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(Written by Publisher’s editor)
ヒットの確率が「9万分の1」といわれるほど、競争の激しい通販業界。
そんな業界で、ビジネスにまったくの素人だった良子ビューエルさんは、「通販ベンダー」として事業を拡大させ、20年間で20億円以上の企業に育て上げました。
通販ベンダーとは、簡単に言うと「メーカーと通販会社の間を取り持つ」仕事。
国内外で開催される商品展示会(見本市)などで売れそうな商品の目利きをし、メーカーと販売代理契約を結んだうえで、通販カタログやテレビ、ラジオ通販の会社に売り込んで、納品まで請け負います。
つまりいかにヒットする商品を見極め、販路を確保するかがビジネス成功の肝となります。
ビューエルさんは、島田紳助さん司会の特番、『行列のできる芸能人通販王決定戦』にて、「史上最強の通販コンサルタント」として3回連続で出演された経験もある業界の著名人。
まったくの素人だったビューエルさんは、いかにして20億円以上の企業に育てることができたのでしょうか。
そこには、「経験ゼロ」だからこその強みを活かした、ビューエルさん流のシンプルな仕事の流儀がありました。
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幼いころから外国の人やモノ、文化に触れると胸がときめく無類の「外国オタク」だったビューエルさん。
通訳や海外旅行のツアーコンダクターになることを夢見てカナダに足を踏み入れてみたものの、初めて働くことになったのは全く知識のないOA機器の会社でした。
当時西海岸で最も大きなOA機器販売会社の支店長であったジョン・ハウス氏から、「知識・経験がまっさらだからこそ育て甲斐がある」との理由で採用され、「女性営業マン第一号」になります。
そこでは魔の飛び込み営業が待ち受けており、一向に契約の取れない日々が続きました。不安に押し潰されそうになったとき、上司のジョンがくれたのが次のアドバイスです。
「いいかい、どんなにイヤなこと、悲しいこと、辛いことがあっても、それは君自身の問題なんだ。お客様には関係ない。暗い顔を見せるのは、お客様に対してとても失礼だし、プロ意識に欠けるよ。誰もモノを買ってくれやしない。
毎朝、家を出るときには新しい気持ちで、洗いたての糊のきいたシーツのような快適さを身にまとって仕事に臨むことが、成功する秘訣なんだ」
さらにジョンはそれからの5日間、ビューエルさんの同行を買って出て、その間にあげた売り上げの全てをビューエルさんの名前で登録してくれたばかりか、その仕事ぶりを自慢げに他の営業マンに話したのでした。
こうした上司の「褒めて育てる」教育法によって、「ジョンの自慢話に負けない、本当に優秀な営業マンにならなくては」という使命感に駆られたと言います。
常に笑顔を保ち、気分を晴れやかにすることを意識し続けた結果、60人もいる先輩の男性営業マンをゴボウ抜きにして、営業のトップセールスになります。
ビューエルさんは、自身が経営者になった今でも、この「褒めて育てる」手法をバイブルとして、部下の指導にあたっているそうです。
一般的に男性や若い女性は、人に尋ねることを嫌がる傾向にあるそうです。本書では「知りたいことは知っていそうな人に聞く」ことを鉄則としており、それを「おばちゃん」方式と命名しています。
というのも、おばちゃんは道に迷った時に、地図とにらめっこしたり自力で突破口を探したりするのではなく、その辺の人に聞いて目的の場所を尋ねるからです。
ビューエルさんも企業の海外業務を代行する中で、宇宙食に輸入するビジネスに携わったことがあり、その際、宇宙について一番詳しいのはNASAだと考えて電話で問い合わせたところ、宇宙に関連する商品を取り扱う企業のリストアップまでしていただけたそうです。
このように当たりをつけながら「おばちゃん方式」を繰り返していくと、次第に欲しい情報にたどり着くスピードが上がり、獲得できる情報の精度も上がっていきます。
自分の無知を武器にするためには、「おばちゃん」方式はとても有効なのです。
1989年に輸入販売代理店株式会社アペックスを創業したビューエルさんは、JETROの短期輸入専門家として北米やヨーロッパ、オセアニアなどで開催される数々の展示会に赴きました。
一つの展示会では、3,000~5,000社がそれぞれ20~50アイテムを出品しますが、その中からヒットするのはわずか2~3個。
これが通販業界における「ヒット率9万分の1」と言われる由縁なのですが、ビューエルさんはその中でどのようにのいくつものヒット商品を見つけ出したのでしょうか。
たとえば「商品」を見極めるには、大勢の人が群がっている商品ではなく、あまり目立っていないもの、また自分の好き嫌いではなく、売れるか売れないかを常に考えることが重要だと言います。
なぜなら誰もが「すごい!」と目を向けるような商品は、話題性はあっても一過性の人気に終わってしまうことが多く、また売りたい業者が多いということは、それだけ自社で扱える可能性が低いということでもあるからです。
そんな商品を狙うよりも、「自分だけが、その商品の良さに気づいた」というようなモノを見つけた方がヒットに結びつきやすい」とビューエルさんは説きます。
これは通販業界に限らず、押さえておきたい重要なポイントではないでしょうか。
なぜならビジネスの成功は、一重に「誰も気づかなかったことに気づき、それをビジネスの種としていかに成長させていくか」にかかっているからです。
また商品をヒットさせるには、売るための「仕掛け」も重要です。
たとえばデンマークにあるヨーク&ラーセン社の医療寝具を日本で販売する際、社名が長すぎてアピールしづらいと考えたビューエルさんは、ブランド名の一つであり、創業者の「ダン」と詰め物の意味を持つ「フィル」を組み合わせた「ダンフィル」を打ち出すことにしました。
これならブランド・ヒストリーを訴求しやすいし、日本でもなじみのある「ダンヒル」と似ていて、親しみやすさもあると考えたからです。
社名ではなくブランド名を前面に出した結果、商品の良さもあいまって8年間で16万枚も売り上げる大ヒットを記録。これは、通販業界では異例の数字でした。
ヒット商品を見つけるには、一言で言えば「カン」が重要だというビューエルさんですが、それは豊富な知識・情報・経験に裏付けられていてこそです。
そして精度の高いカンを身につけるには、とにかく「行動あるのみ」の精神で、数多くの情報に触れ、たくさんの経験を積むことが重要です。
本書は、「経験ゼロ」から持ち前の行動力によって道を切り開き、20年間かけて20億円以上の企業に育て上げた一人の女性のビジネス奮闘記です。
現在の仕事や働き方に閉塞感を抱いている方は、前向きなエネルギーをもらえる一冊なのでぜひ読んでみてください。
カメラマン:こば犬
・名前 :引地裕美
・生年月日:1992.2.6
・出身 :神奈川県
・職業 :モデル、タレント、レースクイーン
・Twitter:@ala_vanille
・店名 :「café 1886 at Bosch」
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