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ニキビの治療方法として、イソトレチノン治療を聞いたことがある人は少ないかもしれません。
イソトレチノイン治療とは、ビタミンA誘導体の一種であるイソトレチノイン(13-シスレチノイン酸ともよばれる)という成分を利用した治療法の事で、皮脂の分泌を抑える事によってニキビを解消し、更にニキビの原因である皮脂を作り出す皮脂腺の退縮や皮膚の細胞を正常化させる作用によって、ニキビが出来ない肌質を作る事が出来る方法。
アメリカではニキビ治療の主流な方法で、男女に関わらず利用が可能である上にニキビの再発率も非常に低く、ニキビ肌の根本改善として最も効果が高い治療法だと言えます。
イソトレチノイン治療の事を、アキュテイン治療などと呼ぶ事もありますが、これはイソトレチノインの成分が配合された「アキュテイン」という薬を利用する治療という意味なので、意味合いとしては同じです。
そんなに有効な治療方法が何故あまり知られていないのかというと、それは日本国内ではまだイソトレチノイン治療が未認可の治療であり、保険適用での治療が行えないからという部分に理由があります。
イソトレチノイン治療は効果も非常に高い反面、誤った利用方法をすると副作用も非常に大きく、現在は医師の指示が無い場合では個人輸入でさえも禁止されている状態。
そんな状態なのでそもそも日本国内ではイソトレチノイン治療を積極的に取り扱う医師も少なく、取り扱っている医院も多くはないという実情なのです。
イソトレチノイン治療の最大のメリットは、肌質そのものを改善するという部分。
現在皮膚科にて行われている主流のニキビ治療法は、殺菌または肌の入れ替えによって、出来てしまったニキビやニキビ跡を早めに解消するためのもの。
基本的に対症療法のため、一度治療でニキビが無くなっても再発の可能性が高く、とくに重度のニキビ(広範囲に蔓延するニキビ)については、いくら治療を継続してもあまり効果が感じられないといった状態になってしまいます。
体質改善として漢方やサプリメントなどの利用もありますが、ニキビの改善効果が非常に高いものとは言えず、実際に利用している方の多くも、結局ニキビの悩みが完全には解消されないといった経験があるのではないでしょうか。
イソトレチノイン治療は、服用によってニキビの原因「皮脂」が作り出されるのをストップさせるため、まず服用期間中にニキビが出来なくなるという効果が一つ。
そして、皮脂を作り出す皮脂腺そのものを退縮(小さく)させる効果や、皮脂腺や角質の細胞が正常に働くようにしていくという作用から、薬の服用期間終了後もニキビが出来にくい肌質を保つ事が出来るという点が、とても大きなメリットです。
イソトレチノインによるニキビの治療は、1クールを6か月程度で実施します。
服用開始から暫くすると皮脂の分泌がストップし、ニキビが出来ない状態になっていきます。
効果が弱い場合は薬の量を増やしたり、治療期間を多少延長するか、数か月間の間を置いて2クール目の治療を行いますが、ホルモン療法であれば1~2年、フォトフェイシャルなどでの肌質改善はより長い期間での改善が必要となる事を考えれば、殆どのケースで治療期間が最も短い治療法となります。
イソトレチノイン治療はニキビへの効果が非常に高い分、リスクや副作用も大きい治療法。そのため、利用は必ずイソトレチノイン治療に見識がある医師監督の元で行う必要があります。
しっかりデメリットも理解して、治療法の一つとして検討して下さい。
イソトレチノインは肝臓などに大きな負担を及ぼす薬でもあるため、服用している最中に妊娠をしてしまうと流産や奇形児・障害児となってしまう可能性が非常に高く、治療期間や前後1か月間については避妊が必須となります。
もし妊娠してしまった場合、中絶が推奨される程の内容であるため、絶対に妊娠しない期間で治療を行うようにしましょう。
尚、男性が服用している最中の妊娠は特に問題が無いとされています。
イソトレチノインの服用中は、皮脂の分泌がストップするため肌が非常に乾燥する状態となります。
肌が乾燥するとダメージを受けやすくなり、にきびではなくても肌のトラブルが引き起こされやすくなりますので、服用期間中はいつも以上に入念な保湿ケアが重要となります。
イソトレチノインの薬剤であるアキュテインなどは、日本でまだ未承認薬となり自費診療であるため非常に高価。
クリニックによって処方金額は変わりますが、ひと月分で2万円程度はかかります。
1クールであれば薬代と検査代などを含めて15万円程度が必要となり、薬の効果が出にくい場合などは服用分量も増えるため、更に金額が追加される事となります。
副作用が強い治療法であるという事は、しっかりとした検査や経過観察も重要。最低でも月に1度は通院を行い、しっかりとした検査をしながら治療を行う方が良いので、薬をもらえばあとは自宅で完了するというわけではありません。
イソトレチノインは原則として重度のニキビに対して行われる治療方法であり、軽度から中程度のニキビであれば他の治療法が用いられる事が殆ど。
これはやはり強い副作用が懸念されるためであり、実際にイソトレチノイン治療がうけられるかどうかは医師の判断にもよるところがあるため、クリニックで相談してみないと治療が行えるかどうかが分からないという点がデメリットとしてあります。
イソトレチノイン治療は重度のニキビ改善として最も有効性が高い治療法とされていますが、100%の人に効果があるわけではなく、稀に薬を服用しても治療効果が全く得られない体質の人もいるようです。
また、肌質が改善されるとは言っても絶対に再発しないというものではなく。睡眠や食生活などの習慣も正さなければ、本当の意味で根治という事にはなりません。
重度のニキビが出来にくい肌質を作る治療法として、生活習慣の改善も併せて行っていくようにしましょう。
実際に、イソトレチノインによるニキビの治療を行った症例(協力者体験談)を紹介します。
イソトレチノイン治療の前にもレーザーや光による治療、ピーリングの他、漢方薬やサプリメントといったケアも行っていたのですが、ニキビが完全に無くなるというタイミングはほぼ無く、平均してこのくらいの肌質でした。
ニキビがなるべくできないように、生活習慣やスキンケアにも気を付けていても、肌質はこの状態のまま。この肌質は改善しないものだと半ばあきらめていました。
治療は1クール(6か月)間行い、費用としては諸々含めて15万円程度。イソトレチノインの服用と一緒に、医院の処方化粧品でEGFの配合された化粧品も利用しました。
治療後も全くニキビが出来ないわけではなく、時々発生はするものの、おおよそこの状態の肌をキープしています。
長年色々な治療を経験してきましたが、肌質にもあっていたのか一番はっきりと効果が表れたのがこの治療でした。
以前は肌の状態によってマスクを外せないという時が多かったのですが、殆ど気にする事無く過ごす事が出来ている事がすごく嬉しいです。
イソトレチノイン治療は、ここまでで紹介した通り効果が高い反面、それなりに副作用などのリスクも大きい治療。誰にでも気軽におすすめ出来る方法ではありませんが、ニキビの悩みを根本から解消するためにはとても有効な方法である事に間違いはありません。
日本ではまだ情報も少なく不安に感じる面も多い治療法ですが、気になった方は是非一度クリニックなどで相談してみて下さい。
ニキビで悩む人が一人でも減るように、この記事がお役に立てれば嬉しいです。