で累計150万部を突破している、元アナウンサーで作家の石井貴士さんの新刊です。
石井さんは、ブランディングに成功すると、次のようなメリットがあると言います。
まさに個人名で食べていくフリーランスにとって、生命線となるポイントばかりでしょう。
では、どうすれば自分をブランディングすることができるのでしょうか。
本書の肝は、出会って「1分間」で自分をブランディングするという点です。なぜ1分間かと言えば、情報があふれる現代社会において、よく知らない人について「この人はどんな人なのか?」を1分以上考えてくれる人などいないからです。
そして人は、自分にとっての相手の価値を、次の2ステップで決めていると言います。
最初の7秒は、ただの第一印象。その後の1分間のブランディングで、相手にとってのあなたの価値が確定します。
そのため第一印象よりも、その後の1分間で「相手にどう思われるか?」のほうがはるかに大切です。
「相手にどう思われるか?」とは、「相手の脳の中で、自分がどこにポジショニングされるか?」ということ。つまり「1分間ブランディング」とは、「出会って1分で、脳内ポジショニングを確定させる」ことなのです。
そのために必要なこととは何なのか。個人的に参考になったのは、次のポイントです。
特に、まずは「単一のメッセージ」を流し続けることで「一発屋」としてブレイクすることを目指し、ブレイクした後はそれをシリーズ化することでブランドを確立する、という戦略は、個人的に新しい視点だったので参考になりました。
一貫性のない発言や情報ばかり流していては、「◯◯と言えば◯◯さん」というイメージを植え付けることはできないからです。
また「ブレイクが落ち着くまではほかのことをしてはいけない」とか、「短期的には個人名よりもコンセプト名を重視した方がブレイクしやすくなる」といった点は、石井さん自身が「1分間シリーズ」で成功するまでに試行錯誤された手法だけあって、非常にリアルで具体的です。
文章は易しく、内容もそこまで濃くないので速読でサクッと読めてしまう一冊です。セルフブランディングのハウツーが気になるかたはチェックしてみてください。
勝てる場所を見つけ勝ち続ける 1分間ブランディング (ヨシモトブックス)