毛周期とは?




毛は常に同じ長さで毛穴から生えているわけではなく、一定の期間成長を続け、ある程度成長したら抜け毛となり、またしばらくすると同じ毛穴から新しい毛が生えてきます。

この毛が成長して生え変わるサイクルの事を毛周期と言います。




脱毛は「成長期」の毛穴にしか効果が無い




医療レーザー脱毛でも光脱毛でも、原理としては光によって毛の根本部分を熱して、毛根部周囲の細胞を破壊する事で新しい毛の育成を無くすというもの。

そのため、脱毛効果を得るためには毛がしっかりと毛根部分とくっついている必要があります。



そして毛周期の中で、毛が毛根部分の細胞としっかりくっついているのは成長期のみ。だから脱毛の効果を得られるのは毛が「成長期」にある毛穴だけという事になります。




成長期や休止期の長さは部位によって異なる




毛の成長期や休止期の長さは部位によっても異なり、例えば髪の毛は成長期が長く数年間伸び続けるのに対し、眉毛は数か月で成長期が終わるため、放置しておいてもある程度の長さにしかなりません。

毛の成長期の長さや休眠期の長さは個人の体質によっても変わりますが、大体の目安としては下記のようになります。




頭髪は成長期が長く毛の生え変わりが目立たない




全身の毛の中でも、最も成長期が長い毛が髪の毛。3~6年間成長期が続き、その間は1日に0.3~0.4㎜程度毛が伸びていきます。そのため、単純に計算すれば最大で80㎝程度(腰辺りまで)まで伸びる事となりますが、体質によってこれより長い人や短い人が分かれます。

成長期が終わった髪は2~3週間の退行期の後、3~4か月程度の休止期を経て再度生えてきます。

髪の毛ではあまり脱毛は行われませんが、うなじの脱毛を行うと首筋をスッキリと見せて着物での後ろ姿などが美しく魅せられるようになります。




ワキは伸びるのが早く人によって毛周期の差が大きい




わき毛は体毛の中では長めになりやすい毛で、1日に伸びる長さは髪の毛と同じく0.3~0.4㎜(月1㎝程度)。退行期もほぼ同じで、休止期は3~5か月と言われています。

ただ、成長期は髪と比べて大幅に短く2か月から半年なので、最大でも5~6cm程度にしか伸びません。

また、ワキ毛はホルモンバランスの影響も受けやすい事から、体質によって毛周期の差も大きい部位だといえます。




顔(眉毛やヒゲ)の毛周期




顔の中でも脱毛が行われやすい部位は、眉毛(形を整える)と口周り。男性の場合はヒゲの脱毛がメインですよね。



眉毛の伸びる速度は頭髪の半分程度、1日に約0.18㎜と言われています。成長期は1~2か月のため、最大で1㎝程度まで伸びる事となります。実際にはお手入れをしたり、洗顔で擦れて短くなったりしているので、そこまで伸びる事はあまりありませんが、老人などでは時々かなり長い人も見かけます。

退行期は1~2週間で、休止期は2~3か月程度なので、平均して3~4か月程度で生え変わります。



口周りの毛は体毛の中でも特に性ホルモンの影響を受ける場所なので、男性と女性で大きく毛周期も異なります。

男性のヒゲの場合は1日に0.4㎜と髪の毛と同じくらいの長さでのび、成長期は最大3年程度言われています。3年間伸ばし続ければ50㎝程になるので、ヒゲを全く剃らない場合はそのくらいの長さでとどまります。

退行期は2~3週間、休止期は1~1.5か月程度なので、休止期にある期間が短いのが特徴です。

女性の場合、退行期や休止期はほぼ同じですが、そもそも殆どが軟毛(うぶ毛)であり目立たず、伸びる速さも1日0.2㎜程度とかなり短くなっています。




手(腕)と足の毛周期は大体同じ




腕や足(指の毛は除く)については、大体成長期が3~5か月、退行期が2~3週間で、休止期が4~5か月とされています。1日に0.2~0.3㎜程度伸びるので最大で5㎝程と計算されますが、実際には擦れたりする事も多い部位なので長くても2~3㎝程度になります。

腕の毛の方が足の毛よりもやや毛周期が短い場合が多いようです。




VIOの毛は毛周期が長い




人気がどんどん高まっているVIO脱毛ですが、ビキニラインの毛は毛周期が長く、成長期が1~2年、退行期が2~3週間、休止期が1~1.5年とされています。

1日に伸びる長さは0.2㎜程なので、最大で6~10cm。手入れをしていなくても大体このくらいの長さで一定しているイメージですよね。

毛周期が長い事に加え、刺激に弱い部分であるため脱毛にかかる期間が長くなりやすい部位です。




最適な脱毛間隔はどのくらいか




以上のように、体の毛は部位毎に毛周期のサイクルが違うため、脱毛を行うための最適なサイクルも部位毎に異なります。




成長期が長い毛は「休止期」+「退行期」の間隔が最適




脱毛を最も少ない回数で完了させるために理想的な感覚は、理論上では休止期と退行期を足した期間。理由としては、脱毛は成長期の毛にしか効果が発揮できないため、一回目の施術時に退行期に入ったばかり効果を発揮できなかった毛が休止期を終えて成長期に入るタイミングで二回目を行う事で、ほぼ全ての毛に対してアプローチを行う事が出来るからです。




眉毛など成長期が短い毛は最適なサイクルが短い




ただし、上記は成長期が「休止期+退行期」よりも長い場合の話で、眉毛など成長期が短い毛の場合は状況が変わります。

例えば、眉毛の成長期が1か月半、休止期と退行期が合わせて2か月の人の場合、最初の脱毛から2か月後に脱毛を行ってしまうと、せっかく成長期に入った毛がまた退行期に入っているので、脱毛する事ができません。



そのため、成長期の長さより短い間隔で脱毛を行う事が、漏れが無く脱毛するために必要となります。



以上の事から、理論上で部位別に最適な脱毛の間隔は、

成長期が退行期+休止期より長い……退行期+休止期

成長期が退行期+休止期より短い……成長期の終わるギリギリ

という事になります。




よく「2か月毎の脱毛照射」が最適といわれる理由




しかし、実際に推奨されている脱毛の間隔は、殆どの場合でこの理想的な期間ではなく、大体2か月に1度のペース。

これには脱毛の性質や、クリニックやエステサロンでのプランの組みやすさが関係しています。




1回の脱毛施術で「成長期」にいる毛が完全になくなるわけではない




そもそも、レーザー脱毛にしろ光脱毛にしろ、成長期にある毛にしか効果は発揮しないものの、成長期にある毛は1回で脱毛しきれるかというと、そうではありません。

医療レーザー脱毛も光脱毛も、毛に光を当てて熱を発生させる方法は同じ。そして、この方法は毛の色が濃くて太い程効果を発揮しやすく、色が薄くて細い程効果を発揮しにくくなります。

人の体毛は同じ部位に生えていても太い毛や細い毛が混じっているため、脱毛効果が発揮されやすい毛と発揮されにくい毛があります。

また、細い毛にも効果が出るように照射すれば脱毛の効果は高まりますが、太い毛でのダメージが強すぎて火傷などのリスクが高くなるため、どうしても今ある太い毛の方に出力を合わせて施術を行う必要が出てくるのです。



つまり、1回の脱毛施術では細く効果が出にくい毛が残ってしまうため、ある程度短い間隔で照射を繰り返す事で太い毛を早く無くしていき、徐々に出力を上げながら細い毛も脱毛効果を発揮できるようにしていく形となるのです。



1回の施術で脱毛できる毛の量としては、医療レーザー脱毛で大体10~20%程度だと言われています。




顔は1~2か月、体は2~3か月間隔が分かりやすい




もう一つの理由が、多くの人が色々な箇所の脱毛を同時に行うという事。

例えばワキとVIOを同時に行う場合、ワキは3か月程度、VIOは4か月以上間を開けた方が効果を発揮しやすくなりますが、間隔が異なると通院する回数がそれだけ増えてしまいます。

また、クリニック側も部位毎に適切な期間を案内しようとすると複雑になってしまうため、大体どの部位でも効果が発揮しやすい期間として、顔であれば1~2か月、体であれば2~3か月の間隔で脱毛を行う事が推奨されやすいのです。




脱毛を行う回数は目的によっても異なる




脱毛を行う回数については、目的によって大きく変わります。

光脱毛はものによって効果が大きく変わり、またそもそも薄くて細い毛は脱毛しきれないため、医療レーザー脱毛での回数を紹介します。




太く目立つ毛だけを何とかしたいなら2~3回




肌をツルツルにしたいのではなく、太く目立つ毛だけを解消したいのであれば、前述の理論上最適な脱毛サイクルで2~3回施術を行うと良いでしょう。

脱毛効果を受けにくい薄く細い毛については残りますが、2~3回でも大幅にムダ毛を減らす事が出来ます。




自己処理不要レベルに脱毛する場合は5~10回




ある程度細い毛まで脱毛し、自己処理が不要な程度まで行う場合は5~10回程度の脱毛が必要となります。

最初の体毛の濃さによってかかる回数は変わるので、元々毛が薄い場合は5回、濃ければ10回というイメージです。

期間の開け方は部位によって異なり、顔であれば1か月、VIOは4か月、それ以外は2か月程度の間隔で脱毛すると、このくらいの回数で自己処理不要レベルになります。




軟毛(産毛)もないツルスベ肌には10~15回




特に顔の脱毛など、うっすらと生えた軟毛までしっかりと脱毛したいという場合にはより多くの回数が必要となります。

軟毛はそもそも脱毛効果を得にくいものであるため、強めのエネルギーで複数回施術を行う必要があります。




デリケートゾーンなど照射出力を上げられない場所も10~15回




VIOラインについては、そもそもデリケートな肌質の場所であるため強いレーザーを照射しにくい場所。そのため、どうしてもレーザーの照射回数を多めにして脱毛する必要があります。

VIOは最適な脱毛間隔も長く、回数も必要であるため、キレイにムダ毛を無くすためには2年以上かかってしまう場合もあります。




最適な間隔・回数で効果的な脱毛を




脱毛は毛周期に合わせて最適な間隔で行う事で、最も少ない回数で、最もキレイにムダ毛を無くす事ができるようになります。

間隔を短くして回数を増やしても効果が上がるというものではありませんので、自分が脱毛したい部位の特性をしっかりと理解して、一番良い形での脱毛を行いましょう。


情報提供元: 女美会
記事名:「 脱毛は何回通う?毛周期に合わせた部位別の最適な施術間隔と必要回数