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(Written by Publisher’s editor)
2001年9月11日の米国同時多発テロ以来、「空」や「飛行機」への不安感から業界全体が危機的状況に陥り、2002年度には25億円の営業赤字にまで落ち込んだANA。
しかしその業績は2004年に黒字化を実現し、 2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災という危機を乗り越えて、2016年3月には過去最高営業益1038億円を記録しました。
このような奇跡的なV字回復を実現することができたのはなぜなのか。その裏には、どんな問題にもみんなで知恵を出し合って「チーム」で解決しようとする、ANA独自の文化がありました。
世の中の変化のスピードが急速な現代では、昨日役立った能力や仕事の仕方が、今日もうまくいくとは限りません。だからこそ、みんなの知恵を集めて成果を出す「チーム戦」ができることが、成長に欠かせない要素となってきています。
今回は、そんなANAで実践されているチームで問題解決するための工夫について紹介します。
どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせ (単行本)
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どんな問題も「チーム」で解決するというのは、ANAが課題に取り組む際の基本的な姿勢です。
なぜなら個人の能力がいくら高くても、チームワークがなっていなければ成果はゼロになってしまうからです。
ANAの社員は日々仕事の中で、「自分一人の力には限界がある。チームのメンバーと多角的な味方をする方がより大きな成果を生み出すことができる」と実感しているといいます。
「チーム」とは「一つの目的のために集まった人たち」であって、ただの人の集まり(グループ)ではありません。
大切なのは、仕事の成果は「掛け算」であることを理解して、一人ひとりが一つの目的のために仕事に取り組み、お互いを尊重し合い、サポートし合うことが重要です。
「ANAの社員さんたちは、仲がいいんですね」とよく言われるそうですが、実際のところ、フライトはいつも同じメンバーで飛ぶことはなく、お客様との出会いと同様に、その日のクルーメンバーも一期一会であることが多いそうです。
「仲良し」や「阿吽の呼吸」はそもそも通用しないため、「仲が良いチームだから成果を出せる」というわけではありません。
また明確な指揮順位がある航空業界では、完全フラットな「仲良しチーム」は理想的な関係とはいえません。適度な権威勾配があってこそ、チームの能力を最大限発揮することができるのです。
最近はとくにチームリーダーが必ずしも年齢や経験や役職が一番上ではないことも増えてきていて、自分より年下だけれど役職は上の人がチームリーダーだったり、経験は長いけど年下の人がチームリーダーになるという状況も多くなっています。
そうした場合、年齢や経験、役職などにとらわれることなく、それぞれが「チームの中で求められている役割は何か」をしっかりと認識することが、チーム力を向上させるためには大切です。
実際、ANAではキャビンアテンダントをまとめるチーフパーサーも、フライトクルー全員をまとめる機長も、進んでチームメンバーに歩み寄る姿勢を示しており、「アイデアがあったら教えて」「気づいたことがあったら伝えて」のように、積極的に声をかけているといいます。
権威が上の者は、権威が下の者が自分に「気づきを発信しやすい環境」をつくることが重要です。
そして権威が下の者は、判断を下すリーダーを積極的に助けるべく、自分の能力や気づきをしっかりと発信することが重要です。
ではこのようなチーム環境をつくるにはどうすればいいのでしょうか?
チームの中での役割を割り当てられると、人はやる気を見せるようになるものです。これと関連したチームづくりの話が、整備部門にもあります。
1990年代前半以降、航空業界の整備士の年齢構成は、本来望ましいピラミッド型が崩れて、ワイングラス型になっています。ベテランと若手だけが多く、その間の「中堅社員」層が薄いのです。
これはバブル崩壊後の不景気の時期に採用を絞ったことによるもので、多くの企業で起こっている問題です。
整備の技術をいかに伝承するかという課題と向き合うなかで、現場の整備士たちは「チームを家族に見立てる」という工夫をしています。
例えば、機体整備担当部門での班は、次のような「家族構成」になります。
整備士の男女比率からすると男性が多いので、「お母さん」のポジションにも男性整備士が就く場合が多いようです。
この「家族制度」は、とくに新入社員や若手社員が整備現場で先輩社員を見習いながら技術を高めていく、OJTの期間に有効です。
ベテランの整備士、つまり「お父さん・お母さん」は数多くのノウハウをもっているので、新入社員や若手社員は学ぶべきところは多いです。しかし、なにぶん年齢の差がありすぎて距離感があるのも事実。
一方で、「お兄さん・お姉さん」とは年齢が近くて話もしやすいけれども、経験やノウハウは「お父さん・お母さん」にはかないません。
このように新入社員や若手社員は、配属された班に「家族像」を抱くことで、それぞれの先輩整備士にどのように接していったらよいかイメージしやすくなるのです。
また、「お兄さん・お姉さん」の立場を割り当てられた社員も、自分は「弟・妹」の面倒を見る役割なんだ、という自覚が沸いてきて、仕事に意欲的に取り組めるようになります。
この思考法は、仕事に限らず日常生活においても活用できます。
例えば同窓会や飲み会、サークル活動や趣味の会など、人々が集まるシチュエーションはたくさんあります。しかしそういった会合は人間関係が複雑だったりして、めんどくさいと感じる人も多いでしょう。
組織、チームというものは非常に奥が深いもので、関係性がフラット過ぎでは意見がまとまらず、逆に過剰な権力主義でもいい意見や新しいアイデアは出て来づらくなってしまいます。
そんなとき、一番いい関係性を構築するためには、「家族制度」を活用することが有効です。是非一度あなたのコミュニティでも活用してみてはいかがでしょうか?
どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせ (単行本)
(Written by Publisher’s editor)
カメラマン:こば犬
・名前 :生田佳那
・生年月日 :1991.12.18
・出身 :長野県
・職業 :タレント,モデル,タクシー運転手
・Twitter :@12181242
・店名 :「café 1886 at Bosch」
・住所 :東京都渋谷区渋谷3-6-7
・TEL :03-6427-3207
・営業時間:月-金: 8:30 - 21:00
(Morning 8:30 - 11:00)
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