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2023年のDX関連における最も重要なトピックが「AIの革新的な進化」であったということには、誰もが納得するでしょう。
生成AIの爆発的な普及をはじめとして、AI技術の進歩は営業活動にも大きな革命をもたらしています。そして、その傾向は2024年も続くことは間違いありません。
AIは、現代ビジネスの営業活動において必要不可欠なツールになっています。そして、その重要性は今後さらに増していくでしょう。
AIの進化に伴い、営業活動はより個別化され、効率化されており、それらが顧客満足度の向上に大きく貢献しています。これらの進歩により、営業担当者は顧客との関係構築のために今までよりも多くの時間を割くことができるため、結果的に営業活動全体の効率を向上させることができるのです。
こうしたAI活用とそれに伴う営業活動の変化は、今後さらに加速していくことは間違いありません。
ここでは、2024年に注目すべき、営業効率を向上させるためのAI活用について解説します。
AIは、膨大な顧客データを迅速かつ正確に分析する能力を持っています。
これまでのデータ分析作業にAIを有効活用することで、より膨大かつ積極的な顧客の行動パターン、嗜好、購買履歴などを深く理解することが可能となっています。
さらに、AIはインテントデータ(興味関心データ)を利用して、顧客の購買意向をより正確に予測します。これにより、営業活動はターゲットをより詳細に絞り込むことができ、効率的なアプローチが可能になるため、顧客それぞれによりパーソナライズされた販売戦略を策定できるようになります。
AIは、WEBサイトやSNS、広告などのオンライン、さらには展示会出展やセミナー開催といったオンライン・オフラインを問わない様々な顧客へのリーチポイントから、自社製品やサービスに関心のあるリード(見込み客)を獲得するマーケティング活動をサポートします。
顧客のインタラクションやオンライン行動を分析し、購買意欲の高いリードを自動的に識別。さらには生成AIを用いて個々に最適な訴求コンテンツを、個別的かつ短時間で大量に生成することで、営業活動を大幅に効率化するのです。
営業活動の多くの側面、例えば提案書の作成やメールの送信など、これまで人の手によって行われてきた営業プロセスのほとんどは、AIによって自動化できるようになるでしょう。
またAIを活用した販売予測は、収益と販売の傾向を正確に予測できますので、顧客の需要の変化を営業戦略に落とし込み、新たなビジネスチャンスの発見や収益に悪影響を及ぼすリスク回避のプロセスを自動化してくれます。
これにより、営業担当者はより収益性の高い戦略的なタスクに集中できるようになるでしょう。
セールスイネーブルメントとは、営業活動における業務を効率化し、組織全体の営業力を強化するための取り組みを指しています。
営業プロセスを可視化し、業務の効率化や人材育成の促進などにより、営業チームを最適化するためのツールがセールスイネーブルメントツールです。
その主な機能は次の通り。
こうした営業プロセスに関わる既存の機能などを、一元化してセールスイネーブルメントツールに落とし込むことで、営業活動の大幅な効率化と高度な営業効果を生み出します。
そのメリットとしては、顧客に送付したメールなどの閲覧状況や検討状況を可視化し、次のアクションへのヒントを得ることで、顧客獲得率を向上させることがあげられます。
さらに、個人の経験や勘、あるいは力量に頼っていた営業ノウハウを可視化することで、組織全体で共有できるようになります。
そして、営業に関するノウハウやスキルの属人化を解消することで、組織全体の営業スキル強化にも繋がるのです。
Gartnerの「Future of Sales 2025」レポートでは、2025 年までにサプライヤーとバイヤー間のB2B販売やり取りの 80% がデジタル チャネルで行われると予測されています(参考:Gartner公式サイト)。
こうした状況に対応するため、2024年の企業の営業活動においては、デジタルセールスルーム(DSR)の導入が重要な役割を果たすでしょう。
DSRでは、チャットやオンライン会議ツールで企業と顧客がリアルタイムでやり取りをしたり、資料を共有することによって顧客のリクエストに応じた「交流」を行うことができます。
デジタルセールスルームの導入は、営業プロセスの効率化、顧客満足度の向上、そして新しい市場への展開など、ビジネスにとって多くのメリットをもたらします。
コロナ禍以降急激にリモートワークが普及したことに伴い、今後は益々このようなデジタルツールの重要性が高まると予想されます。
DSRは、ツールを用いた顧客との直接的なやり取りをはじめ、製品やサービスの詳細なプレゼンテーションなどを物理的な距離を超えて届けることで、顧客エンゲージメントの強化と正確なデータ収集・分析を可能とします。
こうした営業コンテンツをDSRにアップロードしておくことにより、顧客との取引を効率良く行えるようになります。
DSRの活用は、McKinseyが発表した「買い手と売り手の3/4以上が、デジタルによるセルフサービスやリモートでの人間との関わりを好む」という調査結果(参考:McKinsey&Company公式サイト)に見る現代ビジネスの傾向にも合致しています。
2024年に予想される、営業活動DXに関する3つのトレンドトピックについて解説しました。
こうした傾向は、今後も拡大していくことが予想されます。
そしてまた、DXの基本である「データとITの活用」は益々その重要性を増し、特にデータを用いた営業活動の効率化はすべての企業にとって大きなテーマとなるでしょう。
AIを用いたビッグデータとデータ分析機能の進展により、市場動向、顧客行動、競合分析など、データを基にした戦略的な営業計画の策定がより高度化することは間違いありません。
特に持続可能なビジネスの発展を目指すためには、データ駆動型の意思決定システム(データドリブン)を導入する重要性がさらに増していくことが予想されます。
これからの営業はさらにDXを進めていく必要があることは間違いありません。営業DX推進が広がっていけば、業界や日本社会全体に大きな影響を及ぼし、新たなビジネス機会の創出に寄与するでしょう。
企業が業界内での競争力を高め、さらに持続可能なビジネス発展を望むのであれば、これらの変化に適応し、革新的な技術を積極的に取り入れるDXを推し進めていくことは、もはや必要不可欠な企業戦略なのです。
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