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Apple、Google、Amazon、Airbnb、Uberなど、世界を変えるビジネスが米国発のIT企業から続々と生み出され、世の中を席巻しています。
日本でも若くして起業する若者は増えてきていますが、最初から世界を変えることを目的にビジネスコンセプトを考えている人はあまり多くないのではないでしょうか。
今回紹介するのは、「10億ドル規模のビジネス」を立ち上げ方と戦略について記された一冊、『ムーンショット! -Moonshot!』です。
著者は、スティーブ・ジョブズから引き抜かれ、ジョブズをアップルから追いやった男ジョン・スカリー。起業家兼投資家であり、「今が一番刺激的で面白い時期だ」というスカリー氏が教える、「10億ドル規模のビジネスコンセプト」の作り方とは?
ムーンショット! -Moonshot!
本書のタイトルである「ムーンショット(月への打ち上げ)」はシリコンバレー用語で、「それまでの流れを変えてしまうほどの破壊的なイノベーション」のことです。
これは、1961年にジョン・F・ケネディ大統領が月面着陸を宣言し、1969年にそれを実現したことによって、「それに続くすべてをリセットしてしまう」ほどの大きな影響を世界中に与えたことに由来します。
現代のムーンショットを牽引するのは、「クラウド・コンピューティング」「ワイヤレス・センサー」「ビッグデータ」「モバイル機器」という4つのデジタル・テクノロジーの進化。これらの組み合わせによって経済に及ぼす影響は、あらゆるムーンショット効果のなかでも最大のものとなると言われています。
これまでになかった画期的なテクノロジーが、手頃な価格で、誰でも利用できるようになった今、世の中では生産者から顧客へと、ビジネスの主導権が急速に移行しています。
顧客へのパワーシフトは、伝統的な産業の崩壊のきっかけになると同時に、起業家にとっては、10億ドル規模のビジネスを立ち上げるための未曾有のチャンスになると言います。
本書では、10億ドル規模のビジネスコンセプトをつくるための考え方として、以下の4つのポイントを示しています。
「10億ドル規模のビジネスコンセプトとはどういうものか」という問いに対する一番シンプルな答えは、「10億ドル規模の問題を解決するもの」です。
それも、今まで誰かがやった方法よりもはるかにすぐれた方法で。
そのためには様々な業界に目を配りつつ、一般消費者が抱える大きな問題について敏感でなければなりません。
将来有望なビジネスを立ち上げる時、その原点にはいつも顧客の「不愉快な経験」があるからです。
自分自身の専門知識を生かした調査を通して、大きな問題を特定することからはじめましょう。
10億ドル規模の問題を解決するためには、常に「もっと良い方法が必ずある」という姿勢を貫くことが重要です。
なぜならすでに解決されているような問題であっても、デジタル・テクノロジーの進化によって「もっと良い解決方法」を見つけることが可能になっているからです。
たとえばタクシーによって人々は自分で車を所有しなくても、必要な時に簡単に車での移動ができるようになりました。しかし週末の夜などの混雑時に、なかなかつかまらずにイライラした経験がある人は多いでしょう。
こうした「不愉快な経験」に、解決を待っている10億ドル規模の問題が眠っています。
Uberは、テクノロジーによってこの問題を解決することを思いつき、車を求める乗客と乗客を求める車をつなげることで、必要なときに簡単に配車ができて、しかも料金は従来のリムジンサービスに比べてずっと安いという顧客経験を実現しました。
デジタル・テクノロジーの進化は、「もっと良い方法」を追求する会社にとって大きなチャンスなのです。
「もっと良い方法」を追求する上で、価格を下げること、もっと言うと「価格を破壊」することは重要なポイントです。
価格破壊の威力はすさまじく、それだけでビジネスを成功に導く可能性があります。
そして価格を「破壊」するためには、新しい方法でビジネスモデルを根底から覆すことを避けては通れません。
これまでは、既存のビジネスの機能の一部をサプライヤーに委譲して、コストを抑えることでチャンスを生んでいましたが、これからは顧客の経験価値を高めるために、ビジネスモデル全体を考え直す必要があるのです。
価格破壊に抜きんでた顧客の経験価値を付加できれば、革新的な最強のビジネス・コンセプトとなります。
10億ドル規模のビジネスコンセプトづくりで、もっとも重視しなければならないのは、この「抜きんでた顧客の経験価値」をつくりだすことです。
ビジネスの主導権が生産者から顧客へと移行した世の中では、満足度の高い顧客の経験価値をつくり出し、その質を業界の誰にも負けないレベルまで高めることが何よりも重要です。
そのためには、従来のような利益を最重視するビジネス・プランではなく、「顧客プラン」を考えなければなりません。
つまり「顧客の経験価値」を中心にすべてをデザインし、常に最高の顧客の経験価値を追求するということです。
本書では「顧客プラン」をつくるにあたって、「逆算プランニング」を利用することを勧めています。
逆算プランニングとは、4年後を目安に「実現可能な10倍の目標」を設定し、「それを確実に実現する意志」を持って、ゴールから遡って4半期ごとに達成する項目をリスト化するという手法です。
こうすることで枠にとらわれず、既存のビジネスを根底から覆し、これまでになかった顧客経験を、破壊的な価格で提供するプランが考えられるようになります。
本書では、ここで紹介した考え方を実践する上で役に立つツールが、数多く紹介されています。
「正しい質問をする」「専門分野を持つ」「正しい人材をバスに乗せる」「困難からの方向転換」など、実践的で具体的な考え方が示されているので、これから起業を考えている人には非常に参考になるでしょう。
・名前 :micha
・生年月日 :1992.11.19
・出身 :東京
・職業 :主婦・自営業・被写体
・将来の夢 :ハンドメイドのデザイナーブランドの洋服モデルになること。
・Twitter :@igasama
・店名 :「café 1886 at Bosch」
・住所 :東京都渋谷区渋谷3-6-7
・TEL :03-6427-3207
・営業時間:月-金: 8:30 - 21:00
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